ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第4章 学園支配

第137話 反乱分子

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 魔法競技会の優勝は修斗の青龍チーム。
 2位は生徒会長の朱雀チームだ。
 表彰式が終わり、会場からは生徒や観客が徐々にいなくなっていく。

 魔法競技会が終了し簡単な後片付けが終わった後、実行委員は学園で打ち上げパーティーをしていた。
 しかしこの場に2名の姿がない。

「貴様! なぜ力いっぱい殴った! もう勝負はついていたはずだ!!!」

 誰もいない校舎の片隅で、生徒会の大男ローガスは修斗の胸ぐらをつかみ壁に押し付けていた。
 息も荒く今にも殴り掛かりそうな勢いだが、何とか手を出さずに我慢している。

「ああそうだな、確かに力を入れ過ぎたのは反省している。俺にもゲロがかかっちまったからな」

「そういう事を言っているのではない! 意識を失うほどの攻撃をする必要があったのかと聞いている!」

「? 決闘だろ? 本来ならどちらかが死ぬまでやる事なのに、競技会だからと意識を奪う程度で終わらせたんだが」

「お前の実力ならば、相手が怪我をしないように手加減をするものだろうが!」

「……お前、想像以上に頭が悪いのか? それともフランチェスカを奪われたから八つ当たりしているのか? どっちだ」

 ローガスの腕にさらに力が入る。
 普通の人間が相手だったら壁に押しつぶされそうな力だ。

「お、俺を侮辱するのか!? そんな事で俺がお前を責めるはずがないだろう!」

「そうか? でもあいつは具合が良かったぜ? 俺の命令に犬のように従って、必死に俺のチンチンをなめていたよ。シュウトきゅん、私もう我慢できないのぉ~、お願いだから入れてぇ~ってな」

 修斗の体が投げ飛ばされる。
 地面にたたきつけ、修斗に馬乗りになって顔を何度も殴りつける。

「貴様が! 貴様が来てからおかしくなったんだ! フランはそんな子じゃない! あいつは清楚でつつましく、誰からも尊敬される子だったんだ!!! 小さい頃は俺と結婚するって、子爵の子である俺とも仲良くしてくれたんだ!」

 殴られているが全く痛くもかゆくもなく、ただ哀れに涙を流す大男を眺めている。
 フンっと鼻で笑い、面倒くさそうに左手で払ってローガスを吹き飛ばす。

「だから何だ。子爵ごときが大公と結婚? 身の程を知れよガキが」

 歯が数本折れたのだろう、ローガスは口から血を流して起き上がろうとするが、衝撃で頭が揺らされて起き上がる事が出来ない。
 その目の前に修斗が立ち、足で押し倒すと腹に足をめり込ませる。

「がはっ! ぐぼあぁ!!!」

「そうそう、こうやって足で踏めばゲロがかからなかったんだよな。あいつのゲロならかかっても良かったが、お前のはただの汚物だ」

「げほっ! げほっ! グゥうぅぅ……貴様……貴様はぁ!!!」

「お前は分かってんのか? お前はザナドゥ王国の国王、修斗様に手を出したんだぞ? お前の家は確実に取り潰しだ。ついでにいうと国もどうなるかわからんぞ。良かったな、晴れて俺の敵対勢力の仲間入りができるぞ」

「なんでも、何でも力で解決できると思うな!」

「何いってんだお前、俺はやりたい事をする為にあらゆる力を手に入れたんだ。権力、暴力、資金力、国力、魅力、精力。お前には何がある? 1つでも俺に勝てるモノがあるのか?」

 止まりかけた涙があふれ出す。
 口の中に残る吐しゃ物と酸味、血の味が混ざり合い気持ち悪さと一緒に不愉快な気持ちでいっぱいになる。
 勝てるモノなど1つもありはしないのだ。

「わざわざ1年待って一緒に入学しても、何もできなかったお前は最初から負けているんだよ。さっさと家に帰ってママになぐさめてもらえよ」

 それだけ言って、修斗は打ち上げ会場へと戻っていく。



「あらシュウト君1人? ローガスと一緒じゃなかったかしら」

「さあ、アイツとは途中で別れたからな」

「そうなの? じゃあシュウト君も飲んで、食べて」

 せかせかと修斗に飲み物と食べ物を運んでくるフランチェスカとポリン。
 しかしフランチェスカは時々動きが止まる。

「腹は痛むか?」

「え? う、うん。でも決闘の結果だもの、これ位の痛みで済んだのなら安いものよ」

「で、でもフランチェスカさん、シュウト君の子供が出来なくなったらどうしようって泣いてたのに……」

「ポッ! ポリンさん!? そそそそういう事は人前では言わないで欲しいのだけれど!?」

「安心しろ。俺のたねは強いからな、必要な時には必ず妊娠する」

 修斗の子が欲しいとバラされた生徒会長と、必ず妊娠させる宣言をした修斗。
 生徒が沢山いる目の前で……中々の羞恥プレイだ。
 しかしなぜだろう、フランチェスカは顔を真っ赤にしながらも嬉しそうだ。



 打ち上げも終わり、クラスの女達は修斗の部屋に行こうとしたようだが、すでに修斗の姿は無かった。
 ポリンとフランチェスカの姿もない。

「それでは報告を聞こうか」

 ザナドゥ王国の謁見の間で、赤いマントと冠をまとった修斗は玉座に座り、ドレスをまとったパメラは左隣で少し小さな、玉座に次ぐ席に座っている。
 修斗とパメラを挟むように修斗側にはキャロラインが、パメラ側にはバーバラが立っている。
 その正面には重鎮たちがかしずいていたが、一斉に立ち上がり順番に報告を始めた。

 その末席にはフランチェスカとポリンも制服姿でいる。

「シュウト様を狙った不届き者は4つの国から来たようです。ハイランズ教国きょうこく、ワイヤック同盟、チチェリーナ協和連合国、ヘルトン=エムデア王国です」

 薄い青毛で角刈りのウィリアム騎士団長が1歩前に出て報告をすると、元の場所に戻り別の者が前に出る。
 次々と報告をしているが、どうやら競技会中に修斗を狙った国の報告と、今後の対応を話し合っているようだ。

 その4国は以前から敵対していた国で、事あるごとにザナドゥ王国に文句を言っていた。
 なんでも『貴重な森林を伐採した不届き者』『野蛮人の国』『武力で造られた血塗られた国』『下賤な平民の国』らしい。

 魔の森と言われる危険な森を開発し、武力を行使して野蛮な魔獣を倒しはしたが、周囲の国からは安心して暮らせるようになったと感謝されているし、元王女や聖女までいる。
 
 つまり気に食わないのだ。

 突っかかりはしていたが実力行使に出たのは今回が初めてだ。
 なのでその4国をどうするかだが……何段階かに分けて様子を見るようだ。

「まず最初は資金源を全て奪え。国に銅貨1枚も入れさせるな!」
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