ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第4章 学園支配

第159話 救われた心と捨てられた体

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「昨晩は済まない。すっかり寝過ごしてしまった」

「構わんさ。見張りは俺1人で大丈夫だからな」

 朝食時にローガスがみんなに謝罪をしている。
 目が覚めなかったのはローガスだけでなく、全員が寝坊するという不思議な事が起きていた。
 まぁ女はやり過ぎただけだが。

 ローガスは申し訳なさそうだが、ポリン、フランチェスカ、ルミナはバツが悪そうだ。
 プリシラとメイドはとてもツヤツヤしている。

「昨日はオークターガースを出るのが遅かったから、到着は明日の昼過ぎになりそうだな。あと1泊あるが気を引き締めていくぞ」

 道中は盗賊が出る事は無かったが、野犬や小型モンスターが襲ってくることがあった。
 基本的に修斗は何もせず、他の4人に対処させているのだが、フランチェスカとポリンは全く問題なく迎撃できているし、ローガスとルミナも2回目には上手くやっていた。

「い、意外と襲われるもんだな」

「街道沿いはもっと安全だと思ってた……」

 ローガスとルミナは連戦に疲れた様だ。
 フランチェスカとポリンも連戦だが、こちらはスタミナが段違いにあるので問題は無さそうだ。

「大丈夫? 無理はしないでいいから、次は休んでいて?」

「そうですよ、私達で対処しますから、少し休んでいてください」

 全然疲れていない2人に言われているが、フランチェスカはともかく、1年生のポリンに言われては立つ瀬がない。
 そんな弱気なところは見せられないと、休むことなく戦闘に参加していった。

 そして夜にはまたローガスを除いた6人で楽しみ、翌日の昼すぎにはザナドゥ王国へ到着した。

「さてザナドゥ王国へ到着したが、これで任務は完了か?」

「いえ、冒険者ギルドへ赴き、完了の報告をしたら完了となります」

 入国手続きを終わらせ街の中に入りはしたが、どうやら任務完了はギルドに報告をしてからのようだ。
 とは言えこの街にもギルドは有るので、精々数十分ていど伸びただけだが。

「久しぶりの冒険だったけれど、思ったよりも順調に終わりそうね」

「私は初めてだったけど、みんなこんな感じじゃないの?」

「私の最初の時なんて、薬草が見つからなくて丸1日かかったものだわ」

「え! そんなに?」

 フランチェスカとポリンがはしゃいでいるが、薬草1つ探すにも慣れが必要で、似た形の草も沢山あるためやり直しを食らう冒険者も多い。
 それでも初めての依頼を1日で終わらせたのならば、それはフランチェスカがかなり事前に情報を仕入れていたからだろう。

 ザナドゥ王国の国内に入りさえしたら、後は街同士の移動はかなり安全になる。
 街道は整備され、毎日冒険者や兵士が巡回しているからだ。

 開国した当初からあるザナドゥ王国の領地内でも、すでに街が3つ増えたが、まだまだ開拓作業は続いている。

 冒険者ギルドへの報告も終わり、いよいよプリシラ達と別れようとした時だった。
 プリシラから1つの指輪を渡される。

「もしご入用な事ががございましたら、パーカー商会を是非ご利用ください。コレを見せればよい条件で取引できますので」

 今まではめていた銀の指輪を修斗に渡すと、丁寧に頭を下げる。
 指輪を見ると、内側に文字が掘ってあった。『プリシラ・パーカーの恩人に捧ぐ』と。
 即席で作ったような物ではなく、最初から依頼が終わった段階で渡すつもりだったのだろう。

 恩人というのは盗賊達から救った事で間違いないが、今となっては別の意味でも救ったため、この文字には更なる意味がこもっている。
 
 指輪を眺めてポケットに放り込むと、修斗はまた頭を下げているプリシラの頭に手を乗せる。

「お前の全てを受け止められる男が現れたら、迷わずソイツの元へいけ。馬鹿な男から離れられたんだ、これからは良い人生が待っているさ」





「ねぇ、シュウト様のあの言葉、私は素直に受け止めてもいいのかしら」

 修斗達と分かれ、馬車で父親の元へと向かうプリシラは、メイドにたずねる。
 メイドは少し困ったような顔をするが、意を決したように口を開く。

「シュウト様のあのお言葉は真意でしょう。しかし……お嬢様がシュウト様の元へ行ってもよいかと言われると、違うと存じます」

「そうよね……シュウト様以外で、私の全てを知ってもなお受け入れてくださる男性が、果たしていらっしゃるかしら」

「もし現れない時は、私がお嬢様を慰めて差し上げますよ」

「あら、あなたは女性もいけるクチだったの?」

「そういう経験も、何度かございますので」

「ふふふ。その時はお願いするわね」

「お嬢様? 最後の手段ですからね?」

「何度かお見合いをして、何度もお断りされて、お父様が諦めたらシュウト様の元へ走って、それでもだめだった時の事よ」

「そうならないように、旦那様には沢山いい男性を紹介してもらうとしましょう」
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