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第5章 世界大戦
第200話 初戦の結果
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「総員突撃しろ!」
ベフラウィングがザナドゥ王国に宣戦布告し、それを受けた修斗は出兵、まずはいびつな形をしたザナドゥ王国の形を整えた。
真ん中が窪んだ『つ』を逆にした形をしていたため、その中にある3つの国を1時間足らずで占領を完了する。
この3国は元からザナドゥの手の上にあったため、戦闘らしい戦闘もなく終わったのだ。
「さて、アイツらは物資が足りていないらしいからな、小手調べに中央を分断して見るか」
小手調べと言われては、騎士団長や魔法兵長、弓兵長が動く訳にもいかず、重鎮すら動かずに兵士を向かわせる。
弓兵隊の副長であるエルフの女が指揮をとり、約1万の兵力で150万の軍隊に向かっていく。
編成自体は騎士・魔法・弓兵と揃っているので、バランスは悪くない。
悪くないのだが……150倍の相手だ。
1万の兵たちは奮戦した。
150万の敵を相手にして被害を最小限に抑え、前進と後退を上手く使って戦っている。
だが数時間が過ぎた頃、ベフラウィング陣営に動きがあった。
ザナドゥ軍に向けて空から石が降ってきたのだ。
こぶし大の石が空から降り注ぎ、騎士達に被害を与え始める。
どうやらカタパルトで石を投げているようだ。
これ以上の戦いは難しいと判断したのだろう、1万の兵たちは撤退を開始した。
「こちらの被害は?」
「怪我人が2500名です。死者はおりません」
「アレは上手く機能していたか?」
「は! 致命傷になる前に転送を開始し、全て回復士の元へと送られてきました」
「よし、それでは引き続き監視を怠るな」
「了解しました!」
報告に来た兵士が戻り、執務室には静寂が戻った。
珍しく執務室には修斗1人でおり、窓の外を見ている。
外には城下町が見えているのだが、相変わらず戦争中には見えず、子供が外で遊んでいた。
「全く攻めて来なかったか……時間稼ぎのつもりか? 物資が揃ってから総攻撃をして来るのなら良いが、万が一にもしてこなければ危ない事になるな」
何が危ないのか分からないが、1万の兵で突撃させる以上に危ない事があるのだろうか。
作戦が有るはずだが、その作戦がいつ発動するのかも分からない。
「んん……いい天気だな、こういう時は女を抱くに限る」
そう言って部屋を出ると、道すがら目に入った女数名を連れて寝室に入って行った。
「あービックリした。まさか1万程度の兵力で突っ込んで来るとは思わなかったよ」
「アレの国王は頭がおかしいようだな」
「それにしても意外と統率が取れておったな。9人の悪夢の騎士頼りの戦いかと思っていた」
ベフラウィングの司令部では、先ほどの戦いを分析していた。
分析していたのだが、ザナドゥ軍は士気が高く訓練もされている、程度の事しか分からない。
なにぶん兵力差があり過ぎて、やった事と言えば突撃と後退を繰り返しただけだ。
それすらカタパルトの石で追いはらえた。
「こちらに損害は出たのか?」
「怪我人5000名、死者600名ほどらしい。意外と減ったな」
「ふぅ~ん。向こうの損害は?」
「まだ確認は取れておりませんが、3分の1程度は減らせたかと思われます」
「そっか。まぁ確認だけはしといてよ。この後も攻撃してくるかもしれないけど、こっちからは打って出ない。物資が揃うまでは牽制だけだからね?」
「その様に厳命しておきます!」
兵士の1人が敬礼をしてテントから出て行く。
「それにしてもこちらの損害が大きいようだが、やはり即席の兵だから練度不足が原因か?」
「そうであろうな。それにザナドゥ王国軍は練度が高いため、さらに被害が大きくなったのだろう」
「しょ~がないじゃんか。君たちがもっと増やしたいって言うんだからさ、訓練兵や傭兵、市民からも募集したんだし」
「まぁまぁ、それで数が1.5倍になったのですから、良いではありませんか」
少々愚痴っぽい物から口調が荒くなったようだが、それでも圧倒的有利という立場に変わりはないため、すぐに冷静さを取り戻す。
「これからしばらくは防衛戦だろう? その間にアノ国の力を見極めてやろう」
「こっちの怪我人は2500人だけで、向こうは5000人以上が怪我をしたそうだな」
「その様じゃな。装備もさることながら、兵の熟練度が違いすぎるのじゃ。これは戦争にすらならんかもしれんのぅお前様」
夕食を食べながら初戦の話をしているが、思った以上に自軍の被害が少なかったことに驚いている。
いや逆か、ベフラウィングが弱すぎて驚いている。
「でもさぁシュウト? アタイらにも出番はくれるんだよねぇ?」
「そのつもりだったが……お前達の出番はないかもしれないな」
「何ですって!? シュウト様、それでは私の活躍を見てもらえないのですか!?」
「バーバラさん落ち着いてください。相手が弱すぎるのがいけないんですから」
「弱すぎるな。予想の1万倍弱い。暇になりそうだから、補給物資が揃うのを待ってやろうと思っている」
ベフラウィングはまだ完全ではないようで、間もなく物資が届けられ、それで準備が完了するらしい。
なので今戦っても、あまりに差があり過ぎてつまらない。
「まずはやりたい様にならせてみよう。それが面白ければいいが、詰まらなかったら滅ぼすだけだ
ベフラウィングがザナドゥ王国に宣戦布告し、それを受けた修斗は出兵、まずはいびつな形をしたザナドゥ王国の形を整えた。
真ん中が窪んだ『つ』を逆にした形をしていたため、その中にある3つの国を1時間足らずで占領を完了する。
この3国は元からザナドゥの手の上にあったため、戦闘らしい戦闘もなく終わったのだ。
「さて、アイツらは物資が足りていないらしいからな、小手調べに中央を分断して見るか」
小手調べと言われては、騎士団長や魔法兵長、弓兵長が動く訳にもいかず、重鎮すら動かずに兵士を向かわせる。
弓兵隊の副長であるエルフの女が指揮をとり、約1万の兵力で150万の軍隊に向かっていく。
編成自体は騎士・魔法・弓兵と揃っているので、バランスは悪くない。
悪くないのだが……150倍の相手だ。
1万の兵たちは奮戦した。
150万の敵を相手にして被害を最小限に抑え、前進と後退を上手く使って戦っている。
だが数時間が過ぎた頃、ベフラウィング陣営に動きがあった。
ザナドゥ軍に向けて空から石が降ってきたのだ。
こぶし大の石が空から降り注ぎ、騎士達に被害を与え始める。
どうやらカタパルトで石を投げているようだ。
これ以上の戦いは難しいと判断したのだろう、1万の兵たちは撤退を開始した。
「こちらの被害は?」
「怪我人が2500名です。死者はおりません」
「アレは上手く機能していたか?」
「は! 致命傷になる前に転送を開始し、全て回復士の元へと送られてきました」
「よし、それでは引き続き監視を怠るな」
「了解しました!」
報告に来た兵士が戻り、執務室には静寂が戻った。
珍しく執務室には修斗1人でおり、窓の外を見ている。
外には城下町が見えているのだが、相変わらず戦争中には見えず、子供が外で遊んでいた。
「全く攻めて来なかったか……時間稼ぎのつもりか? 物資が揃ってから総攻撃をして来るのなら良いが、万が一にもしてこなければ危ない事になるな」
何が危ないのか分からないが、1万の兵で突撃させる以上に危ない事があるのだろうか。
作戦が有るはずだが、その作戦がいつ発動するのかも分からない。
「んん……いい天気だな、こういう時は女を抱くに限る」
そう言って部屋を出ると、道すがら目に入った女数名を連れて寝室に入って行った。
「あービックリした。まさか1万程度の兵力で突っ込んで来るとは思わなかったよ」
「アレの国王は頭がおかしいようだな」
「それにしても意外と統率が取れておったな。9人の悪夢の騎士頼りの戦いかと思っていた」
ベフラウィングの司令部では、先ほどの戦いを分析していた。
分析していたのだが、ザナドゥ軍は士気が高く訓練もされている、程度の事しか分からない。
なにぶん兵力差があり過ぎて、やった事と言えば突撃と後退を繰り返しただけだ。
それすらカタパルトの石で追いはらえた。
「こちらに損害は出たのか?」
「怪我人5000名、死者600名ほどらしい。意外と減ったな」
「ふぅ~ん。向こうの損害は?」
「まだ確認は取れておりませんが、3分の1程度は減らせたかと思われます」
「そっか。まぁ確認だけはしといてよ。この後も攻撃してくるかもしれないけど、こっちからは打って出ない。物資が揃うまでは牽制だけだからね?」
「その様に厳命しておきます!」
兵士の1人が敬礼をしてテントから出て行く。
「それにしてもこちらの損害が大きいようだが、やはり即席の兵だから練度不足が原因か?」
「そうであろうな。それにザナドゥ王国軍は練度が高いため、さらに被害が大きくなったのだろう」
「しょ~がないじゃんか。君たちがもっと増やしたいって言うんだからさ、訓練兵や傭兵、市民からも募集したんだし」
「まぁまぁ、それで数が1.5倍になったのですから、良いではありませんか」
少々愚痴っぽい物から口調が荒くなったようだが、それでも圧倒的有利という立場に変わりはないため、すぐに冷静さを取り戻す。
「これからしばらくは防衛戦だろう? その間にアノ国の力を見極めてやろう」
「こっちの怪我人は2500人だけで、向こうは5000人以上が怪我をしたそうだな」
「その様じゃな。装備もさることながら、兵の熟練度が違いすぎるのじゃ。これは戦争にすらならんかもしれんのぅお前様」
夕食を食べながら初戦の話をしているが、思った以上に自軍の被害が少なかったことに驚いている。
いや逆か、ベフラウィングが弱すぎて驚いている。
「でもさぁシュウト? アタイらにも出番はくれるんだよねぇ?」
「そのつもりだったが……お前達の出番はないかもしれないな」
「何ですって!? シュウト様、それでは私の活躍を見てもらえないのですか!?」
「バーバラさん落ち着いてください。相手が弱すぎるのがいけないんですから」
「弱すぎるな。予想の1万倍弱い。暇になりそうだから、補給物資が揃うのを待ってやろうと思っている」
ベフラウィングはまだ完全ではないようで、間もなく物資が届けられ、それで準備が完了するらしい。
なので今戦っても、あまりに差があり過ぎてつまらない。
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