ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第5章 世界大戦

第220話 時代錯誤の武器

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「3ぞん? そういえば12神将の上に3人居ると言っていましたが、それがあなた達でしょうか!?」

「おうよ! 12神将みたいな数で勝負するような連中と一緒にするなよな!」

 ガッコウと名乗った少女は丈の短い紺色のワンピース、同じく紺色のカウボーイの様なつばの広い帽子をかぶっている。
 薄い茶色の地面に届きそうなほど長い髪は、先端を金属の輪で纏めてある。

 14~16歳ほどだろうか。

 そして何より特徴的なのは、背中にかついだ筒だ。
 まるで……ミニガンのような多砲身の銃に見える。

「それでガッコウさんは、私と戦っていただけるのでしょうか!?」

「……おめぇ変な奴だな。2人を追いかけようともせず、ワタシと戦いたいっていうのかよ。主よりも自分の欲望優先か?」

「そんな事はありません! 私に止められる程度の人物であれば、シュウト様やエルノヴァには手も足も出ないでしょうから、私は安心して戦えるのです!」

「言ってる意味が分かんねーな。取りあえず泣き叫べ」

 背中に担いでいるミニガンを両手で持ち、バーバラに向けると呪文のようなものを唱える。

「オン・センダラ・ハラバヤ・ソワカ! バラバラの肉片になれ!」

 スイッチらしきものを押すと、銃身が回転して獣の雄叫びの様な低い音が響き渡る。
 何かの魔法が連続発射されているが、あまりに連射速度が速すぎて1回1回の音が繋がって聞こえる。

 煙と砂ぼこりで視界が奪われ、数秒間発射したのちに手を止めた。
 周囲に在った木や岩は粉々に砕け散っている。

「へへん! 誰だか知らねーけどな、アタシに勝とうなんざ1億兆万年早いってんだ!」

 ミニガンを背中に担ぎ、先に進んだ2人を追いかける……はずだったが、視界が徐々に戻るにつれて砂埃の中に人影がある事に気が付き、もう一度ミニガンを構えなおす。

「1億兆万年ですか! 一体何年か分かりませんが、その年数をお待たせする訳にはいきませんね!」

 無傷のバーバラの姿がハッキリと確認できた。
 全身金属の鎧と大きな盾、片手剣を持った姿は、聖女よりも騎士と言った方がいいだろう。

「なんだ知らねーのかよ。あったまわりーなぁお前、じゃあ100兆光年後に来やがれ!」

 ミニガンを構えてスイッチを押す。
 数秒間スイッチを押し続け、また砂埃と煙で視界が無くな……目の前にバーバラが現れる。

「ふおわぁ!? あ、あんだテメー! な、なんで平気で立ってられんだよ!」

「その程度の攻撃でしたら『万物を拒否する盾』を使うまでもありませんね!」

 手に持った大きな盾と剣を使い、飛来する魔法を全て打ち返すか受け流していた。
 1秒間に発射される魔法の数は100以上なのだが……それが見えているようだ。

「はん! 防御特化型か! それならコッチはどうだ!」

 ミニガンを背中に担ぎ、新たな武器を背中から取り出す。
 1メートル50センチほどもあるライフルで、非常に銃身が太い……いわゆる対物ライフルといわれる部類だろう。

「へへ! こいつを食らえば1発で体が吹き飛ぶぜ! ウラァ!!!」

 大きな発射音が鳴り響き、ガッコウ自身も反動で後ろに倒れそうになる。
 何とか体勢を立て直し前を見ると……平気な顔でバーバラが立っていた。

「ふむふむ、魔法を撃ち出すとは面白い武器ですね! 私のコレクションに加えるとしましょう!!!」

 手のひらで魔法を受け、力で無効化してしまった。
 
「お……おま……アホな……」

 表情を引きつらせながら、他にも持っている武器でとにかく攻撃しまくる。
 しまくるのだが、どうやら対物ライフルが一番威力があるらしく、それ以降はバーバラが楽しめるような攻撃は無かった。

「ではこちらの番ですね! お覚悟を!!!」

「まままま、待て! 殺さないでくれ!」

「ええ殺しはしません!」

「そ、そうだよな? ワタシはまだ子供だからな」

「女性ならばひとまずシュウト様に献上しますので!」

「……え?」

 剣の腹で頭を殴り、意識を奪い動けなくする。
 手足をひもで縛って肩に担ぐのだが、どこにしまってあったのか武器がバラバラと落ちて来た。

「これはラグの得意分野でしょうか? ひとまずお持ち帰りするとしましょう!」



「お前達は何者じゃ?」

「俺はニッコウ。不本意ながら悪逆非道の国王を成敗に来た」

「私はヤクシ。同じくシュウト国王をさとしに来ました」

 成敗と諭すのでは全く違うと思うのだが、一体何が同じなのだろうか。
 
「何か来たと思ったら、お前らが3尊とかいう奴らか?」

 修斗とエルノヴァが城門内で待ち構えているのだが、その周囲にはメイド達が待機している。
 どうやら街中を何の障害もなく走り抜け、城まで現れた様だ。
 それもそのはず、首都内には平常通りの警戒しかしておらず、3尊を止められる者などいないのだから。

「自信の表れか? 不本意ながらあなどられたものだ」

「ニッコウ、あなたは女性の相手をお願いします。私がシュウト陛下を諭しますので」
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