ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第5章 世界大戦

第219話 不死身の倒し方

「胸に大きな風穴があいているのに、それでも立ち上がるんですね。話には聞いていましたが、実際に見ると恐ろしいですね」

 キャロラインの正面に居るのは60歳を超えるお年寄りだ。
 とはいえ筋肉質とまではいかないが体つきはしっかりしており、短く白いあご髭と長い白髪、つえ代わりの槍は薙刀なぎなたに近いものだ。

「キャロライン様、あのジジーは死にぞこないに見えますが、簡単には死んでくれないのでございますですよ、ハイ」

 ビリー雑用係と共に門から打って出ているが、他の兵士はほぼ無力化させたにもかかわらず、その年寄りだけが立っていた。
 ビリーもジジーなのだが、少し向こうの方が上だろうか。

「聞こえますか? 私はキャロライン、あなたのお名前を聞いてもよろしいですか?」

 聞こえていないのか、ゆっくりと近づき口を開こうとはしない。
 白く長い眉毛のせいで目も見えず、その表情を読み取る事は難しい。
 キャロラインとビリーは顔を合わせ“やれやれ″といった顔をするが、2人にしてみれば向こうのペースで動く必要もない。

「チャトゥラさんですね? 心臓を刺されても死なないという」

 名前を言われ、流石にピタリと歩みを止めた。
 しかし相変わらず表情は見えない。

「ワシの事を知っとるんか。ってことは裏切り者がおるんか?」

「裏切り者というか、すでに12神将の半数は捕らえましたので、聞きだす手段はいくつもある、とだけ言っておきましょう」

「ほうか。んまぁだからといって困る事は無いんやけどな」

「ちなみにどこまでやったら死にますか? あらかじめ聞いておかないと、無駄な殺生をする事になるんです」

「どぼっほっほっほ。ワシを殺せると思っとるんか? 無駄じゃ無駄じゃ、灰からでも生き返るからな」

「いえですから、チリ一つ残さず倒してしまうから聞いているんですが?」

 少しだけ眉がピクリと動いて足が止まる。
 流石にチリ一つ残らないと聞いて驚いているのだろうか。
 そういえば胸に開いた穴は塞がっている。

「そんな事が出来るんか? やめとけやめとけ、嘘を並べても空しいだけやぞ」

「そうですね」

「うむ、若いくせに物分かりが――」

「実際に見せた方が早いですもんね」

「……なんやと?」

 短いつえを持つ右手を差し出し、魔法を発動させる。

天を貫く射光の柱スカチュミラー

 チャトゥラの周囲に細い光の柱が数本現れる。
 何事かと空を見ると、徐々に光の柱が増えていき隙間なく光りの柱で埋め尽くされた時、眩い光と共にチャトゥラの体が細かく分解され大地と共にまるで空に招かれるように吸い上げられていく。

 恐らくは悲鳴を上げているのだろうが、すでに声を伝える器官は無くなっていた。

 閃光が収まり、眩しくて顔を背けていたビリーが見たものは……直径10メートルほどの穴だった。
 まるでキレイにくり抜かれたように無くなっており、覗き込むと底が見えなかった。

「ほほほ。本当にチリ一つ残さないとは、あの者もおバカさんでございますですな、ハイ」

「出来れば捕らえたかったのですけど、言う事を聞かなさそうでしたしね」

「賢明な判断かと思われますです、ハイ」

 開いた穴は大地の魔法で埋め直し、10万人を超える敵兵の屍を振り返る事無く防壁内へと戻っていった。




「おや? あなたは12神将の人でしょうか!?」

「違うわ! あんな雑魚と一緒にすんな」

「間違えられるとは不本意だ」

「そんな事もありますよ」

 首都から他の都市への移動中、バーバラの元には3人の男女が現れた。
 男1人女2人だが、その出で立ちから間違いなく戦いに従事する者だろう。

「ガッコウ、ここは任せます。私達は首都を攻めますから」

「あいあい、任せとけってんだ」

「そうはいきません! どうやって防衛を抜けたのか知りませんが、この先へ進ませるわけにはいかないのです!」

「いやいや、まさかあんなので防げると思ってるのなら不本意すぎる」

「急いでいますので、では」

 男女1組がバーバラの制止を振り切って先へと進んでしまう。
 それを止めようとするのだが、残った1人がバーバラの前に立ちはだかる。

「ワタシは3ぞんの1人ガッコウ。12神将なんかと一緒にすんなよな!」
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