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第6章 ダンジョンから始まる世界交流
第264話 フェニックスたる理由
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「氷結の楔!」
キャロラインの神界天技が発動し、フェニックスに向けて四方八方から糸のように細い線が襲い掛かる。
線はフェニックスを貫くと肥大化し、一気にフェニックスの体を破裂させた。
「やったぁ! 流石はキャロライン姉さん!」
今までは魔法で攻撃してもなかなか命中せず、当たっても効果が無かったのだが、流石は神界天技と言った所だろうか。
フェニックスの体はいくつかの破片となり、地面に落ちていく。
「あ、思わず倒してしまったけど、シュウトさんは捕らえろと言っていたわね」
「……シュウト様に謝りましょう」
空を飛びながら、落ちていくフェニックスの破片を見ているのだが、何やら破片の様子がおかしい。
ただ落下しているのではなく、破片は1カ所に向けて落ちているように見える。
森に落ちる前には破片が1カ所に集まり、強い光を発した。
「キャッ! な、なに?」
「キャロライン姉さん! あれを!」
レベッカ魔法兵長が指差した先には、バラバラになったはずのフェニックスの破片が1つになり、再び鳥の姿になろうとしていた。
まるで粘土の様にグネグネと混ざり、ひときわ強い光を放つと鳥の姿へと戻っていた。
「フェニックス……不死鳥と呼ばれる所以はこれね」
「で、でも、どうしたら倒せるんですか!?」
「難しそうね。でも今は、シュウトさんに怒られなくて済んでホッとしているわ」
「……そこですか」
フェニックスは翼を羽ばたかせ、キャロライン達よりも更に上空に昇ると、しばらく滞空して2人を見つめる。
今まで自分に傷をつけた者はおろか、倒した者など存在しなかった。
この人間は一体何者なのか、そう警戒しているように見える。
なので戦う事を避け、火山へと向けて飛んでいった。
「あ! 姉さん逃げますよ!?」
「後を付けましょう。今の私では捕獲は無理そうなので、シュウトさんに情報だけ渡して判断を仰いだ方がいいわね」
そうして2人も戦闘は避け、見逃さないように後を追いかけるのだった。
その頃修斗はルルナラともう1人を尾行していた。
ルルナラとは100メートル程、ルルナラを付けている者とは50メートルほど離れている。
土人の様なボッゴの後を付けながら、修斗はボッゴのステータスを確認していた。
名前:ボッゴ
年齢:21歳
HP:871
MP:12
力強さ:221
知 力:92
防御力:121
素早さ:108
魅 力:72
状 態:
スキル:土掘りLV19
別段強いわけでもなく、弱いわけでもない。
いや、この世界の人間としてみれば強い方だろうか。
とは言えもっと強い人間は沢山いる。
ルルナラはボッゴの尾行に気づきながらも、その行動を容認している。
ならば修斗は下手に手を出さず、ルルナラの動きを見ていればいいだろう。
だがそんな状態も長くは続かなかった。
火山の近くには木が無く、森から出なくてはいけないのだ。
しかしルルナラが森から出てしまうと、フェニックスが近くにいた場合は襲われてしまい、恐らくは大怪我をしてしまう。
なので森から出る事が出来ず、立ち往生しているのだ。
しかしこのままでは調査が出来ず、周囲を見回してもフェニックスらしきものは見当たらないため、少しの時間だけ森を出て火山に接近していく。
だがタイミングが悪かった。
キャロライン達と戦ったフェニックスが戻ってきたのだ。
フェニックスの移動速度は音速をはるかに超えているため、気が付いた時にはソコに居た。
「……え!? い、いつの間にフェニックスが!!!!」
ルルナラの正面にフェニックスがいる。
フェニックスを追いかけて来たキャロラインとレベッカ魔法兵長は、大声で逃げろと声をかける事しか出来ない。
恐怖で足がすくんでいるのだろうか、ルルナラは動く事が出来ず、目の前にいるフェニックスから目を離す事も出来ない。
フェニックスがくちばしを開き、ルルナラに突進する。
何とか防御魔法を展開するも、フェニックスは魔法を無効化し、ルルナラの顔に向けて大きなくちばしを開きそして……。
「何してる焼き鳥」
フェニックスの頭に修斗の拳が命中し、フェニックスは地面にめり込むようにして止まった。
あまりに一瞬の出来事だったが、一応はルルナラを助けようとしていたボッゴは手を伸ばしたまま、目を見開いて止まっている。
キャロラインとレベッカ魔法兵長が着陸し、ルルナラの安否を確認する。
「大丈夫ルルナラ!」
「おいルルナラ、意識はあるかい?」
ルルナラ本人はまだ理解が追いついていないのか、ゆっくりと周囲を見回すと、修斗を発見した。
「シュウト様~! お会いしとうございました! ささ、子づくりを……」
「落ち着かんか、バカ者が」
頭をはたくとやっと冷静になったのか、地面にめり込んだフェニックスを見て後ずさりする。
「しゅ、シュウト様あぶのうございます!」
「大丈夫だから落ち着け。それと首に抱き付くな、キスしようとするな」
どうやらいつものルルナラに戻ったようだ。
それにしてもフェニックスが動かないのはなぜだろうか。
バラバラにされても復活したのに、頭を殴られただけで動かなくなるというのも理解しがたい。
キャロラインの神界天技が発動し、フェニックスに向けて四方八方から糸のように細い線が襲い掛かる。
線はフェニックスを貫くと肥大化し、一気にフェニックスの体を破裂させた。
「やったぁ! 流石はキャロライン姉さん!」
今までは魔法で攻撃してもなかなか命中せず、当たっても効果が無かったのだが、流石は神界天技と言った所だろうか。
フェニックスの体はいくつかの破片となり、地面に落ちていく。
「あ、思わず倒してしまったけど、シュウトさんは捕らえろと言っていたわね」
「……シュウト様に謝りましょう」
空を飛びながら、落ちていくフェニックスの破片を見ているのだが、何やら破片の様子がおかしい。
ただ落下しているのではなく、破片は1カ所に向けて落ちているように見える。
森に落ちる前には破片が1カ所に集まり、強い光を発した。
「キャッ! な、なに?」
「キャロライン姉さん! あれを!」
レベッカ魔法兵長が指差した先には、バラバラになったはずのフェニックスの破片が1つになり、再び鳥の姿になろうとしていた。
まるで粘土の様にグネグネと混ざり、ひときわ強い光を放つと鳥の姿へと戻っていた。
「フェニックス……不死鳥と呼ばれる所以はこれね」
「で、でも、どうしたら倒せるんですか!?」
「難しそうね。でも今は、シュウトさんに怒られなくて済んでホッとしているわ」
「……そこですか」
フェニックスは翼を羽ばたかせ、キャロライン達よりも更に上空に昇ると、しばらく滞空して2人を見つめる。
今まで自分に傷をつけた者はおろか、倒した者など存在しなかった。
この人間は一体何者なのか、そう警戒しているように見える。
なので戦う事を避け、火山へと向けて飛んでいった。
「あ! 姉さん逃げますよ!?」
「後を付けましょう。今の私では捕獲は無理そうなので、シュウトさんに情報だけ渡して判断を仰いだ方がいいわね」
そうして2人も戦闘は避け、見逃さないように後を追いかけるのだった。
その頃修斗はルルナラともう1人を尾行していた。
ルルナラとは100メートル程、ルルナラを付けている者とは50メートルほど離れている。
土人の様なボッゴの後を付けながら、修斗はボッゴのステータスを確認していた。
名前:ボッゴ
年齢:21歳
HP:871
MP:12
力強さ:221
知 力:92
防御力:121
素早さ:108
魅 力:72
状 態:
スキル:土掘りLV19
別段強いわけでもなく、弱いわけでもない。
いや、この世界の人間としてみれば強い方だろうか。
とは言えもっと強い人間は沢山いる。
ルルナラはボッゴの尾行に気づきながらも、その行動を容認している。
ならば修斗は下手に手を出さず、ルルナラの動きを見ていればいいだろう。
だがそんな状態も長くは続かなかった。
火山の近くには木が無く、森から出なくてはいけないのだ。
しかしルルナラが森から出てしまうと、フェニックスが近くにいた場合は襲われてしまい、恐らくは大怪我をしてしまう。
なので森から出る事が出来ず、立ち往生しているのだ。
しかしこのままでは調査が出来ず、周囲を見回してもフェニックスらしきものは見当たらないため、少しの時間だけ森を出て火山に接近していく。
だがタイミングが悪かった。
キャロライン達と戦ったフェニックスが戻ってきたのだ。
フェニックスの移動速度は音速をはるかに超えているため、気が付いた時にはソコに居た。
「……え!? い、いつの間にフェニックスが!!!!」
ルルナラの正面にフェニックスがいる。
フェニックスを追いかけて来たキャロラインとレベッカ魔法兵長は、大声で逃げろと声をかける事しか出来ない。
恐怖で足がすくんでいるのだろうか、ルルナラは動く事が出来ず、目の前にいるフェニックスから目を離す事も出来ない。
フェニックスがくちばしを開き、ルルナラに突進する。
何とか防御魔法を展開するも、フェニックスは魔法を無効化し、ルルナラの顔に向けて大きなくちばしを開きそして……。
「何してる焼き鳥」
フェニックスの頭に修斗の拳が命中し、フェニックスは地面にめり込むようにして止まった。
あまりに一瞬の出来事だったが、一応はルルナラを助けようとしていたボッゴは手を伸ばしたまま、目を見開いて止まっている。
キャロラインとレベッカ魔法兵長が着陸し、ルルナラの安否を確認する。
「大丈夫ルルナラ!」
「おいルルナラ、意識はあるかい?」
ルルナラ本人はまだ理解が追いついていないのか、ゆっくりと周囲を見回すと、修斗を発見した。
「シュウト様~! お会いしとうございました! ささ、子づくりを……」
「落ち着かんか、バカ者が」
頭をはたくとやっと冷静になったのか、地面にめり込んだフェニックスを見て後ずさりする。
「しゅ、シュウト様あぶのうございます!」
「大丈夫だから落ち着け。それと首に抱き付くな、キスしようとするな」
どうやらいつものルルナラに戻ったようだ。
それにしてもフェニックスが動かないのはなぜだろうか。
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