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第6章 ダンジョンから始まる世界交流
第286話 欲をかき過ぎたらどうなるか
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「私がなる! だからそこの連中は助けてやってくれ!」
扉を開けると、そこには七三分けをした中年の男が息を切らして立っていた。
七三分けをした男の他にも数名のスーツに近い服装の男たちがおり、一様に息を切らしている。
「なんだお前は」
「ザナドゥ王国のシュウト陛下でいらっしゃいますね? 私はクラウス・ヘルム、この国で議員をしております」
修斗を確認するとクラウスは膝をつき、それに倣う様に他の男たちも膝をついた。
そして顔を上に向けて修斗にしゃべりかける。
「シュウト陛下、私を代表としてお認めいただけませんか?」
「誰でもいいが、なぜお前は会議室にいなかった? 下っ端か?」
「私はそこの者達とは派閥が違い、この会議には呼ばれませんでした。何とか国民の生活を豊かにしようとしていたのですが、その政策は全て握りつぶされ、大事な会議にすら呼ばれなくなってしまいました」
「そうか。ならお前が代表となって国を立て直せ。お前らも文句は無いな?」
大会議室内にいた連中は反発したそうにしていたが、修斗に睨まれて目をそらしてしまった。
それをOKと受け止め、勝手にクラウスを代表に任命した。
この国の事を特別重要視している訳でもないが、修斗の意見を優先的に取り入れるようにできれば、きっと便利な事があるだろう。
そう、その程度の理由でこの国を内部破壊したのだ。
「それじゃあ俺は行く」
「え!? お、お待ちくださいシュウト陛下!」
クラウスが慌てて呼び止めると、修斗は面倒くさそうな顔で振り向く。
「なんだ、てみじかに言え」
「は、はい。調印式を行いたいのですが、明日の昼過ぎには準備が終わりますので、それまではこちらで用意した宿でお休みください」
「勝手にやっておけ。俺は次の国に行く」
今度は呼び止められても止まる事なく進み、街中をのんびりと歩きながら国を出て行った。
勝手にやっておけと言われても、一応は民主国家なので法律がある。
しかし下手に機嫌を損ねたら何をされるか分からない……なので、可能な限りザナドゥ王国が有利になる条文を作成し、代理という形で署名をしたようだ。
のんびりと名も知らない国その2に入り、気が付けば後を追いかけてくる女は3ケタになっているのだが、特に気に入った女がいる訳でもないようで、適当なところでまいた。
そしてまた女を物色して2桁に手を出したころ、知らない男に声をかけられた。
「失礼、シュウト陛下でいらっしゃいますか?」
「そうだが、お前はなんだ?」
「失礼しました。私はこの国の元老院の使者でございます。シュウト陛下には是非、我らが国王陛下にお会いしていただきたいのです」
「そうか。なら案内しろ」
そんな調子で城に入ったのだが、年老いて尚まん丸な国王のへりくだった挨拶の後、いきなりパーティーが始まり、美人どころが修斗を囲む。
まあやり捨てるだけだから誰でもいいのだろうが、適当に楽しんでいた。
そして翌日になって国王が修斗の客室に現れた。
「シュウト陛下? え~お楽しみいただけましたかな?」
「まぁまぁだな。どうした? そんな事を聞きに来たのか?」
沢山の女が一糸まとわぬ姿でベッドに寝ており、修斗は女布団から体を起こして髪をかき上げる
「いえいえ、調印式を行いたいのですが……」
「しらん、勝手にやっておけ」
「そ、そうですか! それではこちらでやっておきますね!」
なぜか上機嫌で部屋を後にする国王。
勝手にやっておけと言われた調印だが、内容はあまりに酷い物だった。
一方的にザナドゥ王国から支援を受けるとか、この国からは何も差し出す必要がない、有事の際にはザナドゥ全軍をもって協力しなければならない、などなど、自国に有利な事しか書いてなかったのだ。
2国の違いが後々大きな差となるのは分かり切っているが、それは思ったよりも早い時期になるだろう。
そしてのんびりした旅もそろそろ終わりで、ようやくアイン・アール首長国へと到着した。
フィルヤール第3王女の書いた手紙がザナドゥ王国に届いているだろうが、手紙が届く前に修斗が遊びに来てしまった。
もちろん遊びが99.9%で、0.1%だけ仕事をするつもりのようだ。
(もしもしシュウト君、聞こえる?)
砂漠の多い国アイン・アール首長国の街に入ってすぐアイカから連絡が入り、修斗の脳内に声が響く。
「聞こえている。どうした?」
(あのね、フィルヤール第3王女なんだけど、今からザナドゥ王国に向かうって言ってるの。シュウト君に会いたがってるみたいだけど、連れて行ってもいいの?)
「ザナドゥに連れて行っても構わないが、俺は居ないぞ?」
(そうなの? 今どこ?)
「アイン・アール首長国にいる」
(あらら。じゃあしばらくはお客さんとして城で待っててもらう?)
「そうだな、それがいい。俺もしばらくしたら戻るから、好きな事をやらせておけ」
(りょーかい。シュウト君も早めに帰って来てね)
「ああ、アイカの顔が見たいからな、早めに終わらせる」
(うん、私もシュウト君の顔を見たいから待ってるね。それじゃ)
魔法通話が終わり、修斗は早めにアイン・アール首長国の城を目指す。
扉を開けると、そこには七三分けをした中年の男が息を切らして立っていた。
七三分けをした男の他にも数名のスーツに近い服装の男たちがおり、一様に息を切らしている。
「なんだお前は」
「ザナドゥ王国のシュウト陛下でいらっしゃいますね? 私はクラウス・ヘルム、この国で議員をしております」
修斗を確認するとクラウスは膝をつき、それに倣う様に他の男たちも膝をついた。
そして顔を上に向けて修斗にしゃべりかける。
「シュウト陛下、私を代表としてお認めいただけませんか?」
「誰でもいいが、なぜお前は会議室にいなかった? 下っ端か?」
「私はそこの者達とは派閥が違い、この会議には呼ばれませんでした。何とか国民の生活を豊かにしようとしていたのですが、その政策は全て握りつぶされ、大事な会議にすら呼ばれなくなってしまいました」
「そうか。ならお前が代表となって国を立て直せ。お前らも文句は無いな?」
大会議室内にいた連中は反発したそうにしていたが、修斗に睨まれて目をそらしてしまった。
それをOKと受け止め、勝手にクラウスを代表に任命した。
この国の事を特別重要視している訳でもないが、修斗の意見を優先的に取り入れるようにできれば、きっと便利な事があるだろう。
そう、その程度の理由でこの国を内部破壊したのだ。
「それじゃあ俺は行く」
「え!? お、お待ちくださいシュウト陛下!」
クラウスが慌てて呼び止めると、修斗は面倒くさそうな顔で振り向く。
「なんだ、てみじかに言え」
「は、はい。調印式を行いたいのですが、明日の昼過ぎには準備が終わりますので、それまではこちらで用意した宿でお休みください」
「勝手にやっておけ。俺は次の国に行く」
今度は呼び止められても止まる事なく進み、街中をのんびりと歩きながら国を出て行った。
勝手にやっておけと言われても、一応は民主国家なので法律がある。
しかし下手に機嫌を損ねたら何をされるか分からない……なので、可能な限りザナドゥ王国が有利になる条文を作成し、代理という形で署名をしたようだ。
のんびりと名も知らない国その2に入り、気が付けば後を追いかけてくる女は3ケタになっているのだが、特に気に入った女がいる訳でもないようで、適当なところでまいた。
そしてまた女を物色して2桁に手を出したころ、知らない男に声をかけられた。
「失礼、シュウト陛下でいらっしゃいますか?」
「そうだが、お前はなんだ?」
「失礼しました。私はこの国の元老院の使者でございます。シュウト陛下には是非、我らが国王陛下にお会いしていただきたいのです」
「そうか。なら案内しろ」
そんな調子で城に入ったのだが、年老いて尚まん丸な国王のへりくだった挨拶の後、いきなりパーティーが始まり、美人どころが修斗を囲む。
まあやり捨てるだけだから誰でもいいのだろうが、適当に楽しんでいた。
そして翌日になって国王が修斗の客室に現れた。
「シュウト陛下? え~お楽しみいただけましたかな?」
「まぁまぁだな。どうした? そんな事を聞きに来たのか?」
沢山の女が一糸まとわぬ姿でベッドに寝ており、修斗は女布団から体を起こして髪をかき上げる
「いえいえ、調印式を行いたいのですが……」
「しらん、勝手にやっておけ」
「そ、そうですか! それではこちらでやっておきますね!」
なぜか上機嫌で部屋を後にする国王。
勝手にやっておけと言われた調印だが、内容はあまりに酷い物だった。
一方的にザナドゥ王国から支援を受けるとか、この国からは何も差し出す必要がない、有事の際にはザナドゥ全軍をもって協力しなければならない、などなど、自国に有利な事しか書いてなかったのだ。
2国の違いが後々大きな差となるのは分かり切っているが、それは思ったよりも早い時期になるだろう。
そしてのんびりした旅もそろそろ終わりで、ようやくアイン・アール首長国へと到着した。
フィルヤール第3王女の書いた手紙がザナドゥ王国に届いているだろうが、手紙が届く前に修斗が遊びに来てしまった。
もちろん遊びが99.9%で、0.1%だけ仕事をするつもりのようだ。
(もしもしシュウト君、聞こえる?)
砂漠の多い国アイン・アール首長国の街に入ってすぐアイカから連絡が入り、修斗の脳内に声が響く。
「聞こえている。どうした?」
(あのね、フィルヤール第3王女なんだけど、今からザナドゥ王国に向かうって言ってるの。シュウト君に会いたがってるみたいだけど、連れて行ってもいいの?)
「ザナドゥに連れて行っても構わないが、俺は居ないぞ?」
(そうなの? 今どこ?)
「アイン・アール首長国にいる」
(あらら。じゃあしばらくはお客さんとして城で待っててもらう?)
「そうだな、それがいい。俺もしばらくしたら戻るから、好きな事をやらせておけ」
(りょーかい。シュウト君も早めに帰って来てね)
「ああ、アイカの顔が見たいからな、早めに終わらせる」
(うん、私もシュウト君の顔を見たいから待ってるね。それじゃ)
魔法通話が終わり、修斗は早めにアイン・アール首長国の城を目指す。
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