ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第7章 改変された世界

第368話 父親? え? なにそれ??

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 天界での用事も終わり、そろそろ地上へと戻る事にした修斗。
 なので女神ルデリットに言って、地上へ戻る旨を伝える。

「え? 戻れないよ~?」

「……は?」

「だって天界は死んだ人が来る場所だからね~」

「え? いや待て、俺は生きたままで魂か何かを一時的に持ってきたんじゃないのか?」

「流石にそんなに便利な場所じゃないし? 生きたままの人間が天界に来れるはずがないじゃないのさ~」

 そこまで言われ、少しだけ思い当たる事があった。
 以前ルデリットを地上に召喚した時は、存在が違うから地上へは本体が行けないため、幻影のみを送ったと言っていた。
 つまり天界と人間界では存在できる物が違うのだ。

 だから天界に来た修斗は天界に存在できる物、死んで魂となる事で天界に来れたのだ。

「待て待て待て、お前は天界に行くには条件があり、揃ったら呼ぶと言ったよな?」

「言ったよ~?」

「死んで天界に来たのなら、条件を揃える必要はなくないか? 自殺でもしたらいいだろう」

「そんな死に方しても天界には来れないよ? 人が死んだだけじゃ天界には来れないんだもん」

「最初にも俺は来たはずだが?」

「あれは私の都合だから呼び寄せただけじゃん。今回は私と修斗の都合が半々だから、そっちが条件を揃えてから私が呼び寄せたんだよ~?」

「条件を整えなければ、俺は天界には来れなかった、と?」

「そそそ」

 なんとも納得がいくようないかないような説明だが、ルデリットの力が無ければここには来れない事は確からしい。
 なのでそれは諦めるようだ。

「じゃあ俺はどうなるんだ? このまま魂のままでいるのか?」

「修斗はね~、神様になりたい?」

「興味が無いな」

「だよね~。じゃあこのまま次の世界に転生になっちゃうけど、いい?」

「元の世界には戻れないのか?」

「ん~、元の世界に生まれたい?」

「女達を置いてはいけないな」

「また赤ん坊になっちゃうけど、いい?」

「俺の能力は引き継げるよな?」

「もう修斗は私の手から離れちゃってるから、スキルのたぐいは修斗の固有の物だよ~」

「なら俺を産んだ女がいるから、その女から産まれるようにしてくれ」

「同じ人ね? わかったよ~、じゃ、大体1年くらい後に生まれる事になるから、後はよろしくね~」

「ああ、じゃあな」

 急激に修斗の視界が狭まり、意識が無くなってしまった。
 この日、人間界では特異な現象が起こったという。
 その事を修斗は後で知るのだが、苦笑いするしかなかったとか。



 産声が聞える。
 どこか知らない場所、人の気配はほとんど無いが、1人の女性だけが立ち去るのが目撃されていた。
 産み落とされた赤ん坊は急激に成長を遂げ、0歳からいきなり18歳ほどにまで成長する。

「……なに? ここはまさか……麻薬中毒の母親に産み捨てられたスラムか!?」

 ステータスをいじり、18歳まで成長した修斗は見覚えのある光景を前に絶句していた。
 修斗を産んだ女からもう1度と言ったが、それは修斗の女の1人であるナターシャ第1王子妃の事であり、その前の修斗を産み捨てた女の事ではなかったのだ。

「いや、確かに説明が悪かったかもしれないが……それくらい察しろよ。は! まて、まさかまた!?」

 慌ててステータスを確認するが、どこにも捨て子とは書かれていなかった。
 安心したように一息つくと、周囲を見回して産み捨てた女を探す。

「いや、捨て子になっていないならもういい。二度と関わり合いたくは無いがな」

 そしてザナドゥ王国に帰ろうとし、探査魔法を使い細かな現在位置をしらべる。
 やはり最初に生まれたスラム街と同じ場所のようだが、修斗はそれ以外の事に気を取られていた。

「ん?……んんんんん?? 女達の反応がないだと!? まさか何かあったのか!?」

 修斗が抱いた女の反応が一切なく、慌てて修斗はザナドゥ王国へと空間を繋いで移動した。

「おい誰かいるか! 誰か……いるじゃないか。ん? それは何だ??」

 ザナドゥ王国の修斗の寝室に移動すると、そこには大勢の女達が赤ん坊を抱っこしていた。

「シュウト!?」

「シュウト様!」

「シュウトさん!!」

「シュウト殿!」

「ご主人様!!」

「シュウト君!」

「お兄ちゃん!」

「お兄さん!」

 などなど、全員が赤ん坊を抱いているが、修斗の側に走り寄り、しきりに赤ん坊を見せて来る。
 
「お、おい待てお前ら、誰の子か知らないが、俺ではなく父親に抱かせればいいだろう」

 ピタリと全員の動きが止まり、クスクスと笑い出す。
 今までにない反応に修斗は戸惑い、戸惑う修斗を見て女達は更に笑い声が大きくなる。

「シュウト、この子はアンタとアタイの子だよ」

 パメラ第1夫人が赤ん坊を持ち上げて自分の顔の横に並べる。
 言われてみれば修斗の面影が無きにしもあらず……な気がしなくも無いようなそうでも無いような?? 
 それは他の女達も同じで、自分の顔の横に赤ん坊を持ち上げると、修斗と女の特徴があると言えばあるかもしれない。

「?? いや待て、俺はお前達を妊娠させた記憶がないぞ?」

「シュウト様! 3年前にシュウト様が突如としていなくなってから、私達は必死に探しました!」

 バーバラ聖女が修斗に赤ん坊を抱かせようと差し出す。

「しかし手掛かりは全くなく、捜査が進展しないまま2年が過ぎた時です」

 キャロラインロールドルフ王女は赤ん坊に愛おしそうに頬ずりをした。

「私達全員が、いえ、シュウト様がお相手をした女全員の妊娠が発覚したのです」

 レベッカ魔法兵長は赤ん坊の額にキスをする。

「僕たちは諦められませんでした。しかしシュウト様が最後に贈り物をしてくださったのだと、諦めかけていたのです」

 フローレンス小さな男装の麗人は抱いた赤ん坊をあやす様にベロベロバーをした。

「わたしタチは、シュウトサマの子供を、みんなでそだてるコトをやくそくしたデス」

 キャロルカタコト爆乳はお乳を与えながら、微笑んでいる。

「しかし、やはりシュウト殿は戻って来てくれました! 神は、シュウト様は私達を見捨てる事は無いのですね!」

 カーリンハイエルフは赤ん坊の頬を撫でている。

 他の女達も同様に愛おしそうに赤ん坊を抱きしめ、修斗にも抱いてもらおうと差し出してくる。

「「「お帰りなさい、お父さん」」」
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