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14時.嫁とイチャイチャ、え?嫁の危機!?
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翌朝、朝飯を食べにコレオプテールに向かい入り口の前に立っているが、入るのをためらっている。
あ、コレオプテールっていうのはリアが働いてるお店の名前ね。
どんな顔で入ればいいんだ!?い、いつも通りでいいよね、うんうん。
「お、おはようございまーす」
「いらっしゃいませー!空いてるお席へどうぞー!」
元気な声で出迎えてくれた。いつも通りだ。
そしていつも通りリアを探す。
「い、いらっしゃいませ。席にご案内します」
いつの間にか真横にリアが立っていた。
「お、おはようリア」
「おはようございます、ユーさん」
「なんで丁寧にしゃべってるの?」
リアは体の前で小さく店長を指差した。
「流石に仕事中はゆるして」
俺にだけ聞こえる声でゴメンのポーズをしている。ああ、店長の咳払いが飛んでくるのか。
「それではこちらの席へどうぞ!」
テーブル席に座り渡されたメニューを見る。とは言っても朝と昼は決まっている。
「朝のセットをお願いします」
……あれ?反応が無い。微笑んだままじっとしている。うーんこれは。
「朝のセットをお願いね」
「はい!しばらくお待ちください」
スキップで厨房にオーダーを通しに行った。
なるほど、リアは一度言った事は曲げない子だな。
そして朝セットが来るまでの間、俺はいつも通りリアを目で追っていた。
スカートひらひら……胸たゆんたゆん……ハッ!いかんいかん。
「お待たせしました!朝セットです!」
トレイからテーブルに大皿と小皿が移される。
そして注文していない飲み物が置かれてハテナ?と思ったらリアが隣のイスに座った。
「今日はお客さんが少なくて店長も座って本を読んでるから、私もチョット休憩」
あ本当だ、カウンター席で本を読んでいる。
「リアって夜はいつ頃まで働いてるの?」
「私は朝もやってるから夜は早いよ。ユーさんが帰ってしばらくしたら上がるの」
「じゃあその後に会ったりできるの?」
「朝に響かない程度なら問題なく」
よっしゃ!お泊りは無理でもご休憩ならいけるな。
「じゃあ今晩」
「ここにユグドラって冒険者はいるか!」
冒険者風の男が店の扉を壊しそうな勢いで入ってきた。
おいおい、いま取り込み中なんだよ静かにしてくれ。
なんとか話を戻そうとするが、本を読んでいた店長が俺を指差した。本だけ読んでろ!
「おお、あんたがユグドラか。急いでギルドに来てくれ大変なんだ!」
だから俺は今晩の予定をリアと……
「ユーさん、危険な事はしないでね」
「安心しろ、俺に掛かれば危険の方が逃げていくさ」
リアの前だからカッコつけたものの、今晩の予定が飛んでいく……ああ無情。
しかしわざわざ俺を探してコレオプテールにたどり着いたのなら、その運に免じて我慢しよう。
「ユグドラを連れてきたぞ!やっぱりコレオプテールに居た!」
やっぱり、とは一体。
「ユグドラさん緊急の依頼です。行方不明だったパーティーが一人だけ帰ってきました。何者かに襲われたようです。おおよその場所は聞いてあるので救助に向かってください。これがパーティーメンバーの似顔絵です」
七人の似顔絵が書かれた紙を渡された。
あのアニタさんがとても慌てているしギルド内もかなり慌ただしい。
確かに冒険者が襲われているのなら助けに行きたいが、果たして今から行って間に合うのか?
俺の方は準備はできているから問題は無い。
メニューのバッグに全部放り込んであるからね。問題は馬で走って間に合うかどうか、だ。
「場所はどこですか?」
「アグレス方面に向かう途中の森の中です。地面がえぐれているから見ればわかると」
えぐれている?かなり大型のモンスターだろうか。
「分かりました。じゃあ行ってきます」
「え!一人で向かうつもりですか?」
「そのために呼んだんですよね?」
「流石に何人か呼んでいるのですが……」
「なら先に向かっています」
そういって厩舎で馬を調達してアグレス方面へと走った。
俺のほかにはまだ誰も出てきていない様だ。まずは街が見えなくなるまで走ろう。
街の壁が見えなくなった。ここまでに地面がえぐれた様な痕は見当たらない。
森に隠れてルリ子にチェンジしよう。
― ― ―
さてと、迷子の迷子の子猫ちゃんを探すとするかね。
飛龍で飛ぶと地面の傷を見逃しそうだからメアで行くとしよう。
馬の倍近いスピードが出るはずさ。
「ゲート」
ナイトメアを呼び出して飛龍をゲート向こうに帰す。
こいつに乗るのは久しぶりだねぇ。嬉しそうに牙を光らせているよ。
それじゃあ街道に戻って探すとしようか。
少しだけ森を走って街道に戻る。途中の道にも傷跡は無い、なら速度を上げて行くよ!
メアを全速力で走らせて傷跡を探そう。
ん?あれかね。
地面に何か所か削られた跡がある。その跡は森へと続いている。
向こうかい?さーて、ミンチになって無きゃいいけどね。
しかしどうしようかねぇ、ユグドラに変わるか?いやまたモンスターの大群が居たら間に合わないからねぇ……仕方がないこのまま行くかね。
森の中を少し走ると木が広範囲にわたってなぎ倒されている。
ん~?オーガかもっとデカイのが居ないとこうはならないねぇ……ルリ子で正解さね。
おや?こんな所で一人くたばっているよ。
まったく、弱いんなら弱いなりに……息をしているね。
仕方がないから以前しずかで作った回復ポーションを顔と傷口にぶっかけてやった。
死んでなきゃ生きていられるだろう。
木がなぎ倒された先に進むとするか。
騒ぎ声が聞こえてきた。近い様だね。
メアを急がせると今までより更に沢山の木がなぎ倒されて見晴らしがよくなっている。
聞いていたより随分とガキが多いじゃないか。
むしろ似顔絵に書かれていないガキの方が多い様だねぇ。どういう事だい。
片方のガキがモンスターと共闘しているように見える。
盗賊にしちゃ使役するモンスターがでかすぎるね。しかも10匹はいるよ。
数が少ない方のクソガキはかろうじて立っているだけの様で、鎧を着てるのがどうかも分からないゴミ状態さね。
「誰だテメー。あんだその黒い馬、いいじゃね~か俺がもらって」
数が多い方のジャリから一人がアタシの方に来た。
メアの事が気に入った様だねぇ。
「フレイム・ストライク」
五月蠅いから足元から火柱を出して消滅させた。
「そっちのボロを着ている乞食。ひょっとして冒険者かい?」
ゆっくり乞食に近づくとゴミジャリ共が離れていった。
「冒険者だ……お前は何者だ」
「じゃああっちのジャリ共は何だい?」
「あれは盗賊団とモンスターだ」
「そうかい。あんた達乞食共はまだ動けるかい?」
「乞食……?我々は……もう無理だ」
はぁ~~~~……仕方がないねぇ。
「ゲート」
楕円形の青白い光の中からドラゴンが現れる。
「あいつら食っちまっていいよ」
アタシが指差すとドラゴンは歩き出す。
そう、ただ歩いただけでゴミ共は掃除されて、デカブツも地面とドラゴンの足にすり潰されて元が何だったのか分らなくなった。
ただ数が多いからねぇ、その間に臭い乞食共に恩を売っておこうか。
「一番の死にぞこないは誰だい」
さっき話した虫が指差した先には3人がうつぶせに倒れている。
腕が切れかかっている奴、足が無い奴、こいつは下半身が潰されてるねぇ。
メアから降りて袋を取り出し、下半身が潰されている奴にポーションを3本振りかける。
「おいそこの、こいつの足はどこだい」
そういいながら腕が切れかかっている奴に二本使った。
「たぶん……これです」
「じゃあくっつけろ」
足を大体の位置に置かせて両足に一本ずつかけて、追加で一本飲ませた。
「後はお前らで適当に飲んでろ」
ポーションの入った袋を置いて三人の様子を観察した。
こっちに来てから調合したポーションだが出来はどうだ?材料の質が悪かったから効き目が悪いかもしれないからねぇ……いい実験材料がいてよかった。
ゆっくりと、本当にゆっくりと足や腕、下半身が再生を始めた。
やっぱり効果が弱いねぇ、死んじゃ~いないようだが、瀕死だとポーションだけじゃ助からないかもねぇ。
「グレート・ヒール」
下半身が潰されている奴に回復魔法を使うと一瞬で下半身の治療ができた。
こいつぁ~もっと改良の余地がアリアリじゃ~ないか。チッ面倒くさい。
面倒だから2人も魔法で治した。こいつらは意識も回復したようだ。
「おい乞食ども、仕方がないからドラゴンの背に乗りな」
アタシは飛龍を呼びメアをゲート向こうに帰した。流石にメアではドラゴンに追いつけない。
敵を全滅させお行儀よく伏せて待っていたドラゴンは、首を乞食どもに近づける。
意識のあるやつは自力で、無い奴は数人で上に乗せた。
さて行こうかね。
「おーい」
あん?誰か走ってくる。
「おーい」
顔が見えた。あ、さっき一人倒れてたのを忘れてた。
仕方ないからドラゴンの首に乗せて街へ向かう。アタシは飛龍に乗ってドラゴンと並んで飛んでいこうかね。久しぶりにこいつの雄姿を眺めよう。
はー堪能した!アタシのドラちゃんは最高だよ!
街の門を飛び越えて直接ギルド前に降りたが、相変わらず騒がしいねぇ。
「おい、お前らの仲間を預かってる。後は言わなくても分かるな?」
ギルドの戸を開けて乞食どもを助けてやった旨を伝えた。
だってーのにこいつらなんだ?随分と態度が悪いじゃないか。
「あなあなあなあああなたが犯人ですか!冒険者を襲ってどういうつもりですか!」
アニタが随分と焦っているねぇ。犯人?ああ冒険者を襲った中には盗賊が居たからそいつらと交渉でもしているのかねぇ。
「そうかい。あのビチグソ共はひき肉にしたと思ったけど、まだ仲間がいたんだねぇ」
「ビチ……グソ?ひき肉?まさかあの人たちはもう!」
「待ってくれアニタ」
ドラちゃんの首から降りてきた乞食どもがギルドに入ってきた。
「その人は盗賊とモンスターを倒した上に俺達に凄いポーションを使ってくれたんだ」
「皆さんご無事でしたか!えっと、この方が皆さんを?」
「ああ、外にいるドラゴンであっという間に敵を倒してくれたんだ」
「そのうえ皆さんにポーションを?」
乞食が一回うなずくとアニタはすごい勢いで頭を下げた。
「もっ申し訳ありません!私ったら早とちりしちゃって!」
「あ?なんかあったのかい?」
「それよりアニタ大変なんだ。アグレスの街にモンスターの大群が向かっているんだ!」
「なんですって!?」
乞食の胸倉をつかんだ。
「おい、アグレスったらアルシエルがいる街か?」
「あ、ああそうだ。夜明け前には俺達を襲った別動隊が街へ向かったようなんだ」
「なんでそれを先に言わない!ウジムシ野郎が!」
アタシはウジムシを蹴飛ばして外に出た。
「飛龍!ドラ!アグレスに行くよ!」
飛龍に飛び乗って最高速度を出してアグレスへと向かった。無事でいておくれよアル!
それにしてもしくったね、小さな街だから石に焼いていなかった。
平和な街だと思ったんだがねぇ。
クソッ!馬をかっ飛ばして丸一日の距離だからこの子達でも一時間近くかかる。
間に合え、間に合え!!!
あ、コレオプテールっていうのはリアが働いてるお店の名前ね。
どんな顔で入ればいいんだ!?い、いつも通りでいいよね、うんうん。
「お、おはようございまーす」
「いらっしゃいませー!空いてるお席へどうぞー!」
元気な声で出迎えてくれた。いつも通りだ。
そしていつも通りリアを探す。
「い、いらっしゃいませ。席にご案内します」
いつの間にか真横にリアが立っていた。
「お、おはようリア」
「おはようございます、ユーさん」
「なんで丁寧にしゃべってるの?」
リアは体の前で小さく店長を指差した。
「流石に仕事中はゆるして」
俺にだけ聞こえる声でゴメンのポーズをしている。ああ、店長の咳払いが飛んでくるのか。
「それではこちらの席へどうぞ!」
テーブル席に座り渡されたメニューを見る。とは言っても朝と昼は決まっている。
「朝のセットをお願いします」
……あれ?反応が無い。微笑んだままじっとしている。うーんこれは。
「朝のセットをお願いね」
「はい!しばらくお待ちください」
スキップで厨房にオーダーを通しに行った。
なるほど、リアは一度言った事は曲げない子だな。
そして朝セットが来るまでの間、俺はいつも通りリアを目で追っていた。
スカートひらひら……胸たゆんたゆん……ハッ!いかんいかん。
「お待たせしました!朝セットです!」
トレイからテーブルに大皿と小皿が移される。
そして注文していない飲み物が置かれてハテナ?と思ったらリアが隣のイスに座った。
「今日はお客さんが少なくて店長も座って本を読んでるから、私もチョット休憩」
あ本当だ、カウンター席で本を読んでいる。
「リアって夜はいつ頃まで働いてるの?」
「私は朝もやってるから夜は早いよ。ユーさんが帰ってしばらくしたら上がるの」
「じゃあその後に会ったりできるの?」
「朝に響かない程度なら問題なく」
よっしゃ!お泊りは無理でもご休憩ならいけるな。
「じゃあ今晩」
「ここにユグドラって冒険者はいるか!」
冒険者風の男が店の扉を壊しそうな勢いで入ってきた。
おいおい、いま取り込み中なんだよ静かにしてくれ。
なんとか話を戻そうとするが、本を読んでいた店長が俺を指差した。本だけ読んでろ!
「おお、あんたがユグドラか。急いでギルドに来てくれ大変なんだ!」
だから俺は今晩の予定をリアと……
「ユーさん、危険な事はしないでね」
「安心しろ、俺に掛かれば危険の方が逃げていくさ」
リアの前だからカッコつけたものの、今晩の予定が飛んでいく……ああ無情。
しかしわざわざ俺を探してコレオプテールにたどり着いたのなら、その運に免じて我慢しよう。
「ユグドラを連れてきたぞ!やっぱりコレオプテールに居た!」
やっぱり、とは一体。
「ユグドラさん緊急の依頼です。行方不明だったパーティーが一人だけ帰ってきました。何者かに襲われたようです。おおよその場所は聞いてあるので救助に向かってください。これがパーティーメンバーの似顔絵です」
七人の似顔絵が書かれた紙を渡された。
あのアニタさんがとても慌てているしギルド内もかなり慌ただしい。
確かに冒険者が襲われているのなら助けに行きたいが、果たして今から行って間に合うのか?
俺の方は準備はできているから問題は無い。
メニューのバッグに全部放り込んであるからね。問題は馬で走って間に合うかどうか、だ。
「場所はどこですか?」
「アグレス方面に向かう途中の森の中です。地面がえぐれているから見ればわかると」
えぐれている?かなり大型のモンスターだろうか。
「分かりました。じゃあ行ってきます」
「え!一人で向かうつもりですか?」
「そのために呼んだんですよね?」
「流石に何人か呼んでいるのですが……」
「なら先に向かっています」
そういって厩舎で馬を調達してアグレス方面へと走った。
俺のほかにはまだ誰も出てきていない様だ。まずは街が見えなくなるまで走ろう。
街の壁が見えなくなった。ここまでに地面がえぐれた様な痕は見当たらない。
森に隠れてルリ子にチェンジしよう。
― ― ―
さてと、迷子の迷子の子猫ちゃんを探すとするかね。
飛龍で飛ぶと地面の傷を見逃しそうだからメアで行くとしよう。
馬の倍近いスピードが出るはずさ。
「ゲート」
ナイトメアを呼び出して飛龍をゲート向こうに帰す。
こいつに乗るのは久しぶりだねぇ。嬉しそうに牙を光らせているよ。
それじゃあ街道に戻って探すとしようか。
少しだけ森を走って街道に戻る。途中の道にも傷跡は無い、なら速度を上げて行くよ!
メアを全速力で走らせて傷跡を探そう。
ん?あれかね。
地面に何か所か削られた跡がある。その跡は森へと続いている。
向こうかい?さーて、ミンチになって無きゃいいけどね。
しかしどうしようかねぇ、ユグドラに変わるか?いやまたモンスターの大群が居たら間に合わないからねぇ……仕方がないこのまま行くかね。
森の中を少し走ると木が広範囲にわたってなぎ倒されている。
ん~?オーガかもっとデカイのが居ないとこうはならないねぇ……ルリ子で正解さね。
おや?こんな所で一人くたばっているよ。
まったく、弱いんなら弱いなりに……息をしているね。
仕方がないから以前しずかで作った回復ポーションを顔と傷口にぶっかけてやった。
死んでなきゃ生きていられるだろう。
木がなぎ倒された先に進むとするか。
騒ぎ声が聞こえてきた。近い様だね。
メアを急がせると今までより更に沢山の木がなぎ倒されて見晴らしがよくなっている。
聞いていたより随分とガキが多いじゃないか。
むしろ似顔絵に書かれていないガキの方が多い様だねぇ。どういう事だい。
片方のガキがモンスターと共闘しているように見える。
盗賊にしちゃ使役するモンスターがでかすぎるね。しかも10匹はいるよ。
数が少ない方のクソガキはかろうじて立っているだけの様で、鎧を着てるのがどうかも分からないゴミ状態さね。
「誰だテメー。あんだその黒い馬、いいじゃね~か俺がもらって」
数が多い方のジャリから一人がアタシの方に来た。
メアの事が気に入った様だねぇ。
「フレイム・ストライク」
五月蠅いから足元から火柱を出して消滅させた。
「そっちのボロを着ている乞食。ひょっとして冒険者かい?」
ゆっくり乞食に近づくとゴミジャリ共が離れていった。
「冒険者だ……お前は何者だ」
「じゃああっちのジャリ共は何だい?」
「あれは盗賊団とモンスターだ」
「そうかい。あんた達乞食共はまだ動けるかい?」
「乞食……?我々は……もう無理だ」
はぁ~~~~……仕方がないねぇ。
「ゲート」
楕円形の青白い光の中からドラゴンが現れる。
「あいつら食っちまっていいよ」
アタシが指差すとドラゴンは歩き出す。
そう、ただ歩いただけでゴミ共は掃除されて、デカブツも地面とドラゴンの足にすり潰されて元が何だったのか分らなくなった。
ただ数が多いからねぇ、その間に臭い乞食共に恩を売っておこうか。
「一番の死にぞこないは誰だい」
さっき話した虫が指差した先には3人がうつぶせに倒れている。
腕が切れかかっている奴、足が無い奴、こいつは下半身が潰されてるねぇ。
メアから降りて袋を取り出し、下半身が潰されている奴にポーションを3本振りかける。
「おいそこの、こいつの足はどこだい」
そういいながら腕が切れかかっている奴に二本使った。
「たぶん……これです」
「じゃあくっつけろ」
足を大体の位置に置かせて両足に一本ずつかけて、追加で一本飲ませた。
「後はお前らで適当に飲んでろ」
ポーションの入った袋を置いて三人の様子を観察した。
こっちに来てから調合したポーションだが出来はどうだ?材料の質が悪かったから効き目が悪いかもしれないからねぇ……いい実験材料がいてよかった。
ゆっくりと、本当にゆっくりと足や腕、下半身が再生を始めた。
やっぱり効果が弱いねぇ、死んじゃ~いないようだが、瀕死だとポーションだけじゃ助からないかもねぇ。
「グレート・ヒール」
下半身が潰されている奴に回復魔法を使うと一瞬で下半身の治療ができた。
こいつぁ~もっと改良の余地がアリアリじゃ~ないか。チッ面倒くさい。
面倒だから2人も魔法で治した。こいつらは意識も回復したようだ。
「おい乞食ども、仕方がないからドラゴンの背に乗りな」
アタシは飛龍を呼びメアをゲート向こうに帰した。流石にメアではドラゴンに追いつけない。
敵を全滅させお行儀よく伏せて待っていたドラゴンは、首を乞食どもに近づける。
意識のあるやつは自力で、無い奴は数人で上に乗せた。
さて行こうかね。
「おーい」
あん?誰か走ってくる。
「おーい」
顔が見えた。あ、さっき一人倒れてたのを忘れてた。
仕方ないからドラゴンの首に乗せて街へ向かう。アタシは飛龍に乗ってドラゴンと並んで飛んでいこうかね。久しぶりにこいつの雄姿を眺めよう。
はー堪能した!アタシのドラちゃんは最高だよ!
街の門を飛び越えて直接ギルド前に降りたが、相変わらず騒がしいねぇ。
「おい、お前らの仲間を預かってる。後は言わなくても分かるな?」
ギルドの戸を開けて乞食どもを助けてやった旨を伝えた。
だってーのにこいつらなんだ?随分と態度が悪いじゃないか。
「あなあなあなあああなたが犯人ですか!冒険者を襲ってどういうつもりですか!」
アニタが随分と焦っているねぇ。犯人?ああ冒険者を襲った中には盗賊が居たからそいつらと交渉でもしているのかねぇ。
「そうかい。あのビチグソ共はひき肉にしたと思ったけど、まだ仲間がいたんだねぇ」
「ビチ……グソ?ひき肉?まさかあの人たちはもう!」
「待ってくれアニタ」
ドラちゃんの首から降りてきた乞食どもがギルドに入ってきた。
「その人は盗賊とモンスターを倒した上に俺達に凄いポーションを使ってくれたんだ」
「皆さんご無事でしたか!えっと、この方が皆さんを?」
「ああ、外にいるドラゴンであっという間に敵を倒してくれたんだ」
「そのうえ皆さんにポーションを?」
乞食が一回うなずくとアニタはすごい勢いで頭を下げた。
「もっ申し訳ありません!私ったら早とちりしちゃって!」
「あ?なんかあったのかい?」
「それよりアニタ大変なんだ。アグレスの街にモンスターの大群が向かっているんだ!」
「なんですって!?」
乞食の胸倉をつかんだ。
「おい、アグレスったらアルシエルがいる街か?」
「あ、ああそうだ。夜明け前には俺達を襲った別動隊が街へ向かったようなんだ」
「なんでそれを先に言わない!ウジムシ野郎が!」
アタシはウジムシを蹴飛ばして外に出た。
「飛龍!ドラ!アグレスに行くよ!」
飛龍に飛び乗って最高速度を出してアグレスへと向かった。無事でいておくれよアル!
それにしてもしくったね、小さな街だから石に焼いていなかった。
平和な街だと思ったんだがねぇ。
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