お一人様冒険記(6人パーティー)~ゲームシステムに縛られてるけど嫁を見つけてハッピーになって見せる!~

内海

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22.誰?え?俺?

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 いい朝だ。
 ベッドは温かいし天気もいいし、小鳥の鳴き声もバッチリだ。
 なにより、隣でリアが俺を見つめて指で顔をツンツンしている。

「ユーさん」

「はーい」

「ユーさん」

「はーい」

 これはラノベですらない!異世界に転生したつもりが実はエロゲの世界に転生していた件。

「何だこの無意味な時間はー、コチョコチョコチョ」

「きゃっ、ちょっとまって、くすぐったいアハハハお腹ダメお腹はダメ~~」

 リアの弱点見つけたり。
 などとやっているとリアの腹が鳴った。

「ぐぅぐぅ」

「顔を真っ赤にして誤魔化そうとしても、聞こえたからね?」

「女の子はお腹なんてなりません!」

「じゃあお腹空いてないの?」

「……すいてる」

「じゃあ食べに行こう」

「うん」

 宿の小さな食堂で朝食を取り、街で散歩をすることにした。

「これからどうしようか?王都に行ってみる?」

「ん~、王都に行くのはユーさんから逃げるためだったから、逃げる必要が無くなったら行く理由も無くなっちゃったし」

「じゃあこの街で暮らす?」

「観光には行ってみたいな、王都」

「じゃあしばらくは二人で、色んな街に行ってみようか」

「うん、それ楽しそう」

 この街、ジョザ・マルーザはエリクセンよりも少し大きな街だが、貴族が住んでいない。
 貴族の屋敷はあるが、貴族はめったに来ることは無く、代理人が街を治めているとか。
 そのせいか衛兵が少しだけ、ダラケているように見える。

 ん?そういえば黒い鎧の騎士は、どうして貴族も居ない街にいたんだろう。
 どこかへ行く途中でこの街に寄ったのかな。

 街には活気があり治安もいい。
 俺達の痴話喧嘩が目立つくらいなので、スラムにでも行かない限りは危険は無いだろう。

 何件か店を見て回ったが、武器や防具の出来はあまり良くない。
 エリクセンやアグレスとも変わらない出来栄えだ。

 店を数軒回り観光名所らしい所を歩いて回り、名物といわれるものを食べ、夜には二人で一緒のベッドで眠る。
 明日の朝は馬車で王都へ向かおう。



 ベッドで横になって思い出す。
 あの黒い鎧の騎士、ブラスティーといったか。あいつが使った技はこの世界の物ではない。
 俺はあの技を知っている。

 ウィズダム・オンライン、通称ウィズオン。

 そのゲームの中でさむらいが使うスキル攻撃だ。
 俺も数年前までやっていて、当時クリアできるダンジョンはすべてクリアしている。

 ウィズオンだとすると一対一の勝負は不利だ。
 防御無視の攻撃や範囲攻撃、攻撃力アップスキルの重ね掛けなどで、対人戦では攻撃力に差があり過ぎて勝負にならない。

 俺が底上げするにしてもSTRポーションと、魔法のブレスで数秒間一~二割程度上げるのがやっとだ。
 魔法スキルは高いが、魔法の効果や威力を上げるスキルは0なので、回復魔法と移動魔法のためだけに魔法スキルを上げただけだ。

 対策が出来るまで会わないことを祈るしかない。
 横で寝ているリアを見る。
 リアの前であんな姿を見せるわけにはいかない。

 もっと強くならないと。

 朝になり王都行の荷馬車に乗る。
 王都へは四~五日かかるので食料はどうするのかと思ったが、寝食は馬車を持っている商会が用意してくれるようだ。助かる。

 王都行の馬車は流石に数が多く、三十~四十台はあるだろうか。
 護衛する冒険者の数も大変な人数がいる。

 出発して間もなく、一台の馬車の車輪が壊れてしまった。
 どうやら車輪を固定する金具が壊れてしまったらしい。

 こういう時しずかでいたら便利だけど、これだけ大きな集団なら修理できる人を雇っているだろう。
 と思っていたが誰も居ないらしい、マジかよ。

「私が修理します」

 声がする方を見ると、茶色を基調とした服装でピンクのベレー帽、革の手袋を付けた女性が壊れた馬車を見ている。
 あれ?どこかで見た事あるな。


「こう見えても修理は得意なんです」

 何やら商人とやり取りをして、バッグから金属板を取り出して金槌で形を整え、車軸を修理したようだ。

「これで完了です」

「おお、ありがとうございます。お客さんがいてくれて助かりました。お名前をお聞きしても?」

「私はしずかといいます」

 ……は?
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