お一人様冒険記(6人パーティー)~ゲームシステムに縛られてるけど嫁を見つけてハッピーになって見せる!~

内海

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第2章

36.さくさく依頼をすすめるぜ! え? 冒険者が帰ってこない?

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 まずはイノシシの群れを退治してやろう。

 どうやら小さな村の畑が荒らされるだけでなく、子供が外で遊べなかったり、退治に向かった大人が大けがをして帰ってきたらしい。早く対処してやれよ冒険者……。

 イノシシの被害が出ている村に到着したら、早速村長に話しを聞いてイノシシの群れが住む場所を教えてもらったが、少々面倒な習性があるらしい。リーダーイノシシを倒したら生き残っているイノシシは逃げて、数日後には別のリーダーを立てて群れが復活すると。

 つまりリーダーは最後に倒さないと、何回倒しても意味が無いそうだ。
 ゲームだったら経験値稼ぎに丁度いいけど、リアルでされたらブチギレ確定だ。

 森に入ってイノシシの巣へと向かった。

 あ~いるいる。えーっと、なんかスゲーデカいんですけど? しかも一杯いる。どーゆーこと?

 ひょっとしてアレかな、依頼から一年が経過して、リーダー以外も猛者もさとなって群れは大きくなりましたよ的な? てかリーダーどれだ、みんなデカくてわからん!

 お、あれかな? 牙が一番大きい奴。背中の模様が他の奴とは違うっていう特徴もあるし、あいつか~、害獣というか、すでのモンスターと言っていいんじゃないか??

 とはいえもっと大きいイノシシを倒したこともあるし、今日中にもう一件終わらせないといけないから、サクッと終わらせよう。とう!




 次! 街道の障害物除去! これはもう力技だ。石と木ならなんとかなるだろ!

 と思っていましたが、岩の高さ十メートル以上、横幅三十メートル以上。
 木の直径十メートル以上、高さは天にそびえるほど、樹齢じゅれい千年以上。

 迂回した方が絶対にいいだろうコレ! と思って周囲を見回すと、周囲は岩というか崖だったり、木は木で巨大な木が連なって壁になっている。ここだけ成長が遅くて繋がってないだけなんだな~って感じだ。

 ほんとうにココしかなかった!

 岩は木の手前にあるからコレから壊そう。まずは手持ちの爆弾を全部投げつけた!
 煙と閃光と爆発音で視界も聴覚も奪われるが、これで少しでも削れてくれれば……傷一つ付いてないんですけど!?

「なにこの硬すぎる岩」

 こうなったら斧で細切れにするしかないな。斧を構えて一回斬りつけてみると良い感じで斬れた。アダマタイトのバトルアックスいいね! よし、徹底的に壊してやるぜ!

 一時間後、なんとか岩を粉々にできたが、なんと地面にも深く埋まっていた。
 流石にソレは壊さなくていいらしいから木を切ろう。

 この大きさの木だったら、日本だと御神木ごしんぼくとかで祭られてるレベルだな。それを斬るのは忍びない……と思ったけど、よく見れば周りには更に大きな木が沢山あるから、ありがたみが無い。

 なので普通の木として倒した。倒したけど太いわ長いわで後始末の方が大変だった。
 この地域の人は当分まきに困ることは無いだろう。





 夕方には街に戻ってこれた。計画通りだ。

「ただいま戻りました」

「お帰りなさいユーさん。本当に二つとも終わったの?」

 親指を立てながら、依頼書に書かれた依頼主のサインを見せた。

「お、おおー、凄いユーさん! 流石だね」

「俺にかかれば楽勝さ。と言いたいけど、街道の岩と木は大変だった」

「伊達に一年も残って無かったんだね~」

 依頼報酬をリアから貰ったけど、少し多い。

「なんか多いよ?」

「イノシシの村長さんも街道の現場監督さんも追加報酬をくれたから。凄く喜んでるみたい」

「そっか~、どっちも困ってたからな」

 二つ合わせたら上級の依頼を達成したよりも多い額だ。中級の依頼をまとめて受けるのって結構ありなんじゃないか?

「今日はもう少しで上がりだから、終わったらご飯食べいに行こ」

「まってまーす」





 翌日の朝、到着予定だった冒険者が返って来ていない。リアが受付をして帰ってくる予定だった冒険者だ。
 少しくらいの遅れならよくある事だ。しかし今回はどうにも怪しいらしい。

「依頼は何だったの?」

「王都の東に小さな村があるんだけど、オフィディアンの目撃情報があったから、討伐依頼が出てたの」

 オフィディアンか。ヘビ人間だが、ラミアの様に人間寄りのヘビ人間ではないくヘビだ。ヘビの上半身に腕が二本生えていて、魔法や武器で攻撃してくる厄介な奴だ。

「あいつは結構厄介なモンスターだと思ったけど、熟練冒険者パーティーが向かったの?」

「ううん、上級寄りの中堅クラス。二パーティーの十二人」

「人数は多いけど、問題はオフィディアンの数だな」

「報告に有ったのは戦士系四、魔法使い系二だったよ」

「それは完全に上級者か熟練者向けだね」

「私もそう思ってグレゴリィさんに相談したんだけど、グレゴリィさんの反対も押し切って受けちゃったの、大丈夫だからって」

 んー、単に腕試しなのか、それとも自分はもう上級者だと勘違いしてる系か? それにしては人数が多いよな。確認されているのが六体だけど、他にもいると考えての人数か?

 可能性として考えられるのは
 1.時間は掛ったが討伐完了して王都へ向かっている最中。

 2.冒険者はすでに倒されている、任務失敗。

 3.今もなお討伐の最中。

 4.別のトラブルが発生した。

 1と3ならいいけど、それ以外だったらどうしようもないな。

 しかしこのまま放っておくわけにもいかない。臨時職員のリアが対応した冒険者が返ってこないなんて、後味が悪すぎる。

 とはいっても救援依頼が出ているわけでもなく、ギルドからの応援要請も無いのに俺が向かうのは違う気がするし……何かいい理由があればいいんだけどな。

 掲示板が目に入った。何人かの冒険者が依頼を探している様だ。
 ああ、その手があったか。掲示板に近づいて目的の依頼が無いか探すと、あった、これだ。

「リア、この依頼を受けるよ」

 リアに出した依頼書は、オフィディアンの目撃情報があった村の、さくの補強依頼だ。きっとオフィディアンが見つかったから強化しようと、追加で依頼を出したんだろう。

「ユーさん……いいの?」

「なに、ちょっと小遣い稼ぎをしたくなったんだ」

「ありがとう。それじゃあ手続きをするね」

 完全に初心者向けの依頼で報酬は二ゴールドだ。村の大きさは知らないが、人数が必要な場合は完全に赤字覚悟だから、初心者でも受けないかもしれない。なに一人でやれば丸儲まるもうけさ。

 王都を出発して村へ向かう。馬車で半日の距離だから、馬で飛ばせば一時間もかからないだろう。一応道中で冒険者や乗合馬車が居ないか確認したが、誰ともすれ違わなかった。

 村に到着した。家が二十~三十軒しかなく、村を囲む柵も広範囲という訳ではないようだ。
 これなら一人で何とかなる。

 村長の家を訪れて話しを聞くと、材料の木材や釘は揃っているから、簡単な加工と設置をお願いしたいと言われた。この村の大きさなら一人でも何とかなるだろう。

 やはり冒険者はまだ戻って来ていないらしい。
 それなら村長にお願いする事があるから、そっちの話しをしよう。

「村長さん、一つお願いがあるのですが」

 お願いと言っても少々順番を逆にするだけだ。俺の本来の仕事である柵を補強する前に、オフィディアン討伐に参加するから、討伐してから柵を作らせてほしい、とお願いした。

 どっちもどっちな気がするが、村としては襲われる前に完成すれば良い様なので、討伐を先に終わらせることにした。

 先に来た冒険者が向かった先と、敵が目撃された場所を聞いて急いで向かう事にする。




 オフィディアン達は、森の中にある街かなにかの廃虚に住み着いているらしいので、馬で森の中を駆けていく。

 しばらく走ると森の中で争った跡があった。慎重にゆっくり歩いて行くと、森が開けて廃虚が見えてきた。馬を降りて廃虚の様子を伺おう。

 近くに何もいないのを確認して、廃虚まで走り壁に背をつける。どうやらどこかで戦っているらしく、金属音や爆発音がする。しかし廃れた街らしいけど、思ったより建物が沢山ある。

 音をたどるにしても周囲を警戒していかないと、どこから襲われるか分からない。

 いくつかの建物の陰に隠れながら音に近づく。なんとか音の間近へたどり着いたようで、いま背を預けている建物の中で戦っている様だ。ここは教会……かな?

 壊れた壁の穴から中を見ると、人が倒れている。一、二、三、四人も地面に転がっているようだけど、確か十二人パーティーだったか、残りの八人で戦っているのか?

 もう少し状況を知りたくて別の穴を探して覗き込むと、更に二人が倒れている。
 おいおい、半分が倒れているのに、オフィディアンが倒れているのが確認できないぞ。

 穴からではもう分からないので崩れ落ちた壁から中を見ると、オフィディアン六体が壁を向いている。ああ、冒険者が壁に追い詰められているんだな。一、二、三、……六人は満身創痍まんしんそういだ。
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