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第2章
39.嫁と嫁
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家を出て湖の前に来た。アタシはベンチに座ってリアは少し離れた所で待っている。
「よし、マジックアローをひたすらアタシに向けて撃ちな。MPが切れたらそこのバッグにマジックポーションが入っているから、飲んでまた撃ちまくるんだよ」
リアの足元に置いてあるバッグを指さして指示をした。
「え! いくら弱いっていっても危険ですよ!?」
「アタシは魔法抵抗が高いからね、リアの魔法を何万発食らっても平気さ。マジックアローはターゲットが無いと発動しない、ほらやりな」
「わ、わかりました」
おっかなびっくりだが魔法を一発撃った。
だがマジックアローはアタシに触れた瞬間に霧のようになって消えた。
「あ、あれ?」
「これでいいんだ。さ、続けて」
「はい!」
ターゲットになっている間、アルの事を考えていた。そろそろ会いに行きたいねぇ、前に会ったのはいつだったかな。寂しがっちゃいないかい? それともアタシに愛想をつかしちまったかねぇ。これだけ長い間放っておいたんだ、それも仕方がないねぇ。
リアは相変わらずポーションを飲みながらひたすら撃ち続けている。途中何回か詠唱どころか魔法名すら言わずに発動していた。随分となれたもんだ。
うんそうだね、昼からアグレスに行ってみようか。どっちに転んでも一度アルに会っておきたいからねぇ。
バッグのポーションが空になったから午前の訓練はおしまいだ。
錬金術ギルドでマジックポーションを補充してからアグレスへ行くとするかね。
家の中に入ってゲートをだした。直接街の中にゲートを出せるのは便利だねぇ。やっぱり家があると何かと便利だよ。
「さ入りな。他の街に行くよ」
「はい、どこへ行くんですか?」
「アグレスだ。女に会いに行くんだよ」
「……え?」
ゲートをくぐるとアグレスの近くの森に出た。歩いて行くのも面倒だからナイトメアを呼び出して乗って行こう。
「久しぶりに見ましたけど、大きいですよねナイトメアって」
「馬より一回りは大きいからねぇ。さ、手を貸しな」
「はい」
メアは大きすぎてリア一人では乗れない。だからアタシが先に乗って手を引っ張ってやる。
アタシの前に座るリアは思ったよりも大きい。ユグドラの時はリアの頭の上から前が見えたが今は見えない。ユグドラの方が随分と大きいんだねぇ。
リアの肩にあごを乗せて前を見る事にした。
「わ、びっくりした」
「これは楽チンだねぇ。このまま街に行こう」
モンスターの集団に襲われてそんなに経っていないが、街は随分と復旧している。
ほぼ前の通りだと思っていい感じだ。あとは精神的な問題だからねぇ、こればっかりは自分たちで立ち直ってもらうしかないね。
ギルドの建物も以前のままだ。逆に建て直しているからキレイさね。
ナイトメアを入り口で待機させて中に入った。
「お、お姉さま!」
アルシエルが冒険者の受付をほっぽり出して走り寄ってきた。
「久しぶりだねぇアル。元気だったかい」
「はい! お姉さまもお変わりなく」
「アタシはいつも通りさ。ん? 少し痩せたかい?」
アルの頬をなでて気が付いた、少し骨ばっている。
「はい、最近忙しくて」
「いけないねぇ、無理は美貌の敵だよ?」
「でもお姉さまにお会いできて元気が出たから大丈夫です」
「それはアタシも同じだ、アルに会えて元気が出たよ」
「お姉さま、嬉しい……」
アルを抱きしめてやった。やっぱり少し細くなってるね、街の復旧は大変だったろうからねぇ。こんなになるまで無理をして。
「ところでアル、あそこの冒険者がこっちを見てるけど、何かあったのかい?」
「あ! やだ、私ったら仕事の途中でした。すみませんお姉さま、少しだけ待っててください」
慌ててカウンター内に戻って行った。あわてんぼうさんだね。
アルを待っている間はギルドの椅子に座って備え付けの紅茶を飲んでいた。テーブルもイスも紅茶も以前とは違うものだ。見た目は復旧していても、やっぱり違うもんだねぇ。
「ルリ子さん、紅茶のお替りはいりますか?」
「ああ、貰うよ」
リアに紅茶を入れてもらい一口飲む。
「お茶菓子が欲しくなるねぇ」
「あ、お菓子ありますよ」
リアがバッグから紙包みを出した。クッキーだ。
「ほんと、お前は良い嫁だよ」
かゆい所に手が届いてるね。
クッキーを食べるとアルが走ってきた。受付が終わった様だねぇ。
「お待たせしましたお姉さま。あの、ところで、その……」
「どうしたんだい?」
「その女性はどちら様でしょうか?」
その女性?ああリアの事か。アルに会えて嬉しくなって忘れてたけど、リアをギルドに紹介するのも目的だったねぇ。
「この子はアセリアだ。嫁だよ」
「よし、マジックアローをひたすらアタシに向けて撃ちな。MPが切れたらそこのバッグにマジックポーションが入っているから、飲んでまた撃ちまくるんだよ」
リアの足元に置いてあるバッグを指さして指示をした。
「え! いくら弱いっていっても危険ですよ!?」
「アタシは魔法抵抗が高いからね、リアの魔法を何万発食らっても平気さ。マジックアローはターゲットが無いと発動しない、ほらやりな」
「わ、わかりました」
おっかなびっくりだが魔法を一発撃った。
だがマジックアローはアタシに触れた瞬間に霧のようになって消えた。
「あ、あれ?」
「これでいいんだ。さ、続けて」
「はい!」
ターゲットになっている間、アルの事を考えていた。そろそろ会いに行きたいねぇ、前に会ったのはいつだったかな。寂しがっちゃいないかい? それともアタシに愛想をつかしちまったかねぇ。これだけ長い間放っておいたんだ、それも仕方がないねぇ。
リアは相変わらずポーションを飲みながらひたすら撃ち続けている。途中何回か詠唱どころか魔法名すら言わずに発動していた。随分となれたもんだ。
うんそうだね、昼からアグレスに行ってみようか。どっちに転んでも一度アルに会っておきたいからねぇ。
バッグのポーションが空になったから午前の訓練はおしまいだ。
錬金術ギルドでマジックポーションを補充してからアグレスへ行くとするかね。
家の中に入ってゲートをだした。直接街の中にゲートを出せるのは便利だねぇ。やっぱり家があると何かと便利だよ。
「さ入りな。他の街に行くよ」
「はい、どこへ行くんですか?」
「アグレスだ。女に会いに行くんだよ」
「……え?」
ゲートをくぐるとアグレスの近くの森に出た。歩いて行くのも面倒だからナイトメアを呼び出して乗って行こう。
「久しぶりに見ましたけど、大きいですよねナイトメアって」
「馬より一回りは大きいからねぇ。さ、手を貸しな」
「はい」
メアは大きすぎてリア一人では乗れない。だからアタシが先に乗って手を引っ張ってやる。
アタシの前に座るリアは思ったよりも大きい。ユグドラの時はリアの頭の上から前が見えたが今は見えない。ユグドラの方が随分と大きいんだねぇ。
リアの肩にあごを乗せて前を見る事にした。
「わ、びっくりした」
「これは楽チンだねぇ。このまま街に行こう」
モンスターの集団に襲われてそんなに経っていないが、街は随分と復旧している。
ほぼ前の通りだと思っていい感じだ。あとは精神的な問題だからねぇ、こればっかりは自分たちで立ち直ってもらうしかないね。
ギルドの建物も以前のままだ。逆に建て直しているからキレイさね。
ナイトメアを入り口で待機させて中に入った。
「お、お姉さま!」
アルシエルが冒険者の受付をほっぽり出して走り寄ってきた。
「久しぶりだねぇアル。元気だったかい」
「はい! お姉さまもお変わりなく」
「アタシはいつも通りさ。ん? 少し痩せたかい?」
アルの頬をなでて気が付いた、少し骨ばっている。
「はい、最近忙しくて」
「いけないねぇ、無理は美貌の敵だよ?」
「でもお姉さまにお会いできて元気が出たから大丈夫です」
「それはアタシも同じだ、アルに会えて元気が出たよ」
「お姉さま、嬉しい……」
アルを抱きしめてやった。やっぱり少し細くなってるね、街の復旧は大変だったろうからねぇ。こんなになるまで無理をして。
「ところでアル、あそこの冒険者がこっちを見てるけど、何かあったのかい?」
「あ! やだ、私ったら仕事の途中でした。すみませんお姉さま、少しだけ待っててください」
慌ててカウンター内に戻って行った。あわてんぼうさんだね。
アルを待っている間はギルドの椅子に座って備え付けの紅茶を飲んでいた。テーブルもイスも紅茶も以前とは違うものだ。見た目は復旧していても、やっぱり違うもんだねぇ。
「ルリ子さん、紅茶のお替りはいりますか?」
「ああ、貰うよ」
リアに紅茶を入れてもらい一口飲む。
「お茶菓子が欲しくなるねぇ」
「あ、お菓子ありますよ」
リアがバッグから紙包みを出した。クッキーだ。
「ほんと、お前は良い嫁だよ」
かゆい所に手が届いてるね。
クッキーを食べるとアルが走ってきた。受付が終わった様だねぇ。
「お待たせしましたお姉さま。あの、ところで、その……」
「どうしたんだい?」
「その女性はどちら様でしょうか?」
その女性?ああリアの事か。アルに会えて嬉しくなって忘れてたけど、リアをギルドに紹介するのも目的だったねぇ。
「この子はアセリアだ。嫁だよ」
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