お一人様冒険記(6人パーティー)~ゲームシステムに縛られてるけど嫁を見つけてハッピーになって見せる!~

内海

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第2章

61.アセリアを奪われたので国に帰らせていただきます!二日酔いだけど

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 宿をとる時、いつもは女4人部屋、男5人部屋を取っていたが、今回は俺とリアで2人部屋を取ると宿の女将に伝えてリアの手を握ろうとすると、エバンスとクリスティが間に割り込んだ。

「ふ・ふ・ふ、残念だがユグドラの思い通りにはならない」

「な、なに!?」

「アセリアはすでに私達のものよ。あなたはもう用済みよ」

「そ、そんな馬鹿な!リアを、リアを返してくれ!」

「オーッホッホッホ、アセリアの身も心も既に私達のもの。さっさと国にお帰りなさい」

「リア、リアーーー!!!」

 リアに手を伸ばすがクリスティとエバンスに遮られリアを連れ去ろうとする。

「あの、私はどうしたら……?」

 という寸劇遊びをしてみたが、どうやらクリスティとエバンスは本当にリアを手放さない。

「お願いユグドラ!暫く、暫くアセリアを貸して欲しいの!」

「この依頼の間だけ。魔法を教えて欲しい」

 珍しくうやうやしく頭を下げている。魔法を覚える千載一遇のチャンスだからだろう。
 そう言われると俺が無理を言えなくなる。今朝の俺の決断がぁ。

「まぁまぁ、ユグドラ、しばらくは男同士で飲み明かそうや」

「そぅそぅ、この村には美味い酒があっからさ、今夜は飲もっか」

「うんうん、久しぶりに朝まで飲むか!」

「……飲もう!」

「思いつかないなら喋るな!」

 アルファとフレディに突っ込まれるロバート。人生経験も芸人経験も足りない様だ。
 仕方なく男5人で飲み明かす事になった。



 酷い二日酔いだ……うえっぷ、気持ち悪い。

「本当に朝まで飲んでたのぉ?バッカじゃない~?」

 ケンタウリに呆れられた。そういえばケンタウリは魔法を使えないのに女部屋で何をやっていたんだろう。

「ま、まあ今日は移動だけだから……うぷっ」

「そんな状態でモンスターが来たら戦えるのかしら」

「その時はがんばります……」

 まともに喋れるのがアズベルだけというていたらく。
 俺はというとリアに背中をさすられていた。気分的に楽になった。

 まあ何というか、こんな時はやっぱり色々な事が起こるものでして。
 次の村へ馬で移動中、巨大な熊の群れに襲われた。
 巨大な熊・レイジングベアーの群れは親2頭、子供3頭の5頭いて、大人のレイジングベアーは立つと3メートルにもなる。

 ここからは俺の不注意だが、魔法使い組みが魔法を使った事に気が付かなかった。
 ああ敵がいるなと無意識に馬を降りて何も考えずに攻撃を開始したため、魔法が俺に当たってしまったのだ。魔法自体は魔法抵抗によって無効化したので無傷だったが、それが逆に魔法使い組の自信を奪ってしまったのだ。

「魔法が利かないって聞いてたけど、魔法が霧散するなんて聞いてない」

「昨日徹夜で一生懸命覚えた魔法がダメージゼロだなんて……」

「ダメでしょユーさん、いくら二日酔いだからって気を付けないと」

「ごめんなさい」

 前にも敵を倒して怒られた事があったな、ああ、素材集めで薬草はダメなのにモンスターの素材だけは良いって怒られたんだったな。
 でも今のは言い訳出来ないな~、今日は飲まずに大人しく寝よう。



 次の村、ロマノフが見えてきた。
 ロマノフはそれほど大きくなく、住人は100人前後の村だ。

 この村経由での発症者は出ていないため、村周辺の調査がメインとなるだろう。
 村長に会うため村人に話しを聞いたが村長は外出中らしい。
 夕方か夜には帰ってくるそうなので、その間は自分たちで周辺の調査をするしかない。

 この村には宿が無いので広場にテントを張るかゲートでエリクセンに帰るしかない様だ。
 村人に簡単な話を聞いたがこの辺には山はなく、大きめの川が流れているがモンスターや害獣が出る事も無い。ましてダンジョンなんてない様だ。

 確かにこの村の周囲には川しかなく、森や林とはいえない程度の木々が立っているだけだ。
 何を調査したらいいのかも分からないレベルだ。
 一応周辺を馬で歩いて回ったが収穫はゼロ。当ても無いので今日は村長が返ってくるまで休むことにした。

 休むと言っても前衛職は原っぱでごろ寝して、魔法使い組はリアに魔法を教わっている。こんなにのんびりするなんて久しぶりだ。

 夕方になり、村長が返って来ていないかと村長宅を訪ねた。
 扉を叩くと村長夫人が出てきたが、村長はまだ帰って来ていないらしい。
 仕方が無いから早めの夕食をとる事にした。広場でキャンプだ。

 食事の用意をしていると村人が数名食材を持ってやってきたので、一緒に食事をする事にした。話しをしていると、どうやら村長は村の守り神としてまつられているほこらに行っているではないかと言われた。時々釣りの帰りに祠にお供え物をしているようだ。

 それなら仕方が無いので今晩は素直にテントで寝る事にした。リアを女性陣テントに拉致されそうになったが断固拒否した。せめて一緒に寝かせろ!



 翌朝、朝食の準備をしようとしたら村長がやってきた。待たせてしまったから朝食に招待してくれるそうだ。
 50歳過ぎの村長と婦人、息子一人と一緒に食事をしながら来た目的なんかを話していたが、やはりこの村の周辺には何もなく、冒険者は来ても休憩して出て行くそうだ。

「村長さんは昨日祠に行ってたんだよねぇ?どこにあるの」

 ケンタウリが祠の事を尋ねた。みんなも少し気になっていたようだが、特別聞く必要もないと思って聞かなかったことだ。

「祠は川沿いにあります。気になるのでしたら川の上流に行けば見つかるでしょう」

「村の守り神なんだっけぇ?」

「ええ、むかし川が氾濫した時に祠の周辺だけ水があふれず、そのお陰で村が無事だったと言われています」

「御神体は何なのぉ」

「植物に関係する神様と言われていますが、詳しい事は……」

「ふ~ん、じゃあ見てきてもいいのぉ?」

「ええ、鍵もありませんし是非どうぞ」
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