私の色を、変えた人

わらびもち

文字の大きさ
上 下
5 / 7

私の好きな色

しおりを挟む
「まぁ、そんな話は置いといてー、食堂いこ!今日新作の卵カツサンドが数量限定なんだって!」

「あぁ、いいよ」

よかった。あんま聞かれなくて。そんなことを胸に、正直嫌いな食堂へ行く。

その後はただただ授業を受けて、時間が過ぎていった。

         そして、ハル君とも別れて、帰り道。

偶然久しい公園に立ち寄った。懐かしい。小学生の頃、この公園でハル君と遊んだな。そう思い出に浸っていると五月蝿い、聞き慣れた声が耳に入った。なので私は警戒し、サッと近くの隠れられそうな遊具に身を潜めた。

「わ~この公園懐かしい~」

「あ、ホントだ~、小学生の頃だっけ~?」

「小学生の頃といえば、涼宮葵っていう女いたよねー?」

                                     は?

「あー、んな女いたねー?不愛想なくせに裏でモテてたんだってー。今考えるとキショいわ~ww」
 
                              うるさい 

「それなww」

   あーやっぱり。みんな裏ではこうなんだ。最初から分かってたけど、これだから嫌だ。汚い色は。

「葵をそんな風に言うな!!」

                                  え?
 そんな汚かった色を変えたのはとても綺麗な、表現できない暖かな色。いつもと呼び方が違ったけど分かる。この声は_

「え!?春翔!?」
「葵をそんな風に言うと二度と消えないような傷つけるぞ!!」
「ひぃ!?」
 そう春翔が怒鳴ると女子2人組は逃げてった。呆気にとられているとすぐハル君が私に気づいて

「え、えと!違うんだ!別にあおちゃんをストーカーしていたわけじゃn

「ありがとう」

  不意に笑みがこぼれる。嗚呼、こんなにも心から感謝を伝えたのはいつぶりだろう?

「え?……あおちゃん、心から笑ってくれているんだね……!」

「まぁ、ここまでされたらね、笑っちゃうよww」

「そだねww」

「……懐かしーねーこの場所。よくここで2人で遊んだよね。」

「そうだね。あの頃のハル君、私より小さかったのに~ww……成長したね~」

そう笑いながらわしゃわしゃとハル君の頭を撫でる。 

「もー子供扱いしないでよー。……いつまでもあおちゃんの後ろにいるわけにはいかないからね。」

   そうハル君は少しトーンを下げて話す。嗚呼、そう言うところが好きなんだよ…まぁ、こんな気持ち知られたくないからポーカーフェイス決めるけどね。

「それじゃ、帰るから。バイバイ」

「うん!また明日~!」

こうして、1日が終わった。




しおりを挟む

処理中です...