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虎
28 ワイが保護者やで!
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広いお屋敷だが、俺の居所などたかが知れている。手づから食事の乗ったトレイを持ったギアナ様の襲撃を受けていた。
「リト……」
「あうっ?!」
ぼん!と音が出るほど赤くなったと思う。そのままベッドの上で固まってしまった。
「リト?」
伸びて来たギアナ様の指にカプッとサラやんが噛み付いた。
「あつっ!」
「サラやん?!」
「わいの目ぇの黒いうちは今度こそゆるさせぇへんで!!」
「喋った?!」
サラやんはぷらーんとギアナ様の指にぶら下がっている。まだ回復していないらしく、サラやんはまだ中指の長さくらいしかない。
そのチビサラやんだが
「リトの母ちゃんがおらん今!ワシが保護者や!」
とても頼りがいのある事を言ってくれた!さ、サラやんっ!
「こんぜんこーしょーは許さへんで!!」
「サラやん?!?!」
やだ!この子!何言ってるの?!
「なんだこのチビトカゲは。熱い!精霊か!」
「サラやんー!ギアナ様を噛んじゃだめー!」
「あかんで!リト!こう言うことは最初にはっきりさせとかんと、後々ズルズルになってまうもんなんや!」
噛み付いたままだから、サラやんはふごふご声だ。本当もう何言ってるの!
ぷりぷりと怒っているサラやんを頭の上に乗せて、ギアナ様に謝った。
「すいません!すいません!サラやんが何か誤解して!」
ギアナ様の中指はちょこっと火傷していた。
「いや、大丈夫だリト。そのサラマンダーも加減してくれたようだ。本気なら、腕事丸こげだろうしな」
「当たり前やろ!リトの旦那さんになるかもしれん人の腕を燃やしてもうてどないするんや!」
「さ、サラやーーーーん!」
だから、それ!それやめてーーー!
俺は色々な事をギアナ様に話した。山で暮らしていた事。家族がたくさんいる事。王子様に指輪を貰ったこと。街に降りたこと。お母様の実家で酷い目にあったこと。追われて、殺されかけたこと。
「サラやん達が助けてくれたんです。そのせいでこんなに小ちゃくなっちゃったって」
「ええんやで!なぁにすぐ元に戻るからな!でも人間は死んだらしまいや!精霊とはちゃうからな。わいらはリトを死なせとうなかった。そんだけや」
サラやんは当然だと言っているが、感謝してもしきれない。元気になったらまた色々しような!
「なるほど。だから川から流されて来たのか。それにしても……」
ベッドに腰を下ろし、包帯が巻かれている俺の左手を取った。
「そのクソ王子のわがままでリトが大怪我を負わされたのは……腹立たしいな」
大切に暖めるように俺の欠けた左手をそっと包み込む。優しさがじんわり滲んで来て、痛みが引いていくようだ。
少し待ってろ、とギアナ様は出て行き、手に地図を持って戻ってきた。
「今俺たちがいるのがバチュール国。この海に面した所だ。そしてリトがいたのはウィシュバーグ。この川を北東にかなり進む……だいぶ流されたんだな」
地図を覗き込むとウィシュバーグまではかなり遠い。びっくりした。
「川を上って行くのは、合理的じゃないな。水の精霊船か人魚族の協力があれば可能だが。現実的には海に出てから川沿いの国ではなく、その隣のリザを通ってからウィシュバーグに行くのが良いだろう」
「なんでこの国から真っ直ぐじゃないんだ?」
俺も聞きたかった事をサラやんが聞いてくれた。
「ここに、山脈がある」
トントン、地図を叩く。今いる国をバチュールの北にベルトロという国があり、そのには大山脈が横断していると言う。
「森も深いし、魔獣も多い。なら、穀倉地帯のリザを抜ける方が賢いのさ。リザからなら、ウィシュバーグの南は近いぞ」
「そうだったんだ」
「リザは小麦の生産が凄いからな。各国へ売りに出ている……街道も整備されてる。使わない手はないだろう?」
ギアナ様は商人だから、土地の事に詳しい。
「行くんだろ?ウィシュバーグ。俺も行くからな?」
「えっ!」
ふふ、笑った顔が眩しい。
「リトの母上に挨拶せねばならんだろう?息子さんを嫁にくださいとな?」
「うむ、筋はとおさなあかん!」
ちょっとサラやんまで何言ってるの?!
「待ってろ。今、紙と書くものを持ってくる。手紙を先に書きなさい。長旅になるから、怪我が完全に直ってからじゃないと出発出来んぞ?」
出て行く後ろ姿にサラやんは
「見所あるやん。あの王子よか全然ええ!リト、ギアナにしとき!金はある。優しい。ほんで多分強い。ちと手ぇが早い気がすんけどな!」
「さ、サラやん!!だってギアナ様は男だし!俺も男なんだけど?!」
「なんかあかんのか?精霊には男とか女とかないでよう分からんわ」
「サラやぁーん!!」
流石のサラやんだった。
「リト……」
「あうっ?!」
ぼん!と音が出るほど赤くなったと思う。そのままベッドの上で固まってしまった。
「リト?」
伸びて来たギアナ様の指にカプッとサラやんが噛み付いた。
「あつっ!」
「サラやん?!」
「わいの目ぇの黒いうちは今度こそゆるさせぇへんで!!」
「喋った?!」
サラやんはぷらーんとギアナ様の指にぶら下がっている。まだ回復していないらしく、サラやんはまだ中指の長さくらいしかない。
そのチビサラやんだが
「リトの母ちゃんがおらん今!ワシが保護者や!」
とても頼りがいのある事を言ってくれた!さ、サラやんっ!
「こんぜんこーしょーは許さへんで!!」
「サラやん?!?!」
やだ!この子!何言ってるの?!
「なんだこのチビトカゲは。熱い!精霊か!」
「サラやんー!ギアナ様を噛んじゃだめー!」
「あかんで!リト!こう言うことは最初にはっきりさせとかんと、後々ズルズルになってまうもんなんや!」
噛み付いたままだから、サラやんはふごふご声だ。本当もう何言ってるの!
ぷりぷりと怒っているサラやんを頭の上に乗せて、ギアナ様に謝った。
「すいません!すいません!サラやんが何か誤解して!」
ギアナ様の中指はちょこっと火傷していた。
「いや、大丈夫だリト。そのサラマンダーも加減してくれたようだ。本気なら、腕事丸こげだろうしな」
「当たり前やろ!リトの旦那さんになるかもしれん人の腕を燃やしてもうてどないするんや!」
「さ、サラやーーーーん!」
だから、それ!それやめてーーー!
俺は色々な事をギアナ様に話した。山で暮らしていた事。家族がたくさんいる事。王子様に指輪を貰ったこと。街に降りたこと。お母様の実家で酷い目にあったこと。追われて、殺されかけたこと。
「サラやん達が助けてくれたんです。そのせいでこんなに小ちゃくなっちゃったって」
「ええんやで!なぁにすぐ元に戻るからな!でも人間は死んだらしまいや!精霊とはちゃうからな。わいらはリトを死なせとうなかった。そんだけや」
サラやんは当然だと言っているが、感謝してもしきれない。元気になったらまた色々しような!
「なるほど。だから川から流されて来たのか。それにしても……」
ベッドに腰を下ろし、包帯が巻かれている俺の左手を取った。
「そのクソ王子のわがままでリトが大怪我を負わされたのは……腹立たしいな」
大切に暖めるように俺の欠けた左手をそっと包み込む。優しさがじんわり滲んで来て、痛みが引いていくようだ。
少し待ってろ、とギアナ様は出て行き、手に地図を持って戻ってきた。
「今俺たちがいるのがバチュール国。この海に面した所だ。そしてリトがいたのはウィシュバーグ。この川を北東にかなり進む……だいぶ流されたんだな」
地図を覗き込むとウィシュバーグまではかなり遠い。びっくりした。
「川を上って行くのは、合理的じゃないな。水の精霊船か人魚族の協力があれば可能だが。現実的には海に出てから川沿いの国ではなく、その隣のリザを通ってからウィシュバーグに行くのが良いだろう」
「なんでこの国から真っ直ぐじゃないんだ?」
俺も聞きたかった事をサラやんが聞いてくれた。
「ここに、山脈がある」
トントン、地図を叩く。今いる国をバチュールの北にベルトロという国があり、そのには大山脈が横断していると言う。
「森も深いし、魔獣も多い。なら、穀倉地帯のリザを抜ける方が賢いのさ。リザからなら、ウィシュバーグの南は近いぞ」
「そうだったんだ」
「リザは小麦の生産が凄いからな。各国へ売りに出ている……街道も整備されてる。使わない手はないだろう?」
ギアナ様は商人だから、土地の事に詳しい。
「行くんだろ?ウィシュバーグ。俺も行くからな?」
「えっ!」
ふふ、笑った顔が眩しい。
「リトの母上に挨拶せねばならんだろう?息子さんを嫁にくださいとな?」
「うむ、筋はとおさなあかん!」
ちょっとサラやんまで何言ってるの?!
「待ってろ。今、紙と書くものを持ってくる。手紙を先に書きなさい。長旅になるから、怪我が完全に直ってからじゃないと出発出来んぞ?」
出て行く後ろ姿にサラやんは
「見所あるやん。あの王子よか全然ええ!リト、ギアナにしとき!金はある。優しい。ほんで多分強い。ちと手ぇが早い気がすんけどな!」
「さ、サラやん!!だってギアナ様は男だし!俺も男なんだけど?!」
「なんかあかんのか?精霊には男とか女とかないでよう分からんわ」
「サラやぁーん!!」
流石のサラやんだった。
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