41 / 117
海へ
41 王の工房
しおりを挟む
「あの!あの!どこへ行くんですか!ここはどこですか?!」
「工房だ。ここは私の宮殿だよ、リト」
「宮殿……?」
ついて行くのに必死で、周りを見る余裕があまりないが、建物はとても立派だ。壁はどこも白が基調であちこちにガラスの窓がはまっていて……外はやはり海だ。所々に大きなガラス窓があり、外は魚が泳いでいる!
「も、もしかしてここは海の中なんですか?!」
俺を引きずるように引っ張っていた男は一瞬足を止めた。
「当たり前だろ」
当たり前ってなんだよ。なんだか感じの悪い人。それに工房ってなに?何でそんな所に俺が行かなきゃならないんだ。
「あの、俺、帰りますから!」
あからさまに嫌な顔をされた。
《いいから、工房へ行くんだ》
「はい」
なんだこれ!足が勝手に動き出す。歩幅の広いこの人の後ろを走って追いかける形になる。どうして、いう事を聞いてしまうんだろう!この人なんなんだ!
かなり下へと降りて来たと思う。そして両開きの扉を開けて驚いた。
「うわぁ」
中は確かに工房だった。真っ赤なガラスが焼け、ガラスの塊が作られる。中では何人もの人が働いていた。
「さあ、ガラスを作るんだ」
「え?どうしてです?」
俺は聞き返す。意味が分からない。
「君はリトだろう?私がそう望んだんだから作るんだ」
「何でですか?」
「私が王だからだ」
うーん、話の通じないタイプの人だ。困ったな。
俺が何と言っても断ろうかと考えていると、中でも働いていた人達全員が作業をやめてこっちに向かってきた。
「家に帰してくれ!」
「もうこんな所で働きたくない!」
「もう嫌だ!!」
えっ?!どう言う事?!これってかなりまずい事になっているんじゃない?!俺!
「黙れ!お前ら。王である私の為に働く事になんの不満があるというのだ。早く元の場所に戻るが良い」
さも当然と言わんばかり。ああ、この人。駄目な奴だ。
「お前は!俺たちの王様じゃねぇ!」
「魚のくせに!」
「地上に帰せ!こんな所いたくねぇんだよ!」
工房と呼ばれる場所で働いていたのは6人。人間や獣人だ。対して自分の事を王と言うこの人は1人だけ。
「お前を倒して帰る!」
物騒なことになってきた。
「出来るのか?ただの地上の諸人風情が?海で我らが一族に敵うとでも思っているのか??」
「うるせぇ!!」
1人が殴りかかった時だった。
《跪け》
かくん、全員の足から力が抜けて床に座り込んだ。何これ?!
《王に逆らうことは出来ぬ。作業に戻れ》
誰も何も言わずに、工房に戻って行った。ただ、目だけは悔しそうにギラギラしている。間違いない、何かの力で無理やり従わされているんだ!俺も含めて。
「リトもガラスを作るんだ。もっと透明で質の良い物を。私の宮殿を美しく飾るためのガラスを」
「無理です。俺は作れません」
「何故?」
「ここはどうやら海の中なんでしょう?俺の相棒が動きません。だから、俺はガラスは作れません」
サラやんが顔も出さない。炎の精霊のサラやんは水が苦手だ。こんな場所で出てこない。
「工房があるではないか」
「俺はサラやんと一緒じゃないと作業出来ません」
《良いからやれ》
「はい」
俺の口は勝手に返事をし、手足は勝手に動き出し、工房の中に入って行った。
「工房だ。ここは私の宮殿だよ、リト」
「宮殿……?」
ついて行くのに必死で、周りを見る余裕があまりないが、建物はとても立派だ。壁はどこも白が基調であちこちにガラスの窓がはまっていて……外はやはり海だ。所々に大きなガラス窓があり、外は魚が泳いでいる!
「も、もしかしてここは海の中なんですか?!」
俺を引きずるように引っ張っていた男は一瞬足を止めた。
「当たり前だろ」
当たり前ってなんだよ。なんだか感じの悪い人。それに工房ってなに?何でそんな所に俺が行かなきゃならないんだ。
「あの、俺、帰りますから!」
あからさまに嫌な顔をされた。
《いいから、工房へ行くんだ》
「はい」
なんだこれ!足が勝手に動き出す。歩幅の広いこの人の後ろを走って追いかける形になる。どうして、いう事を聞いてしまうんだろう!この人なんなんだ!
かなり下へと降りて来たと思う。そして両開きの扉を開けて驚いた。
「うわぁ」
中は確かに工房だった。真っ赤なガラスが焼け、ガラスの塊が作られる。中では何人もの人が働いていた。
「さあ、ガラスを作るんだ」
「え?どうしてです?」
俺は聞き返す。意味が分からない。
「君はリトだろう?私がそう望んだんだから作るんだ」
「何でですか?」
「私が王だからだ」
うーん、話の通じないタイプの人だ。困ったな。
俺が何と言っても断ろうかと考えていると、中でも働いていた人達全員が作業をやめてこっちに向かってきた。
「家に帰してくれ!」
「もうこんな所で働きたくない!」
「もう嫌だ!!」
えっ?!どう言う事?!これってかなりまずい事になっているんじゃない?!俺!
「黙れ!お前ら。王である私の為に働く事になんの不満があるというのだ。早く元の場所に戻るが良い」
さも当然と言わんばかり。ああ、この人。駄目な奴だ。
「お前は!俺たちの王様じゃねぇ!」
「魚のくせに!」
「地上に帰せ!こんな所いたくねぇんだよ!」
工房と呼ばれる場所で働いていたのは6人。人間や獣人だ。対して自分の事を王と言うこの人は1人だけ。
「お前を倒して帰る!」
物騒なことになってきた。
「出来るのか?ただの地上の諸人風情が?海で我らが一族に敵うとでも思っているのか??」
「うるせぇ!!」
1人が殴りかかった時だった。
《跪け》
かくん、全員の足から力が抜けて床に座り込んだ。何これ?!
《王に逆らうことは出来ぬ。作業に戻れ》
誰も何も言わずに、工房に戻って行った。ただ、目だけは悔しそうにギラギラしている。間違いない、何かの力で無理やり従わされているんだ!俺も含めて。
「リトもガラスを作るんだ。もっと透明で質の良い物を。私の宮殿を美しく飾るためのガラスを」
「無理です。俺は作れません」
「何故?」
「ここはどうやら海の中なんでしょう?俺の相棒が動きません。だから、俺はガラスは作れません」
サラやんが顔も出さない。炎の精霊のサラやんは水が苦手だ。こんな場所で出てこない。
「工房があるではないか」
「俺はサラやんと一緒じゃないと作業出来ません」
《良いからやれ》
「はい」
俺の口は勝手に返事をし、手足は勝手に動き出し、工房の中に入って行った。
59
あなたにおすすめの小説
嘘はいっていない
コーヤダーイ
BL
討伐対象である魔族、夢魔と人の間に生まれた男の子サキは、半分の血が魔族ということを秘密にしている。しかしサキにはもうひとつ、転生者という誰にも言えない秘密があった。
バレたら色々面倒そうだから、一生ひっそりと地味に生きていく予定である。
転生して王子になったボクは、王様になるまでノラリクラリと生きるはずだった
angel
BL
つまらないことで死んでしまったボクを不憫に思った神様が1つのゲームを持ちかけてきた。
『転生先で王様になれたら元の体に戻してあげる』と。
生まれ変わったボクは美貌の第一王子で兄弟もなく、将来王様になることが約束されていた。
「イージーゲームすぎね?」とは思ったが、この好条件をありがたく受け止め
現世に戻れるまでノラリクラリと王子様生活を楽しむはずだった…。
完結しました。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
* ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)
インスタ @yuruyu0
Youtube @BL小説動画 です!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
ヴィル×ノィユのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけのお話を更新するかもです。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる