【完結】愛する親友とゲーム転生をしたのに捨てられ賢者の俺は元魔王に愛されすぎてつらい

鏑木 うりこ

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ゲームの世界へ転生召喚?

19 お似合いですわね?

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「で、ありましててますね。こちらがわがロンドリア領の去年の収入になります……シュウ様?聞いてます?」

「え!あ、はい!聞いて……ますけど、どうして俺がロンドリア領の経営を学ばねばならないのでしょうか?」

 まあっ!ベルローズ・ロンドリア様は呆れた!と言う顔で俺を叱りつける。

「良いですか?貴方は兄の伴侶になるのですから、ロンドリアの民をしっかりまとめ上げて貰わねば困るのです!お兄様はああ見えて、ぼんやりしている所も多々ありますから、貴方がしっかり手綱を握らねば領民が飢えてしまいますよ!」

「いや、でもちょっと伴侶とかは……今まで通りベルローズ様が手綱を握れば良いのでは……?」

「まっ!わたくしに嫌味な小姑になれと?!お断りですわ!やっと兄の押し付け先が出来たのに!」

「何気に酷い!」

「良いのですわ!あんな変態兄!いくら好きだからと言っても嫁の脱ぎたてぱんつを集めるような変態はのしをつけてくれてやりますわ!返品は出来ませんのよ!」

「……集めて……るんだ……」

「隠し宝箱にいれてましてよ?」

 俺達の斜め前の大きな執務机の書類の山を片付けながら、フィオールはニヤリと笑う。

「褒めてねーし」

「ほんと気持ち悪いですわ!あまり蔑んだ目で見ない方がよろしいですわ、シュウ。ご褒美だと勘違いしますから」

「引くわ……」

 色々な意味での侮蔑の表情で見ると、にこーーっと嬉しそうで

「それ!ご褒美ですわよ!」

「ひぃ!俺の知りたく無い世界!」

 いやでも待てよ?もしだ、桐生に

「集めてるんだ……この変態野郎……っ!」

 って言われたらどうだろうか?

「……良い……かも」

「シュウ?!こっちの世界に戻って来てください!!シュウ!シュウーーー!」

 危ない危ない。危険な扉が開く所だったぜ!

「ベル、キュリオはどうなんだ?早く仕事の引き継ぎを終わらせて、シュウといちゃいちゃパラダイスに行きたいのだが。まだ駄目か?」

 そんなパラダイスは一人で逝って下さいね。俺はお供しませんよ?

「駄目ね。暗い部屋で悶々としてるわ。シュウ、キュリオを甘やかしすぎたんじゃない?あの子本当に魔王やっていけるのかしら?」

「あ、甘やかしてなんかいないぞ!俺達はいつも一緒で、朝ごはんは俺が作って、昼ごはんも俺が作って、おやつも晩ご飯も夜食も……。日用品が足りなくなったら買いに行って、服は自分で買えってお金渡したし、髪が伸びて来たら切ったり……」

「駄目なやつね」

「ええーー!」

 普通だよ?!フィオールに尋ねる。

「普通だよな?!」

「普通だから私の髪も切ってくれ」

「ほら見ろ!普通だって!」


「お似合いですね!!早く結婚してくださる?」

 あれ……?俺ってなんか間違ってた??

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