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ゲームの世界へ転生召喚?
24 小さな絵空事
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「しかも俺ってば、いくらゲームの魔王が桐生に似ててカッコよかったからって、桐生が魔王になったのを見てみたいなんて思ったから……」
俺のそんな邪な思いのせいで桐生に迷惑をかけてしまった。
「ベルローズ、頼む」
「はい」
今まで、書類に向かっていたフィオールが顔を上げて一言、ベルローズ様は席を立った。
すっと扉を開け、姿を消す。あれ?どうしたの?
「シュウは私の側にいると良い」
「どう言うこと……?」
フィオールはペンを置いて俺の隣まで来た。そして俺をソファに座らせると、静かに言った。
「ついさっき、キュリオが扉の向こう側に居たよ。きっとお前の話を聞いただろう」
俺はスーッと青ざめて行く。
「シュウ、お前が1番キュリオに知られたくなかった事なのだろう?」
「……嘘」
「私はお前に誠実でありたい」
「う、そ……」
心の片隅で思っただけの願望だったんだよ?ゲームの新魔王キュリオが、桐生に似てたから。名前もなんだか似ているし。目つきなんてそっくだと思った。
だから、桐生が魔王になったら……どれくらい似ているのかな?魔王になっても桐生ならカッコいいだろうなって。
でもそれは桐生に不幸になれと言っているようなもの。
「違う、俺は桐生の不幸を望んだんじゃない……」
「分かっている」
だが、キュリオはどう思うか。たった小さく思い描いた絵空事だったはず。
でも今の桐生がそれを笑って受け止めてくれるだろうか。
「きっと……無理だ……」
「シュウ!!」
俺は意識を保っていられなくなって、目の前がブラックアウトした。
「シュウ!シュウ!!」
闇に落ちて行く中、俺の名前を呼ぶフィオールの声だけが切れ切れに聞こえていた。
凄まじい。その一言だとベルローズは小さく息を飲んだ。見える距離にキュリオは立っている。しかし、遠い。
わたくし以上ね。
ベルローズはロンドリア家の娘であり、先代の魔王の妹である。女性の身とは言え、ベルローズの強さは魔王の妹に相応しい。
そんなベルローズがこれ以上近づけないほどの力をキュリオは放っていた。
ふふ、冷や汗が出るなんて久しぶりだわ。お兄様も人が悪い……あんな暴走状態のキュリオをわたくしが止められる訳ないじゃない!
「シュウ……お前……許さない……何で……お前まで……」
狂風に乗って呪詛の言葉が聞こえて来る。キュリオの魔力のこもった言葉は、辺りを陰に包んで行く。
呪いは間違いなくシュウに届くだろう。
それをお兄様は叩き壊すでしょうけどね。
目の中に入れても痛くないくらいフィオールはシュウを可愛がっている。暇があれば見つめているし、近くに寄ればそこ此処と触ろうとしては手を叩かれている。
シュウが来てからお兄様は人らしくなった。
ベルローズは兄の事は嫌いではない。だから自分に出来ることをするのだ。
俺のそんな邪な思いのせいで桐生に迷惑をかけてしまった。
「ベルローズ、頼む」
「はい」
今まで、書類に向かっていたフィオールが顔を上げて一言、ベルローズ様は席を立った。
すっと扉を開け、姿を消す。あれ?どうしたの?
「シュウは私の側にいると良い」
「どう言うこと……?」
フィオールはペンを置いて俺の隣まで来た。そして俺をソファに座らせると、静かに言った。
「ついさっき、キュリオが扉の向こう側に居たよ。きっとお前の話を聞いただろう」
俺はスーッと青ざめて行く。
「シュウ、お前が1番キュリオに知られたくなかった事なのだろう?」
「……嘘」
「私はお前に誠実でありたい」
「う、そ……」
心の片隅で思っただけの願望だったんだよ?ゲームの新魔王キュリオが、桐生に似てたから。名前もなんだか似ているし。目つきなんてそっくだと思った。
だから、桐生が魔王になったら……どれくらい似ているのかな?魔王になっても桐生ならカッコいいだろうなって。
でもそれは桐生に不幸になれと言っているようなもの。
「違う、俺は桐生の不幸を望んだんじゃない……」
「分かっている」
だが、キュリオはどう思うか。たった小さく思い描いた絵空事だったはず。
でも今の桐生がそれを笑って受け止めてくれるだろうか。
「きっと……無理だ……」
「シュウ!!」
俺は意識を保っていられなくなって、目の前がブラックアウトした。
「シュウ!シュウ!!」
闇に落ちて行く中、俺の名前を呼ぶフィオールの声だけが切れ切れに聞こえていた。
凄まじい。その一言だとベルローズは小さく息を飲んだ。見える距離にキュリオは立っている。しかし、遠い。
わたくし以上ね。
ベルローズはロンドリア家の娘であり、先代の魔王の妹である。女性の身とは言え、ベルローズの強さは魔王の妹に相応しい。
そんなベルローズがこれ以上近づけないほどの力をキュリオは放っていた。
ふふ、冷や汗が出るなんて久しぶりだわ。お兄様も人が悪い……あんな暴走状態のキュリオをわたくしが止められる訳ないじゃない!
「シュウ……お前……許さない……何で……お前まで……」
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呪いは間違いなくシュウに届くだろう。
それをお兄様は叩き壊すでしょうけどね。
目の中に入れても痛くないくらいフィオールはシュウを可愛がっている。暇があれば見つめているし、近くに寄ればそこ此処と触ろうとしては手を叩かれている。
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ベルローズは兄の事は嫌いではない。だから自分に出来ることをするのだ。
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