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41 いっぱいごめんなさい(アメシス視点
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よく見たらタングストン公爵はあんまりかっこよくなかった。まず目が怖い。赤くていちごジャムみたいだなって思ったのは気のせいで完全に血の色じゃん、怖い!髪の毛は真っ黒でそこから角が生えてても不思議じゃない感じ、更に怖い。
「アメシス……」
「……アクア……ううん、アランって呼んだ方が良いんだっけ」
「うん」
でもそんな恐怖の悪魔なタングストン公爵だけれど、近くにアクア……アランがいる時は全然違う。お目目がとろんとしてやっぱり苺ジャムみたいだし、角も見当たらない。うん、凄い分かりやすいアランの前だからあんなにトロトロなんだ、ボクは理解したけど。
「うん、やっぱり殿下の方がかっこいいや」
「……アメシス、意味が分からない」
アランにムッとされた。ふんだ、ボクだって殿下とラブラブになってやるんだから!
「とりあえず、いっぱいごめんなさい。謝って許される事じゃないだろうけれど、今ボクが出来るのはこれくらいです。あと、タングストン公爵並びに公爵家の方々、助けてくれてありがとうございました」
ボクは深々と頭を下げる。アランと間違われて連れていかれたボクを助けに来てくれた殿下はタングストン家の協力であの場所に来てくれたんだそうだ。しかも周りの奴らとか全部タングストン公がやっつけてくれて「一番いい所」で殿下の登場だった訳。殿下もあんまり剣は得意じゃないからね……。得意じゃないのに飛び込んできてくれたなんて……ボクはますます殿下を大好きになっちゃった。
「アラン、ありがとうね。ボクの我がままに一杯付き合わせてごめんね、でもありがとう……。これからはここで幸せになってね、ボクはもう邪魔しない」
「うん、もう幸せだから大丈夫だよ。アメシスは……」
「ボクは国に帰って勉強し直す。そして絶対殿下の婚約者に返り咲くよ。変な令嬢なんかに殿下を渡してたまるもんか!殿下と結婚するのは絶対ボク!どんな手を使ってでもライバルなんて蹴散らしてやる」
……そこで引かないでよ……アラン。あはは、アメシスらしいよ、と笑ってくれないと困る!ちょっと頭にきちゃったぞ!
「ねえそれより、アランー?もしかしてさあ……太ったぁ?」
「えっ!?太ってないし!それにもうちょっとお肉がついてた方が好きだって旦那様が言うから」
「お腹のお肉、つまめるんじゃなーい?」
意地悪してやれ!……あれ?お腹、お腹……?
「ってアラン。もしかして赤ちゃん出来た?」
「へ?」
「いや、なんか……太ったって言うより、全体的に丸っこくなったような……ふわっとしてさ、なんか違うよね?」
こう、しゅっとした感じじゃなくて、ぽわっとしてない??
「え、そんな……ことないと、思うけど……?あれ?」
「おやおや、分かる人にはやっぱりわかるんだねえ」
知らないおばあちゃんが扉から入ってきた。なんか優しそうで可愛いおばあちゃんだ。
「ノエルちゃんが絶対そうだから来てくれって呼ばれてねえ。まだまだ早いだろうにねえ、なんでわかるんだろうねえ?」
どうやらアランも知らない人みたいで、目をぱちくりさせている。
「あらあら、あなたがノエルちゃんのお嫁さんねえ、うんうん、可愛い子だねえ。うんうん、そうだねえ、そうだねえ。赤ちゃんがいるみたいだねえ」
「え……ほ、本当ですか……?あ、あの」
「私は医者でねえ、いつもは王宮にいるんだけど、ノエルちゃんの頼みだからねえ、暫くこっちにお邪魔するよう。とはいえ暫くはなあんにもする事なんだけどねえ。まだお腹もおっきくないしねえ」
おばあちゃん、お医者さんだったんだ!優しそう~。アランは
「え、嘘、本当に……う、嬉しい……え、どうしよう」
「ねえ、とりあえず旦那様に報告して来たら?」
そう言うと、物凄く可愛い顔をして「うん!行ってくる!」って走り出しそうだった。
「歩いて行きなよ、コケたらどうするのー?」
って声をかけたら「ぴゃい!」って変な返事をした。びっくりすると変な声が出るのは一緒だなってちょっと嬉しくなった。
「アメシス……」
「……アクア……ううん、アランって呼んだ方が良いんだっけ」
「うん」
でもそんな恐怖の悪魔なタングストン公爵だけれど、近くにアクア……アランがいる時は全然違う。お目目がとろんとしてやっぱり苺ジャムみたいだし、角も見当たらない。うん、凄い分かりやすいアランの前だからあんなにトロトロなんだ、ボクは理解したけど。
「うん、やっぱり殿下の方がかっこいいや」
「……アメシス、意味が分からない」
アランにムッとされた。ふんだ、ボクだって殿下とラブラブになってやるんだから!
「とりあえず、いっぱいごめんなさい。謝って許される事じゃないだろうけれど、今ボクが出来るのはこれくらいです。あと、タングストン公爵並びに公爵家の方々、助けてくれてありがとうございました」
ボクは深々と頭を下げる。アランと間違われて連れていかれたボクを助けに来てくれた殿下はタングストン家の協力であの場所に来てくれたんだそうだ。しかも周りの奴らとか全部タングストン公がやっつけてくれて「一番いい所」で殿下の登場だった訳。殿下もあんまり剣は得意じゃないからね……。得意じゃないのに飛び込んできてくれたなんて……ボクはますます殿下を大好きになっちゃった。
「アラン、ありがとうね。ボクの我がままに一杯付き合わせてごめんね、でもありがとう……。これからはここで幸せになってね、ボクはもう邪魔しない」
「うん、もう幸せだから大丈夫だよ。アメシスは……」
「ボクは国に帰って勉強し直す。そして絶対殿下の婚約者に返り咲くよ。変な令嬢なんかに殿下を渡してたまるもんか!殿下と結婚するのは絶対ボク!どんな手を使ってでもライバルなんて蹴散らしてやる」
……そこで引かないでよ……アラン。あはは、アメシスらしいよ、と笑ってくれないと困る!ちょっと頭にきちゃったぞ!
「ねえそれより、アランー?もしかしてさあ……太ったぁ?」
「えっ!?太ってないし!それにもうちょっとお肉がついてた方が好きだって旦那様が言うから」
「お腹のお肉、つまめるんじゃなーい?」
意地悪してやれ!……あれ?お腹、お腹……?
「ってアラン。もしかして赤ちゃん出来た?」
「へ?」
「いや、なんか……太ったって言うより、全体的に丸っこくなったような……ふわっとしてさ、なんか違うよね?」
こう、しゅっとした感じじゃなくて、ぽわっとしてない??
「え、そんな……ことないと、思うけど……?あれ?」
「おやおや、分かる人にはやっぱりわかるんだねえ」
知らないおばあちゃんが扉から入ってきた。なんか優しそうで可愛いおばあちゃんだ。
「ノエルちゃんが絶対そうだから来てくれって呼ばれてねえ。まだまだ早いだろうにねえ、なんでわかるんだろうねえ?」
どうやらアランも知らない人みたいで、目をぱちくりさせている。
「あらあら、あなたがノエルちゃんのお嫁さんねえ、うんうん、可愛い子だねえ。うんうん、そうだねえ、そうだねえ。赤ちゃんがいるみたいだねえ」
「え……ほ、本当ですか……?あ、あの」
「私は医者でねえ、いつもは王宮にいるんだけど、ノエルちゃんの頼みだからねえ、暫くこっちにお邪魔するよう。とはいえ暫くはなあんにもする事なんだけどねえ。まだお腹もおっきくないしねえ」
おばあちゃん、お医者さんだったんだ!優しそう~。アランは
「え、嘘、本当に……う、嬉しい……え、どうしよう」
「ねえ、とりあえず旦那様に報告して来たら?」
そう言うと、物凄く可愛い顔をして「うん!行ってくる!」って走り出しそうだった。
「歩いて行きなよ、コケたらどうするのー?」
って声をかけたら「ぴゃい!」って変な返事をした。びっくりすると変な声が出るのは一緒だなってちょっと嬉しくなった。
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