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20 暗と明
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「いつも通り売上金を納入してきました」
それが暗。
「お二人のどちらとも会えずに持ち帰りました」
それが明。大商会は行く先をたがえた。
二人の駆け出しの商人がいた。どちらも本当に駆け出しで、元手となる財産も乏しかったが、コツコツこれから頑張ろうという意志だけは高く立派で大きかった。
「へえ、駆け出し商人?じゃあさ、コレ売ってみませんか? 」
怪しい少年に声をかけられた二人だったが、了承した。それはどんな技術で作られているかよくわからなかったが、とにかく日持ちがした。1ヵ月経っても2か月経っても問題なく食えるのだ。
「1年くらい持つはずでござるよう」
変なことを言う変な少年だと思ったが、実際その軽くて不味い食料はパサパサで水分を抜いているから長持ちするのだそうだ。そして不味いが腹は膨れる。ついでに栄養があるので味さえ我慢すれば体を壊さずに済むくらい不思議な食糧だった。
「旅行者……いや、ほら居るんでござろう?冒険者が!そやつらに売って欲しいでござるよー」
その少年達はやっぱり変な言葉遣いだったが、その軽くて変な食料をたくさん持って来て売るように言う。騙されたような気持だったが、二人はそれを売り始めた。それは携帯食料として瞬く間に旅人と冒険者の間に広がり、連日買い求める人が殺到し不味い携帯食料は爆発的に広がった。
「他に卸元は……」
「ないでござるし、増やす気もないでござる。お二人のみの専売でござるが」
「売り上げ金、売り上げ記録は必ず我らのどちらかに見せて下され。もちろん利益も一旦我らを通してそこから各所へ分配していただきたい」
「必ず!」
「必ず!」
そう固く約束した筈だった。片方、ここ最近の売り上げを城の衛兵に渡し、双子王子のどちらかに渡るよう頼んだオルドラ商会はそのまま通常業務に戻っていった。倉庫には大量の携帯食料の備蓄がある。日持ちするが故に、大きな倉庫いっぱいに蓄えられるのだ。
「いない……?あの二人がいないなんておかしな。ちょっと聞き込みに行ってくれ」
「確かに。分かりました」
片方、ワール商会は双子の行方を追った。実際に大してかからずに情報は掴める。何もやましい事も隠し事でも何でもない、情報を操作する事もなかったのだから。
「お、お二人はルゼン国へ行かれたそうです」
「なんと……良し、私が行って真意をお聞きして来る。ついでに売上も納めて来る」
「そんな、頭取自ら足を運ばなくても、誰か下のものを」
「ばかもーーーーん!」
怒号一閃。男は顔を真っ赤にして立ち上がった。
「私がどれだけ双子王子に助けられたか、この商会がここまで大きくなったのは全てあの方々のお陰なのだぞ!蔑ろにすることなど出来るわけがあるまい! 」
「も、申し訳、申し訳ございませんーー! 」
平謝りに頭を下げる部下を見下ろして頭取は決算書類に少し目を落とす。
「もし、だ。あのお二人がフィフナーを出てルゼンで暮らすというのなら、この商会も本店をルゼンに移すからな」
「は、はい! 」
「側におらねば恩も返せぬわ! 」
ワール商会頭取、ワールは今月の売り上げを見て、もはやルゼンに本店を構える青絵図を書き始めていた。あの双子がこの国を出たのであれば、この国に双子はもう戻ってくる気はないのかもしれない。
ならばこの国に用はない。元々、大恩ある双子を冷遇する国に不満を溜め込んでいたのだ、そろそろ爆発させてしまいたいと考えていた矢先だった。
それが暗。
「お二人のどちらとも会えずに持ち帰りました」
それが明。大商会は行く先をたがえた。
二人の駆け出しの商人がいた。どちらも本当に駆け出しで、元手となる財産も乏しかったが、コツコツこれから頑張ろうという意志だけは高く立派で大きかった。
「へえ、駆け出し商人?じゃあさ、コレ売ってみませんか? 」
怪しい少年に声をかけられた二人だったが、了承した。それはどんな技術で作られているかよくわからなかったが、とにかく日持ちがした。1ヵ月経っても2か月経っても問題なく食えるのだ。
「1年くらい持つはずでござるよう」
変なことを言う変な少年だと思ったが、実際その軽くて不味い食料はパサパサで水分を抜いているから長持ちするのだそうだ。そして不味いが腹は膨れる。ついでに栄養があるので味さえ我慢すれば体を壊さずに済むくらい不思議な食糧だった。
「旅行者……いや、ほら居るんでござろう?冒険者が!そやつらに売って欲しいでござるよー」
その少年達はやっぱり変な言葉遣いだったが、その軽くて変な食料をたくさん持って来て売るように言う。騙されたような気持だったが、二人はそれを売り始めた。それは携帯食料として瞬く間に旅人と冒険者の間に広がり、連日買い求める人が殺到し不味い携帯食料は爆発的に広がった。
「他に卸元は……」
「ないでござるし、増やす気もないでござる。お二人のみの専売でござるが」
「売り上げ金、売り上げ記録は必ず我らのどちらかに見せて下され。もちろん利益も一旦我らを通してそこから各所へ分配していただきたい」
「必ず!」
「必ず!」
そう固く約束した筈だった。片方、ここ最近の売り上げを城の衛兵に渡し、双子王子のどちらかに渡るよう頼んだオルドラ商会はそのまま通常業務に戻っていった。倉庫には大量の携帯食料の備蓄がある。日持ちするが故に、大きな倉庫いっぱいに蓄えられるのだ。
「いない……?あの二人がいないなんておかしな。ちょっと聞き込みに行ってくれ」
「確かに。分かりました」
片方、ワール商会は双子の行方を追った。実際に大してかからずに情報は掴める。何もやましい事も隠し事でも何でもない、情報を操作する事もなかったのだから。
「お、お二人はルゼン国へ行かれたそうです」
「なんと……良し、私が行って真意をお聞きして来る。ついでに売上も納めて来る」
「そんな、頭取自ら足を運ばなくても、誰か下のものを」
「ばかもーーーーん!」
怒号一閃。男は顔を真っ赤にして立ち上がった。
「私がどれだけ双子王子に助けられたか、この商会がここまで大きくなったのは全てあの方々のお陰なのだぞ!蔑ろにすることなど出来るわけがあるまい! 」
「も、申し訳、申し訳ございませんーー! 」
平謝りに頭を下げる部下を見下ろして頭取は決算書類に少し目を落とす。
「もし、だ。あのお二人がフィフナーを出てルゼンで暮らすというのなら、この商会も本店をルゼンに移すからな」
「は、はい! 」
「側におらねば恩も返せぬわ! 」
ワール商会頭取、ワールは今月の売り上げを見て、もはやルゼンに本店を構える青絵図を書き始めていた。あの双子がこの国を出たのであれば、この国に双子はもう戻ってくる気はないのかもしれない。
ならばこの国に用はない。元々、大恩ある双子を冷遇する国に不満を溜め込んでいたのだ、そろそろ爆発させてしまいたいと考えていた矢先だった。
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