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26 お二人につかぬことをお聞きします(レイクリフ視点
「つかぬことをお聞きしますが……お二人はあれほど女性が苦手で……その結婚は大丈夫なのでしょうか?」
「げぇえ!コウメイの罠だァ!」
「げぇえ!」
コウメイ?と私は首を傾げたが、リュキもマシェも蹲って小っちゃくなってしまったので、駄目のようだ。
「レイ殿ぉ~~~実は我々も薄々気が付いていたのです!こんなデートの一つもしたことがない我らでは運命の美女が現れたとしても碌にエスコートできないのではと!」
「そうなんでござるよーー!一体どこにデートすればいいかもわからないでござるぅ~~~!」
そんな話から、何故か私はリュキとルゼンの女性に好まれるデートコースを歩いている。
「ふおー!なんですか!あの焼き菓子、美味そう!」
「はは、食べてみましょう。後学のためになるかもしれませんよ」
「うんうん!」
目がキラキラしている。何せ売り子がお姉さんだ。私が買ってきてあげなくてはならないやつですね?因みにマシェはオル団長と別の店に潜入中だ。二人で違う所に行ってあとで検討するそうだ。そういう所は中々勤勉だと思う。
「買ってきましたよー。後これ見てください、これは恋人同士で食べるクッキーで端をこう、咥えるそうで」
「こう?」
差し出すと大きなクッキーの端にリュキは食いついた。
「そうそう。そして逆の端を恋人が齧る、そうして見つめ合いながら齧ると二人の愛が深まるのだそうですよ」
「ふへぇ……どんな感じになるんだろ、ちょっとレイ殿齧ってみて」
「はぁ」
逆の端をかじると、確かにちょうど目が合う。リュキの目はきれいな青い色で海のようにたまに色を変える。
「ふむふむ……そうしてかじっていくんだ。ぽりぽり」
「そうみたいです。そうしたら真ん中でキスしてしまいますね」
「ふおっ!すごい」
「ですねえ~」
このクッキー美味しいな。リュキも味が気に入ったのかぽりぽりと食べ進めている。
「随分近くまで齧りましたね」
「だって美味しかったよ」
紫の髪がおでこに触れるところまできて、私は口を離した。残りのクッキーは全部リュキの方に移る。
「ごちそーさん!」
「ふふ、美味しいですね」
「うん!」
リュキはクッキーを全部食べてしまった。私が齧った後も何もかも気にせず飲み込んでしまう。そういうのは気にしない質なのだろう。
「次はデートで何をするの?」
「植物園とか見に行くようですよ」
「行こう行こう!」
随分と早く行きたかったようで、リュキは私の手を取る。あまり大きくないし、細い指。私達と違って剣を持たない華奢な指先はとても好ましいと思ってしまった。私は、多分リュキのことが好きだ。
「げぇえ!コウメイの罠だァ!」
「げぇえ!」
コウメイ?と私は首を傾げたが、リュキもマシェも蹲って小っちゃくなってしまったので、駄目のようだ。
「レイ殿ぉ~~~実は我々も薄々気が付いていたのです!こんなデートの一つもしたことがない我らでは運命の美女が現れたとしても碌にエスコートできないのではと!」
「そうなんでござるよーー!一体どこにデートすればいいかもわからないでござるぅ~~~!」
そんな話から、何故か私はリュキとルゼンの女性に好まれるデートコースを歩いている。
「ふおー!なんですか!あの焼き菓子、美味そう!」
「はは、食べてみましょう。後学のためになるかもしれませんよ」
「うんうん!」
目がキラキラしている。何せ売り子がお姉さんだ。私が買ってきてあげなくてはならないやつですね?因みにマシェはオル団長と別の店に潜入中だ。二人で違う所に行ってあとで検討するそうだ。そういう所は中々勤勉だと思う。
「買ってきましたよー。後これ見てください、これは恋人同士で食べるクッキーで端をこう、咥えるそうで」
「こう?」
差し出すと大きなクッキーの端にリュキは食いついた。
「そうそう。そして逆の端を恋人が齧る、そうして見つめ合いながら齧ると二人の愛が深まるのだそうですよ」
「ふへぇ……どんな感じになるんだろ、ちょっとレイ殿齧ってみて」
「はぁ」
逆の端をかじると、確かにちょうど目が合う。リュキの目はきれいな青い色で海のようにたまに色を変える。
「ふむふむ……そうしてかじっていくんだ。ぽりぽり」
「そうみたいです。そうしたら真ん中でキスしてしまいますね」
「ふおっ!すごい」
「ですねえ~」
このクッキー美味しいな。リュキも味が気に入ったのかぽりぽりと食べ進めている。
「随分近くまで齧りましたね」
「だって美味しかったよ」
紫の髪がおでこに触れるところまできて、私は口を離した。残りのクッキーは全部リュキの方に移る。
「ごちそーさん!」
「ふふ、美味しいですね」
「うん!」
リュキはクッキーを全部食べてしまった。私が齧った後も何もかも気にせず飲み込んでしまう。そういうのは気にしない質なのだろう。
「次はデートで何をするの?」
「植物園とか見に行くようですよ」
「行こう行こう!」
随分と早く行きたかったようで、リュキは私の手を取る。あまり大きくないし、細い指。私達と違って剣を持たない華奢な指先はとても好ましいと思ってしまった。私は、多分リュキのことが好きだ。
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