【完結】イケボなハムスターと同居中~愚痴聞き神様と枯れ女子の日常

鏑木 うりこ

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50 暮らせない?暮らせる?

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「あ、明日は始業前、会社の前で朝比奈さんを待ってみようと思う!」

 そう聞いた次の日は

「なんだか季節外れの大雪になりそうらしいから、明日はいつもり早めに会社に行く」

 雪が降ってダイヤは乱れたが、誠子は会社に余裕で間に合い、例の社長は誠子が働く会社につけなかった。

「明日は、仕事上がりに待ってみようと思う」

そう聞いた次の日は

「いやあ、会社の営業が忘れた資料を届けてそのまま直帰した。ドーナツ買って来たけど大福は腹を壊しそうだな」

 かなり遅い時間まで待っていた例の社長は妹に直帰したと聞き、がっくり肩を落としたようだ。


「朝比奈武蔵さんとザジィ君の力だろうか?それとも誠子自身何かがあるのか?」

 いっそ哀れになるほど、例の社長は誠子に会えないらしい。しかし雪まで降らすのは何かあるとしか思えない。

「おーい、大福。何か言ったか?」

 小さなキッチンで米を研いでいた誠子がひょこっと顔を出した。いつもと変わらないやる気のない顔だ。でも今日は時間があると珍しく米を炊くらしい。ほとんど使っていない炊飯器をセットして戻って来た。

「なあ、誠子。お前、自分の会社の社長ってみたことあるか?」

 誠子はうーんと一瞬考えた。

「おっさんだな、ハゲでひょろっと細長くてあんまり頼りない」

 ふむ、それは私がよく相談に乗る人ではないようだ。

「もっと……あ、グループの上の方の」

「ああ、佐倉グループの上の方の人か?知るわけないだろう!面接のときに一回あったかどうかくらいだぞ?記憶にない!」

 とても、哀れな気がしてきたが、それを指摘する気にはなれなかった。業務上知り得た情報だから誠子に言う気もないが……社会的地位の高いものに好かれると言う事は今後の人生、とても素晴らしいことはのではないだろうか。

「もし、もしだ。そんな偉い人が誠子の事を好きになって、結婚して欲しいって言われたらどうする?」

 そんな途方もない話をされても、誠子は困るだろう。だが、私はどうしても聞いてみたくなった。んー、少し悩んだ顔をしていたが、誠子は笑った。

「断るぞ。そんな一回しか会ったことのない人と結婚なんてできるもんか。しかも結婚したら一緒に暮らすんだぞ?そんな知らない人とずっと一緒に暮らせる訳ないだろ」

 馬鹿だなー大福は。と笑われて、ほっとしてしまう。そうだな、結婚したら一緒に暮らすな。

「大福となら結婚しても一緒に暮らせるだろうな、何せ今まで一緒だった実績があるからな!」

「はは、ハムスターと結婚するのか?」

 誠子はおかしな人間だ。人間なら人間と結婚するべきだろう?

「ハムスターと結婚か。それもいいかもしれんな」

 おいおい!誠子は色々ズレたところがあるが、そのあたりまでズレているのか?さすがは誠子だと言わざるを得ないな。


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