【完結】妹ざまぁ小説の主人公に転生した。徹底的にやって差し上げます。

鏑木 うりこ

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7 借りた金は返さなければならない

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 男達は容赦なく、屋敷から全てを持ち去った。タティオの執務室もドロシーの私室もリルファの私室も空っぽになる。

「ど、どうして私の物まで持ち去るのですか!」

「そりゃあんた達の持ち物全てアンゼリカ様のお金で買い与えられていたからに決まってる。自分達が買った物の支払いは誰がしていたか知らないのか?」

「そ、それはお父様に決まってるではないですか!」

「勿論違いますよ」

 そこにはこの屋敷のすべて取り仕切っていた執事のフィリッツが立っていた。

「フィリッツ!」

掴みかかるタティオをアンゼリカが雇った護衛が遮る。

「奥様がお亡くなりになる少し前から、この家のお金はすべてお嬢様の稼ぎによるものでございます。ですから、そこの親子の持ち物は全てお嬢様がお支払いになっています。今までお嬢様から貸し与えられておりました」

「そ、そんな馬鹿な!領地からの収益はどうなっておる!」

 フィリッツは心底馬鹿にしたような顔でタティオを見下ろし

「毎月の収支をご覧になられたらすぐわかる事でしょう?」

 そう苦言を呈してから

「領地は貧困に喘いでいて、こちらに回す金など有りませんが?私の弟が領地の管理をしておりますが、お嬢様の采配で何とか持ち堪えておる状態ですよ」

「な、な、な?!」

「何故知らないのです?毎月報告書は上げておりましたし、サインと印も押してありますが?内容も見ずにサインを繰り返しておったのですかな?」

 その通りの事実に、タティオはううっと低く唸った。

「フィリッツさーん、大体終わりましたー」

「では皆様お疲れ様です」

 ガラス一枚も残さぬほど、全てを持って男達は帰って行く。そしてまた次の男達がやってきた。

「タティオ・ザザーラン殿。私は中央銀行の貸付係でございます。あなたに貸し付けた50万ゴールド返却願います」

「タティオ・ザザーラン殿。東銀行の貸付係でございます。あなたに貸付た50万ゴールド」

 合計6つの銀行の貸付係が詰め寄った。

「す、少し!少し待ってくれ!金は……何とか都合をつける!」

「どうやってでございますか?」

「や、屋敷を!屋敷を抵当に入れるっ!」

 タティオは血を吐くように言うが

「このお屋敷はアンゼリカ・ラグージ様のものでございます。あなたの抵当にはなり得ません」

「す、少し待て!私の、私の父に話をつけてくる!必ず用意するから少し待ってくれ!」

「ザザーラン前公爵ですか、分かりました」

 銀行員達は慇懃に頭を下げその場から立ち去る。そして一息入れる前に、また男達が現れる。今度はガラが悪そうだった。

「よータティオ・ザザーラン公爵ってアンタかぁ?借金、払ってくんね?」

「わ、私はそんな借金知らん!」

「そこにいるあんたの妻のドロシーと娘のリルファがこさえた奴がずーーっと払われずに放置されてんだよねぇ?」

 ドロシーとリルファはさーっと顔が青くなる。思い当たる節があるのだろう。

「あんまりにも長い間放置されてっから、利息がひでぇことになってっけど、まあ返さねえほうが悪いんだからなあ?」

 突き付けられた書類をみて、タティオは短い悲鳴を上げた。銀行の貸付金など話にならないくらいの金額であった。

「これだけの金額、すぐにゃ払えねえだろうから、少し待つけど。何を売っぱらうか考えておけよ?娘かあ?自分自身か……?逃げようとすんなよ?どこまでも追っかけて取り立てるからな」

 ぐっと凄みを効かせて借金取りは詰め寄ってから引き揚げていった。

「ではごきげんよう」

「ま、まて!フィリッツ!お前はザザーラン家の執事であろう!?」

 タティオは立ち去ろうとするフィリッツにすがろうとするが、護衛に阻まれる。

「いいえ、私はアンゼリカ様の執事でございます。私共使用人の給料はアンゼリカ様が全てお支払いくださっていたのですから、当然ですね。貴方たちの世話はアンゼリカ様が言うので仕方がなくついでに面倒をみてやっていただけですから」

「行きましょう、フィリッツさん。もうこいつらには爵位を売るか自分自身を売るかしかないんですから。次会うときは奴隷ですよ」

 



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