【完結】妹ざまぁ小説の主人公に転生した。徹底的にやって差し上げます。

鏑木 うりこ

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9 裏切らぬ仲間

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「アンゼリカ、次の投資先なんだが」

「たまにはあなたが美味しい話を捕まえて来なさいよ!」

「アンゼリカの嗅覚にゃ勝てん」

「ふふ、本当ね」

 本当は小説を熟読していただけだけど。実際の所、美味しい話を掴むのが上手いのはセルドアで、小説の中でセルドアが成功した案件を先に提案しているだけなんです、ごめん!セルドア!
 後はタコ……元お父様が手を出した案件には絶対に触らず、あのタコが真っ先に切った案件をいただく。つまりあいつと逆ハリをする。
 これが面白いように当たるのよ!あのタコ、ある意味すごい才能の持ち主だと気が付いたの。あいつが切り捨てたものは本当に儲かる!笑っちゃうわ。

 ラグージ家のサロンにセルドアとマーク・アドレン侯爵令息、ダリア・ミルドレッド侯爵令嬢を招待して、投資クラブを開催していた。

「若い子供達のやる事かと思えば……私より素晴らしい結果を出しておるのだな」

 現ラグージ侯爵がぐぐっと身を乗り出して見ている。

「勿論ですわよ、伯父様。このくらいしないとザザーランの家は乗っ取れませんですわ」

「アンゼリカ、お前が敵でなくて良かったよ」

 失礼な伯父様ね!私は礼儀には礼儀を、無礼には無礼を返しているだけですのに。

「アンゼリカと敵対するなど、寒気が走りますわ」

「まぁ!ダリアったら、まるで私が鬼かや蛇のように言わないで下さる?」

「ふふ、ダリアの物言いも中々物騒だねぇ」

 私がこの3人を誘ったのは、小説の中でもよく見た名前と、儲け話が好きそうなのと……お金をもっているからだった。

 投資を始めた当初、私はお金があまりなかった。お祖父様から幾ばくか借りていたけれど、所詮借り物。だから投資仲間を探した。セオドアは初めから巻き込むつもりだったけれど、マークとダリアは良い人材だった。

 そうして最初は小さく、どんどん大きくお金を増やしていった。小説の内容は外れる事がなく、失敗は殆どなかったのが大きい。

「最初のお金をお祖父様と伯父様が貸して下さったのが大きいですわ」

 投資で増やしたお金なのだ。タネ金が無ければ株は買えない。いくら血縁とはいえ、ど素人の小娘に少なくないお金を預けてくれたものだと思う。私はそれを元手にやり切ったのだ。

「流石アンゼリカだよ」

「褒めたって何も出ないわよ、セルドア」

「あら、出るかもしれないわよ?例えば婚約話とか」

 ダリアがいたずらっぽく笑う。もう何を言ってるのかしらこの子は。

「出る訳ないじゃない、殿下から婚約破棄されたばかりの傷物なのよ?私は」

「それを今か今かと狙っていた間抜けな男が案外近くにいるかもしれないしね?」

 マークまで小さく笑うのは本当によして欲しいわ。全く。

「お、お前らっ何を言ってるんだ!まったく失礼な奴らだ」

 声を荒げてセルドアが立ち上がるけれど、うるさいわよ。こういう時にビシッとセルドアは言えないのよね。そう言う所が駄目なのよ。

「所で伯父様、セルドア。あの件はきっちりお願いしますわよ?」

 私が念押しすると、2人は口の端だけを歪めてニヤリと笑ってくれた。

「当たり前だ。私とて可愛い妹と姪をさんざんいたぶられたのだからね。きっちりやらせてもらうよ」

「うちに関しては利益しかないからね。その為の下準備も完璧だし。今頃あいつらは焦って王都入りしてるんじゃないか?」

 頼もしい言葉をいただけたわ。

「ほんと、アンゼリカを敵にしたくないな」
 
「全くよね」

 何よ!もう!

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