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15 勉学以前の問題
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「助けて下さい!マルセル様!私達はあの悪虐な業突く張りのアンゼリカに全て持ち去られて、1ゴールドもないのです!お願いです!お金を下さい!」
「お金を下さい、ですか。一応ききますが、何故?」
モーリッツの氷より冷たい視線がリルファに突き刺さる。
「え……だって、1ゴールドも、ない、の、です……。わ、私達、死んでしまいます!」
「だから、何故私達王家があなたにお金を渡さねばならないのですか?むしろあなた方には多大な迷惑をかけられている。慰謝料を貰いたいのはこちらなのですが?」
「え……」
リルファは声を詰まらせたが、それでも続ける。
「だ、だって私はマルセル様の婚約者……」
「それは認められないと言われたばかりですよね?兄上にも確認しましょうか?兄上、この娘は兄上の婚約者ですか?」
衛兵に支えられ、なんとか立っているマルセルは力なく項垂れたままで
「そんな人知らないよ……私の婚約者はアンゼリカだ……ちょっと厳しい事もあるけれど、いつも私を助けてくれるアンゼリカが、私の婚約者だ……」
どこを見ているか分からない虚な目でマルセルは繰り返す。正気が飛んだような痛々しい息子の姿に王妃は目を背けたが、声をかけはしなかった。
「だ、そうですよ。ザザーラン公爵令嬢。王宮に来るのならばもう少し相応しい装いと礼儀を身につけてからにしてくださいね。ザザーラン公爵もです。久しぶりに現れて突然金を寄越せとは。盗賊かなにかの類ですか?そうであれば衛兵に引き渡さねばなりませんが??」
「ひっ?!」
リルファの後ろで呆然としていたタティオは衛兵に引き渡さなければ、のくだりを聞いて短い悲鳴を上げた。
「で、では!ではお金を貸してください!」
「何故?」
「え……」
食い下がるリルファに言葉を投げるモーリッツ。だがモーリッツはどこまでも正しい。
「何故、信用も何もないあなた方にお金を貸さなければならないのですか?これがアンゼリカ様であれば貸す所かいくらでも差し上げますが、アンゼリカ様を貶めたザザーラン家に何故?」
「だって……私達は困って……お金がないと死んでしまいます……」
「働けばいいでしょう?お金を稼ぐのは普通の事です」
「き、貴族なのに働くなんて!」
リルファの言葉に、ザザーラン家以外の人間はまたもや目を剥く。
「……貴族が、働いていないと……思っているのか?この娘は……」
「は、働いてないじゃない!毎日美味しい物を食べてきれいな服を着て笑っているのが貴族でしょう!?」
モーリッツは自分の視界からリルファと言う存在を消した。見る価値も言葉を交わす価値もないと判断したのだ。
「ザザーラン公爵、あなたは一体何をしているのですか。いくら平民出とはいえ、自分の娘だと書類上明記したのでしょう?そして学園にも通わせていたはずですよね?勉学以前の問題ですよ、これは貴方の責任だ」
ジロリとタティオを睨みつけた。
「お金を下さい、ですか。一応ききますが、何故?」
モーリッツの氷より冷たい視線がリルファに突き刺さる。
「え……だって、1ゴールドも、ない、の、です……。わ、私達、死んでしまいます!」
「だから、何故私達王家があなたにお金を渡さねばならないのですか?むしろあなた方には多大な迷惑をかけられている。慰謝料を貰いたいのはこちらなのですが?」
「え……」
リルファは声を詰まらせたが、それでも続ける。
「だ、だって私はマルセル様の婚約者……」
「それは認められないと言われたばかりですよね?兄上にも確認しましょうか?兄上、この娘は兄上の婚約者ですか?」
衛兵に支えられ、なんとか立っているマルセルは力なく項垂れたままで
「そんな人知らないよ……私の婚約者はアンゼリカだ……ちょっと厳しい事もあるけれど、いつも私を助けてくれるアンゼリカが、私の婚約者だ……」
どこを見ているか分からない虚な目でマルセルは繰り返す。正気が飛んだような痛々しい息子の姿に王妃は目を背けたが、声をかけはしなかった。
「だ、そうですよ。ザザーラン公爵令嬢。王宮に来るのならばもう少し相応しい装いと礼儀を身につけてからにしてくださいね。ザザーラン公爵もです。久しぶりに現れて突然金を寄越せとは。盗賊かなにかの類ですか?そうであれば衛兵に引き渡さねばなりませんが??」
「ひっ?!」
リルファの後ろで呆然としていたタティオは衛兵に引き渡さなければ、のくだりを聞いて短い悲鳴を上げた。
「で、では!ではお金を貸してください!」
「何故?」
「え……」
食い下がるリルファに言葉を投げるモーリッツ。だがモーリッツはどこまでも正しい。
「何故、信用も何もないあなた方にお金を貸さなければならないのですか?これがアンゼリカ様であれば貸す所かいくらでも差し上げますが、アンゼリカ様を貶めたザザーラン家に何故?」
「だって……私達は困って……お金がないと死んでしまいます……」
「働けばいいでしょう?お金を稼ぐのは普通の事です」
「き、貴族なのに働くなんて!」
リルファの言葉に、ザザーラン家以外の人間はまたもや目を剥く。
「……貴族が、働いていないと……思っているのか?この娘は……」
「は、働いてないじゃない!毎日美味しい物を食べてきれいな服を着て笑っているのが貴族でしょう!?」
モーリッツは自分の視界からリルファと言う存在を消した。見る価値も言葉を交わす価値もないと判断したのだ。
「ザザーラン公爵、あなたは一体何をしているのですか。いくら平民出とはいえ、自分の娘だと書類上明記したのでしょう?そして学園にも通わせていたはずですよね?勉学以前の問題ですよ、これは貴方の責任だ」
ジロリとタティオを睨みつけた。
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