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29 攫ってきた子供に無理やりフフフ
ジョシュが連れて行かれたのは貴族の家だった。
「今日も大漁よ!」
「お、お嬢様ぁ~~こんなに子供を連れて来ないでくださいよぉ~」
「泣き言は良いから! さあ、この中から才能があるかわい子ちゃんを見つけてちょうだい!」
ジョシュのほかに5人の少年がオドオドと立ち尽くしている。その子供達を目つきの鋭そうな大人が観察し、指名する。その大人たちを指揮しているのはジョシュと大して変わらない歳の女の子だった。小さいのにてきぱきと指示を出し、たまに妙な事を口走る。「ああ、たまりませんわ」とか「尊すぎる」とか「ショタァ」とか……。
「衛士隊長としてはその茶色に緑の目の子供を」
「執事長としては向こうの薄茶に青の目の子供を」
「魔導士としてはどれも不合格でございます」
「よろしい。ではそれぞれ連れて行って基礎訓練をさせて下さい」
「分かりました、お嬢様」
二人の子供が連れ去られた。ジョシュを含め3人が残される。何をされるのか、何をさせられるのか……恐怖でしかない。しかもジョシュは選ばれなかった。選ばれなかったという事は大抵ロクな未来は残されていない。
「アイリーナ、ハウスに連れて行って」
「かしこまりました、お嬢様」
ジョシュはアイリーナと呼ばれた女性について行き、また目を丸くする。
「ここはお嬢様が拾ってきた子供達が一時的に暮らしているハウスです。あなた達は3人で一部屋を使って貰います。ベッドは4つあるので大丈夫でしょう? ここで読み書き計算を覚えたら出て行って構いません」
「は?! ヤバい仕事せられるんじゃないのか?!」
「ある意味お嬢様はヤバいですが?」
「奴隷として売られるんじゃ?!」
「しっ! そんなお嬢様がワクワクするような事を口にしてはいけません!」
攫われて(?)きた子供達とメイドの会話は噛み合わない。
「ど、どういう事??」
「ここはクラブ公爵家、クラブ・クイーン、マリエル様の作られた部下養成ハウスです。マリエル様は何故か貧民街の子供から育てる! 待っててね! などと言い出して、あのように貧民の子供を連れてきては適正のある子供を養育しているのです」
「え?」
なんだその物好き。意味が分からない! 子供達はメイドが何を言っているか分からなかった。
「選別に漏れた子供ももしかしたら、と一週間くらいはこちらで過ごして貰っています。マリエル様曰く、読み書きを教えれば大体使えるかどうか分かる、との事で」
「は、はあ……」
「まあ、衣食住全て無料ですから、少しここで暮らしてみては如何ですか?」
「無料?!」
メイドは一通り案内していなくなった。大きな家には沢山の少年達がいて、本当に読み書き計算と……望めば剣の基礎訓練、礼儀作法何でも教えてくれた。しかも外に出る事が出来る扉には衛兵はいたが門は開いていた。おっかなびっくり門に近づいて行けば、衛兵は子供達に気さくに話しかける。
「もう帰るのか? 構わんが手続きはして行け。また貧民街でマリエル様に捕獲されるのも面倒だろ?」
「帰って良いのか?!」
ジョシュは驚いて衛兵を見上げる。勝手に出て行くな!と叱られて追い返されると思っていたからだ。それなのに衛兵は笑って
「構わんよ、ただここの飯は美味いからなぁ~帰って良いのかなぁ~? あと帰る前に着替えは何着か貰って行った方が良いぞ」
そんな事を呑気に言う。結局ジョシュは飯の美味さ、寝床のきれいさ、風呂にと堪能しまくって、家に帰ったのは二週間後だった。
「あー読み書き計算あと剣の基礎、礼儀作法の基礎全部覚えちまったー! クラブ家にもっといたいなぁー! どうすれば雇って貰えるんだろう!!」
ジョシュはなんとかあの楽園に戻る方法ばかり考える毎日になってしまった。
「今日も大漁よ!」
「お、お嬢様ぁ~~こんなに子供を連れて来ないでくださいよぉ~」
「泣き言は良いから! さあ、この中から才能があるかわい子ちゃんを見つけてちょうだい!」
ジョシュのほかに5人の少年がオドオドと立ち尽くしている。その子供達を目つきの鋭そうな大人が観察し、指名する。その大人たちを指揮しているのはジョシュと大して変わらない歳の女の子だった。小さいのにてきぱきと指示を出し、たまに妙な事を口走る。「ああ、たまりませんわ」とか「尊すぎる」とか「ショタァ」とか……。
「衛士隊長としてはその茶色に緑の目の子供を」
「執事長としては向こうの薄茶に青の目の子供を」
「魔導士としてはどれも不合格でございます」
「よろしい。ではそれぞれ連れて行って基礎訓練をさせて下さい」
「分かりました、お嬢様」
二人の子供が連れ去られた。ジョシュを含め3人が残される。何をされるのか、何をさせられるのか……恐怖でしかない。しかもジョシュは選ばれなかった。選ばれなかったという事は大抵ロクな未来は残されていない。
「アイリーナ、ハウスに連れて行って」
「かしこまりました、お嬢様」
ジョシュはアイリーナと呼ばれた女性について行き、また目を丸くする。
「ここはお嬢様が拾ってきた子供達が一時的に暮らしているハウスです。あなた達は3人で一部屋を使って貰います。ベッドは4つあるので大丈夫でしょう? ここで読み書き計算を覚えたら出て行って構いません」
「は?! ヤバい仕事せられるんじゃないのか?!」
「ある意味お嬢様はヤバいですが?」
「奴隷として売られるんじゃ?!」
「しっ! そんなお嬢様がワクワクするような事を口にしてはいけません!」
攫われて(?)きた子供達とメイドの会話は噛み合わない。
「ど、どういう事??」
「ここはクラブ公爵家、クラブ・クイーン、マリエル様の作られた部下養成ハウスです。マリエル様は何故か貧民街の子供から育てる! 待っててね! などと言い出して、あのように貧民の子供を連れてきては適正のある子供を養育しているのです」
「え?」
なんだその物好き。意味が分からない! 子供達はメイドが何を言っているか分からなかった。
「選別に漏れた子供ももしかしたら、と一週間くらいはこちらで過ごして貰っています。マリエル様曰く、読み書きを教えれば大体使えるかどうか分かる、との事で」
「は、はあ……」
「まあ、衣食住全て無料ですから、少しここで暮らしてみては如何ですか?」
「無料?!」
メイドは一通り案内していなくなった。大きな家には沢山の少年達がいて、本当に読み書き計算と……望めば剣の基礎訓練、礼儀作法何でも教えてくれた。しかも外に出る事が出来る扉には衛兵はいたが門は開いていた。おっかなびっくり門に近づいて行けば、衛兵は子供達に気さくに話しかける。
「もう帰るのか? 構わんが手続きはして行け。また貧民街でマリエル様に捕獲されるのも面倒だろ?」
「帰って良いのか?!」
ジョシュは驚いて衛兵を見上げる。勝手に出て行くな!と叱られて追い返されると思っていたからだ。それなのに衛兵は笑って
「構わんよ、ただここの飯は美味いからなぁ~帰って良いのかなぁ~? あと帰る前に着替えは何着か貰って行った方が良いぞ」
そんな事を呑気に言う。結局ジョシュは飯の美味さ、寝床のきれいさ、風呂にと堪能しまくって、家に帰ったのは二週間後だった。
「あー読み書き計算あと剣の基礎、礼儀作法の基礎全部覚えちまったー! クラブ家にもっといたいなぁー! どうすれば雇って貰えるんだろう!!」
ジョシュはなんとかあの楽園に戻る方法ばかり考える毎日になってしまった。
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