【完結】おっさん軍人、もふもふ子狐になり少年を育てる。元部下は曲者揃いで今日も大変です

鏑木 うりこ

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15 誰ですか?その絵本を作ったのは。

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「枝とボールは神様が作った最高に楽しいおもちゃだね」
「イアンってば大袈裟ぁ~!」

 広い草原でラセルの投げた枝を拾って持って来るのはとても楽しいし、家の中でボールの投げっこも最高に楽しい!

「あ、イアン、僕ね、字を結構覚えたんだよ。みてみて、借りた絵本を読んで上げるね」
「うん!」

 ラセルは賢いから、すぐ覚えちゃうんだなぁ! 凄い。誰から借りたのか分からないけれど、少し大きめな本を大切そうに持ってきた。ワクワクしながらテーブルの上に本を広げてくれる。絵本になっている。たくさんの絵と少しの文字……字を覚えたての子供にちょうど良さそうな本だった。

「じゃあ、始まり始まりー。とある国にマイワード将軍というとても素晴らしい将軍がいました。将軍は誰にでも優しい上に最強の魔法使いであり、剣の腕も最強でさらに人心に寄り添うし、顔は可愛いし、手足は長くて、特に白金の髪の毛が最高に手触りの良い素晴らしくて素晴らしい将軍でした」
「ぶふーーーっ?!」
「わっどうしたのイアン?!」

 ま、待て?! なんだその絵本! 意味がわからない! て言うかそのマイワード将軍の顔、以前の私にそっくりなんですけど?! 驚きのあまり盛大に吹き出しちゃった。なんか嫌な予感がするのでちょっとだけ提案してみた。

「ね、ラセル……別の本にしない?」
「えー! 僕、この本お気に入りなんだ! マイワード将軍が超かっこいいんだよ! 強くて優しくて凄いの!」

 照れます。

「……ね、その絵本作者はだぁれ?」
「ミニィって人みたい」

 ミニィお前かぁーー! 一体何作ってるの?!

「続き読むね!」
「う、うん……」

 そうして私は一生懸命に読むラセルに心の中で違うそんなことない! と言い訳やら何やらをしながらとても恥ずかしい気持ちで絵本をみた。ミニィが子供でも分かりやすい言葉を使って私を大絶賛している! いや、正確には私ではなくて、お話の中のマイワード将軍をなんだけれど。
 というかね、まあいろいろあるけれどね? 可愛いは違うだろ、可愛いは! おじさん捕まえて可愛いはない。

「おしまい、ね! 凄いでしょう」
「うん、凄かったよ」

 でしょう! と得意満面で笑うラセルみたいな子のことを可愛いというんだ。絶対に私ではない!

「なんかね、この本の2冊目がそろそろ読めるんだって、楽しみだねぇ」
「へえ……楽しみだねぇ……」

 ラセルの前に出る前に校正しなければならないようだな? 爪でも研いでおくとしようふふふ……。狐パンチをお見舞いする日も近そうである。
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