【完結】おっさん軍人、もふもふ子狐になり少年を育てる。元部下は曲者揃いで今日も大変です

鏑木 うりこ

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19 なんでここに敵国将軍が来るの?

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「王都、平気なのかきゅん……?」

 ぽつりと漏らしてしまった。色々あったが、この国が諸外国から飲み込まれないよう長年守って来た自負はある。安らかな最後は迎えられないだろうとは思っていたが、まさか冤罪をかけられて自軍に討ち取られるとは思わなかったが。
 そして私だけでなく、ヘイズやタム、ミニィまでここに居る。今、王都に戦える人間はいるのか? 今攻められたらこの国はどうなるんだ? この国にはたくさんの民がいる。そんな人々の生活はどうなってしまうんだ??

「今は静寂を保ってますよ、今はね」
「……クレヤ」

 やっぱりそばにいたか。微妙に気配がしていたから、そばにいるんだろうなとは思っていたけれど、近くの木の影からウサギのパペットが顔を出している。

「今は?」
「そう、今はです。それより

 何が来るのか? と聞く前にビリっと強い覚えのある魔力が遠くから近づきつつあるのが感じ取れる。

警備は?」
「今のこの国にそこに割く力はありませんよ」

「将軍の墓参りじゃないですか?」
「冗談を言っている場合じゃないだろう!」
「それ以外考えられないもので」

 クレヤがそういうならそうかもしれないが、なんで隣国のあの男がこの小さな村に? 不確定要素が大きすぎる。

「……1から3までをつけてヘイズを出せ、村の退避は終わってるな?」
「猫の子もすべて裏山に」
「タムとクレヤは私と。交渉はミニィで」
「うう……」

 うさちゃんのパペットが泣き真似してる? なんで?!

「やっと……やっと、軍らしくなった……今まで将軍が自分でさっさと向かって場を取り仕切っちゃうから、我々の出番が殆どなくて! どれだけ悔しい思いをしたか!」
「へ……? 」
「大将自ら戦場の先頭を駆けるなんて普通しないの! 分かる?! あんた強すぎだったんだよ!!」
「え、えー……」

 強くて怒られる日が来るとは……弱いより良いじゃないかぁ。

「もうっ! やっと出番だよ! もう! もう!」
「えええーー」

 うさちゃんパペットは両手をぶんぶん振り回して怒りを体現しているらしいけれど、とても可愛いなぁ。

「そ、そんなことより、隣国、ソルフラウの黒曜将軍を迎え打つ準備してよ……」
「もう終わってるよっ!」
「私も来ましたよー本当にイアン様が子狐になってやっと出番が来るとは因果なものですなぁ」

 後ろから寄って来たタムにヒョイっと持ち上げられた。

「だって、自分でやった方が早いだろ?」
「これ! これだから、本当もう! うちの大将は困るんだよ!」

 うさちゃんパペットはまだ怒ってた。えー私が悪いのー……??



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