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36 服が欲しいね
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ラセルの背がくん、と伸びた。
「ありゃあ、袖と裾が短いやー」
「もっと大きい服ってある? なかったらマダムミストレスに相談しよ」
「誰それ?」
今までラセルの食料事情は良くなかった。食べ物にはバランスって物が必要で、パンが美味しくてもパンばっかり食べていると強くなれないし、背も伸びない。例外もいるけど。
そこでパムが腕を振るってくれた。人間とテーブルと椅子以外ながら何でも食材と言い張るパムが骨の一欠片まで使い切って作ったお魚パリパリ香ばし煎餅やパムマジックで何故か臭みとエグ味が吹っ飛んだ動物の内臓腸詰料理などありとあらゆる栄養素がきちんと取れる物を1日3食取り、ヘイズ達と運動し、ミニィ達と勉強して、私とおやつを食べ昼寝をする。畑仕事を手伝い、温泉の掃除当番も頑張って温泉に入ってよく眠る。そんな日々を積み重ねたら、子供はぐんぐん成長するよね!
「良い? マダムミストレスは自分のことをお姉さんって呼んで欲しいんだ。だからラセルもお姉さんか、ミストレスお姉さんって呼んで上げてくれる?」
「わかった!」
きっとラセルなら大丈夫。私はミニィに一緒に来ているはずなんだけど、一度も顔を見ていないミストレスに会いに行くことにした。
「おねぇはあっちの家に引きこもってますよ」
「ありがとう、ミニィ」
補修はされてるけれど、元の家がボロすぎるんだろうな、傾いたボロ屋の扉を叩く。
「お姉さん、僕に合う服はありますか?」
すると、扉の中から地を這うようなドスの聞いたおっさんの唸り声が聞こえて来て、乱暴に扉が開いた。
「おらぁっ! 誰がゴツ岩親父だ! 死に晒せぇ、クソがぁ!!」
がぁっ! と大きく開いた口の中には鋭い牙が並び、ついでに頭から角が二本生えている身長はラセルの2倍はあるであろう人間離れした亜人が怒りの炎を吐きながら出て来た。
ラセル、君なら……。
「えっと、そんなこといってませんがあなたがミストレスお姉さんですか? 僕はラセルっていいます。僕の服が小さくなっちゃったので相談したらどう? ってイアンにいわれて来ました」
「きゅん! ミス姉おはよーだきゅん」
ぴっと右手を上げると、ミストレスの方が固まってしまった。良々、作戦成功だ。
「イアン、しょ……」
そこまで言いかけてミストレスは言葉を切ってくれた。もう私は子狐なんだ。皆から聞いてるよね?
ミストレスは少しの間、黙っていた。きっと過去のことを思い出しているんだろう。この人鬼族といわれる種族のミストレスにたった指の長さ程で金貨10枚の超高級絹織物を一抱えほどもあげた日のこととかを。ミストレスは無表情のまま、扉から少し体をずらし、子供が通れるくらいのスペースを開けてくれた。
「良いわ、入って。式典に着る礼服でも欲しいのかしら?」
「違うよーお姉さん。仕事でも着れて、森に入っても枝に腕を引っ掛けないように服が欲しいんです」
「高次元防護服かしら?」
「普通の服だよぉー!」
受け止めた。ラセルは10人会わせれば300人気絶するか、逃げ出すかするミストレスとの衝撃を受け止めた。そしてミストレスの住処に何の恐れもなく足を踏み入れた。これだけミストレスに順応が早かったのは初めてのことだ。あのミニィだってミストレスの外見を盗み見ていたくらいだったのに、ラセルはまったく気にしていない。
「流石ラセルだきゅん……」
ラセルはきっと凄い大人になるぞ! 私は思わず鼻を膨らませてきゅふんっと鳴いてしまった。
「ありゃあ、袖と裾が短いやー」
「もっと大きい服ってある? なかったらマダムミストレスに相談しよ」
「誰それ?」
今までラセルの食料事情は良くなかった。食べ物にはバランスって物が必要で、パンが美味しくてもパンばっかり食べていると強くなれないし、背も伸びない。例外もいるけど。
そこでパムが腕を振るってくれた。人間とテーブルと椅子以外ながら何でも食材と言い張るパムが骨の一欠片まで使い切って作ったお魚パリパリ香ばし煎餅やパムマジックで何故か臭みとエグ味が吹っ飛んだ動物の内臓腸詰料理などありとあらゆる栄養素がきちんと取れる物を1日3食取り、ヘイズ達と運動し、ミニィ達と勉強して、私とおやつを食べ昼寝をする。畑仕事を手伝い、温泉の掃除当番も頑張って温泉に入ってよく眠る。そんな日々を積み重ねたら、子供はぐんぐん成長するよね!
「良い? マダムミストレスは自分のことをお姉さんって呼んで欲しいんだ。だからラセルもお姉さんか、ミストレスお姉さんって呼んで上げてくれる?」
「わかった!」
きっとラセルなら大丈夫。私はミニィに一緒に来ているはずなんだけど、一度も顔を見ていないミストレスに会いに行くことにした。
「おねぇはあっちの家に引きこもってますよ」
「ありがとう、ミニィ」
補修はされてるけれど、元の家がボロすぎるんだろうな、傾いたボロ屋の扉を叩く。
「お姉さん、僕に合う服はありますか?」
すると、扉の中から地を這うようなドスの聞いたおっさんの唸り声が聞こえて来て、乱暴に扉が開いた。
「おらぁっ! 誰がゴツ岩親父だ! 死に晒せぇ、クソがぁ!!」
がぁっ! と大きく開いた口の中には鋭い牙が並び、ついでに頭から角が二本生えている身長はラセルの2倍はあるであろう人間離れした亜人が怒りの炎を吐きながら出て来た。
ラセル、君なら……。
「えっと、そんなこといってませんがあなたがミストレスお姉さんですか? 僕はラセルっていいます。僕の服が小さくなっちゃったので相談したらどう? ってイアンにいわれて来ました」
「きゅん! ミス姉おはよーだきゅん」
ぴっと右手を上げると、ミストレスの方が固まってしまった。良々、作戦成功だ。
「イアン、しょ……」
そこまで言いかけてミストレスは言葉を切ってくれた。もう私は子狐なんだ。皆から聞いてるよね?
ミストレスは少しの間、黙っていた。きっと過去のことを思い出しているんだろう。この人鬼族といわれる種族のミストレスにたった指の長さ程で金貨10枚の超高級絹織物を一抱えほどもあげた日のこととかを。ミストレスは無表情のまま、扉から少し体をずらし、子供が通れるくらいのスペースを開けてくれた。
「良いわ、入って。式典に着る礼服でも欲しいのかしら?」
「違うよーお姉さん。仕事でも着れて、森に入っても枝に腕を引っ掛けないように服が欲しいんです」
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「流石ラセルだきゅん……」
ラセルはきっと凄い大人になるぞ! 私は思わず鼻を膨らませてきゅふんっと鳴いてしまった。
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