【完結】おっさん軍人、もふもふ子狐になり少年を育てる。元部下は曲者揃いで今日も大変です

鏑木 うりこ

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120 締めが甘かった……。

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「か、価値がない、いつでも潰せる国……」

 副団長はその言葉を繰り返し、口の中で噛み締めていた。否定するにはあまりにも心当たりが多過ぎたんだろう。
 私達が幾度となく敵国の幹部からかけられた言葉。

「そんな国に尽くして何になる! 」

 でもな、そんな国に私の兵達は家族を置いているんだ。私のそばでガタガタと震えている初めての野戦の少年は母親と妹と祖母が待っている。この少年の家族を見殺しになんて出来なかった。だから、私はガルエンという国に身を埋めてしまった。

「もう良いだろう……帰れ。君達にも家族がいるんだろう、あの国に」

 ボロボロになった騎士の中にもこんな下らない旅に任務だからと嫌々従った者もいるだろう。あの時の私達のように本意ではない戦いを強いられる者達がいるはずだ。

「そしてもう顔を見せることがないように。二度目はない、忘れるな」
「……イアン……? 」

 しまった!ついいつもの癖で〆の台詞を言ってしまった!いつも最後に私が宣誓していろんなことを終わらせるんで、今回もつい!アウレア・ガルエンがきょとんした顔でこちらを見ている。ウワアアアア!やっちゃった、助けて、皆!!

「ち、義父上がいたらそんな事をいうでしょうね、でももう義父上はいませんから! 」

 ナイスフォローだ、ミニィ!!

「そ、そうだぞ!イアン将軍ならそう言った、間違いない! 」

 タムもありがとう!!本来ならかっこよく敗残者達がとぼとぼ帰る所を見届けるんだけれど、私の失言のせいでちょっと居づらくなってこちらからそそくさと退却した。ごめん、皆。

「バレてないよね?バレてないよね!?」
「多分大丈夫でしょう、しかしミニィ君は大将のことになると演技が大根以下になるねぇ」
「しょ、しょうがないでしょ、クレヤボンスさん。まさかいつも通りにあんなこと言うなんてびっくりしちゃって」
「ご、ごめん……」

 アウレア・ガルエンご一行から十分に距離を取った時点でヒソヒソ話を始めてしまった。

「頼みますよ~大将~狐のナリで王太子に捕まったら絶対捕獲されて永遠に日の目を見ることなさそうですよ」
「怖いこと言わないでよ~タム」
「最後にゃ皮を剥がれて敷物コースかな?」
「ヘイズーーやめてーー!」

 アウレア・ガルエンならやりかねない!こわあい!

「でもあいつ、大将の遺体もってっちゃったけどまさか……」
「え……まさか……」
「皮をはいで……しき、もの……」
「ぎゃーーっ!怖い怖いーー!!」
「ちょ、ちょっと早急にあいつの周囲洗っておきますね!そんなのあったら……」
「絶対燃やしてね!?気持ち悪すぎる!! 」
「流石にそうしますよ、コレクターとしてもちょっと行き過ぎてますもん」

 ヤダー怖いー!もう絶対あの国には戻らないと思いっきり力強く心に誓った。絶対だもんっ!!






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