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128 気分転換っていう奴
しおりを挟むと、いう訳で私達はレント川の上流にある夏用川遊び場に来ていた。面倒な時は遊ぶに限る。
「あー……地形が抉れて大きな滝になってるんだ、だから大瀑布かぁ」
物凄い轟音を立てて流れ落ちる滝。これじゃあ滑り台としては使えないなぁ。
「滑れないの……?せっかくイアンと遊べると思ったのに。前はわしは腰が痛いから近くの温泉に行くっていなくなったし」
「おじいちゃんにこれは無理だよ~」
結構な高さから滑り降りるからね、きっとこんなの滑ったら危ないよ!
「そういえば滝の裏に秘密基地を作ったよね?涼しいし、入ってみよう」
「それは楽しみですね。どんな古代用具があるか見てみたいです」
タムの知的好奇心が騒ぎ出したか、ラセルと同じくらい目を輝かせている。
「わー!秘密基地ー、行く行く! 」
ラセルは教えてもいないのに滝の裏へ続く道に足を踏み入れているし、ヘイズ達はもう服を脱いで準備体操をしている。
「大将!上から滑り降りるんですよね!こりゃ楽しそうだ。ちょっと俺達で試してみますわ」
「や、待ってヘイズ。地形が変わってるから今、上から滑っても滝壺に飲み込まれるだけだと思うから危ないよ」
「なぁに、大丈夫ですよ、こんな滝くらい、なあ?」
「おう!ちょうど良さそうだなぁ、兄貴」
ヘイズ達兄弟は準備運動も終わったみたいでやる気満々だ。うん、彼等なら大丈夫か?
「じゃ、じゃあ滝の裏にいるから。入り口は皆の足跡が残るからそこから来て」
「りょーかいッス! 」
筋肉ムキムキのヘイズ達は川で遊んでるくらいがちょうど良いのかな。
「川魚お願いしますー」
「了解だぜ」
パムもしっかり注文してる。今日は焚き火でワイルドに魚を焼いて食べるんだろうな、美味しそう。
秘密基地の中はほのかに光る苔が繁殖していて、かなり神秘的な雰囲気を醸し出していた。
「何ですかこれ?あまり外では見ない苔ですね」
しげしげと壁に張り付いて観察しているタムに、中まで走り込んで広さを確認するラセル。
「うわっ劣化して使い物にならないじゃないですか!木材は腐ってますよ、もうっ」
怒ってるミニィ。
「ここ、石で作ったテーブルだ、椅子もある。あ、お台所!」
「ほうほう!そこは私の取り分にさせてもらいますよー」
素早く台所を占拠するパム。私達が最初に入ったはずなのに何故か奥からクレヤボンスの声が聞こえて来る。
「抜け道は二本ですかね? あと奥で水の精霊達が呼んでますよ。久しぶりに来たのに顔を出さないのかって」
ありゃ確かにそりゃそうだ。ここで遊ぶならちゃんと挨拶くらいしなくちゃな。
「ラセル、ミニィ。奥の精霊に挨拶に行こう。パムは残ってていいけど、火を使うのは挨拶の後にして」
「分かりましたー。先に掃除しておきますね」
「頼むよ」
私達は水の滴る通路を進んでいく。何体もの下級精霊がクスクス笑いながら私達を見ている、どれも敵意がなく、歓迎されているのがはっきり分かってとても嬉しい。
「きゃっ! 」
「……うっ」
「だよなー」
さっきから頭の上に冷たい水滴がぽちゃんぽちゃんと落とされるのは全部彼等の悪戯だけど、それは甘んじて受けるべき所だろう。
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