【完結】おっさん軍人、もふもふ子狐になり少年を育てる。元部下は曲者揃いで今日も大変です

鏑木 うりこ

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158 元気に遊べばいいのです。

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「伯母上! ラセルが私に手紙をくれました!」
「ふむ、レオン。ラセルはなんと言っておるんだ」
「今はリア伯爵の領地で海を楽しんでいます、レオンも来ませんか、だそうです。あ、手紙の隅に狐の足形もありますね。イアンも一緒なんですね」
「ふむ。形になったんだな?しかもレオンを呼ぶか。相当作り込んだか……行ってみるか?」
「いいのですか?!」
「ああ、本当は私が顔を出したいが帝都から離れるわけにもゆかん。向こうにはリゼレンもいるから問題ないだろう」
「はい!楽しみです」

 ラセルの手紙に応じる形でレオンがやって来た。

「ラセル!」
「レオン、久しぶりー」
「おう、背が伸びたな! イアンは……ちっこいな」
「失礼な、私だって大きくなってますよ! 尻尾とか」
「そうか?」

 二人が笑い合っているところにリゼレン君とミニィが一緒に現れて屋敷の案内を始める。
 とことこと歩き去るレオンに警備隊長が追い縋ろうとしてクレヤボンスに止められた。

「君らはこっち。この屋敷で警護は要らない。どうしても見張りたい奴等の為に小屋がある、ついて来て」
「あとメイドさんも最低限で大丈夫。ばあやさんと一人二人で。おつきの人達が泊まれる場所もあるから、そっちでゆっくりして欲しい」

 こうしてレオンは日頃の堅苦しさ、視線の多さから解放される。ちょっとハメを外して廊下を走っても誰も叱らない。庭の木から飛び降りてもあわてて侍女達は飛んでこない。勉強をしろと分厚い本を持ってくる家庭教師もいない。

「でもねー毎日マムの所に行って挨拶して欲しいんだ」
「マム?」
「うん、この辺一体を守ってるマムだよ」

 リア伯爵領を守るご夫人のことはマムと呼ばせてもらうことにした。毎日マムの所にお花を持って行ったり、きれいな貝をもっていったり、掃除をしたり……マムは血縁と子供が来ることを特に喜ぶ。見えないけれど、にこにこ笑って見守っていてくれている感じがする。凄い守護神だ。

「ラセル、勉強はしなくていいのか?」
「するよ! 図書室へ行こう。でもね本は5冊しかないよ」
「5冊!? なぜそんなに少ない?本を買う金がないのか?」
「そんなことないよー? ただ、この5冊には大体のことが詰まってるからこれを覚えるだけでとりあえずいいよってミニィさんが選んでくれたの」
「ふうん? 5冊なら余裕だな」
「でしょ!」

 子供に何十冊も本を読んで覚えさせようとしても無理で無駄なんだ。どうせ忘れちゃう。なら、大事で忘れて欲しくないことが書いてある本を少しだけ読んで覚えて貰った方が良い。ミニィの選んだ本はどれも素晴らしいものだった……私も読み直してみたりしている。

「リゼレン、剣の修業は私もするのか?」
「皆で砂浜を走りましょうか?」
「……そんな感じで良いのか……?」
「良いですよ、あと泳ぎましょう」
「……私は泳げないのだが」
「泳げるようになろうよ! ここなら精霊のお姉さんたちが助けてくれるからすぐ泳げるよ!」
「せ、精霊!?」

 レオンは海で精霊を見るのは初めてらしくて、凄く驚いていたけれど精霊達はレオンの綺麗な金髪を気に入って撫で繰り回していた。精霊に気に入られたレオンはすぐ泳げるようになり、今ではラセルより泳ぎが得意になっている。

「楽しいな! ラセル」
「うん! もっと遊ぼう! イアンもいこっ」
「うん~!」

 ラセルとレオンは伸び伸びと遊んでいる。その遊びの中でレオンがこれから王として立った時に必要になる能力を伸ばす手助けが出来ていたら嬉しいと思う。
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