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182 勝者は昔から囲まれるもんだ
しおりを挟む「君って凄い人だったんだね!」
決闘の次の日からラセルは人気者になった……いや、正当に評価され始めた。
「私はすごくないよ」
本気でラセルはそう思っているだろうけど、ラセルはすごいんだぞ!
「いや! 決闘で勝ったじゃないか」
「あれはリメル・ダイアンの自爆でしょ? あんな重い鎧で来るから」
「レオン殿下達とお知り合いなんだろう?」
「少しあったことがあるだけだよ」
「というか、君! ワイアードなんだろう!!隣の国の慈悲将軍の姓と同じだ!」
「ミニィ……お義父上が凄いだけだよ」
まあその辺りは気になる所だよね。
「ミニィ? ミニィ・ワイアード!? 有名な人じゃないか!!
「ていうかリゼレン大隊長がお父さんって本当なの!?」
「もしかして蒼雷とか六剣とかも一緒なの!?」
まあ質問攻めにあっている。そりゃそうなんだけど、驚いたことに帝国でも私達……昔の私の名前は皆良く知っていて、更に驚くことに結構好意的に捉えられていることだった。
「良いよな、慈悲将軍、イアン・ワイアード。優しい上に強くてかっこよかったんだろ?」
「どんな話聞いてる?教えてくれよ」
「ソルフラウの黒曜将軍との早駆け対決の話とか本当なの?」
「卑劣な罠にはまった陛下を助けた話を聞きたい!」
「私は侯爵令嬢との身分違いの恋の話がいい!」
……身に覚えのない話がいっぱい出て来たぞ……?どうなってるのかな??とりあえずあり得なさ過ぎて頭を抱えそうになる物が多かったけれど、ラセルは一生懸命対応している……頑張って!
「ねえねえ、君。ラセルの弟君。君ってばつまりはイアン・ワイアードってことなの?」
「あ、はい。ミニィ義父上の義父上イアン将軍と同じ名前になりました」
中身も実は一緒なんだけどね?
「へえ!かっこいい」
「君もラセルみたいに剣術を習ってるの?」
「小さいねえ、1つ下だっけ?飛び級したんだ」
「ていうことは勉強もできるのかな?魔法はどう?」
「ラセルと似てない。養子の兄弟なんだ?」
くっ……私まで囲まれたぞ。想定内だから良いのだが、とにかく面倒くさい……早く教授がきて授業が始まらないかな~。
「静かに。全員席につきなさい」
「あ、教授だ」
とにかく口うるさい教授も今の私とラセルには救いの主に見えた。
クラスメイトに囲まれて騒ぎの中心にいる私達をリメルとその数人の友人は恨みがましく睨んでいたが、近寄ってくることはなかった。まあその辺りが勝者と敗者の差というものだろう。きっと休憩時間はずっとこうだろうけど、皆が納得するまで付き合うしかないとラセルと苦笑いをするしかなかった。
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