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リーインクール
44 必殺の兵器
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「ミシェール様……」
「わ、私は!私は貴方の事が好き!子豚でも大豚でも!しゅっとしてて、ピッとしてても好き!ピーマンが嫌いな所とか、チョコレートを食べ過ぎて鼻血を出すところとか!夜に脂っこいものを食べたら次の日はダイエットするところとか!全部好きっ!」
「!?」
「影でキャロラインに負けた事を悔しがって勉強している所とか、意外と手先が器用で取れたボタンを自分でつけれるとことか!お花は苦手で匂いを嗅ぐとくしゃみが出るところとか!」
「ど、どうしてそんなことまでご存じで!?」
「好きな人の事をなんでも知りたいと思うのは普通じゃなくて!?」
誰も口を挟まなかった。オスカー様は少し呆れた顔をしていたが、静かに私の隣でミシェールの告白を聞いていた。
「頑張れ、ミシェール……頑張れ、操……!」
小さい声で呟く私はオスカー様がどんな顔をしているか見ている余裕なはい。
「わ、わたし、ほんとは全然完璧なんかじゃないし、お料理は何もできないし、ボタンは血まみれになるし、最近結構太ってしまったし!でもピーマンは嫌いじゃないし、チョコレートは食べても鼻血はでないわ!」
ぽろぽろと涙はこぼれる。
「ミ、ミシェールが泣いた!?」
「必死になれば乙女だって泣きますよ!オスカー様!お静かに!」
「レイジット様……貴方が頷いてくださらないのであれば、わたくし……わたくし……」
ミシェールは胸元の鎖を引いてゴツい指輪を引き出す。げ!あれは!?
「貴方の故郷を焼いて、帰れなくしてしまいそうですわ!」
私は思わず、2.3歩後ずさった。あれはやばいわ!
「お、オス、オスカー様!?ミシェールはなんであんな危険な物を!」
「ああ……雷神の指輪か……言い伝えでは、国一つ滅ぼすのも可能なほどの力を秘めているらしいが、未だかつて使えたものはいない」
あれは小説にも出てきた、必殺の指輪!主人公が一発逆転した兵器なのよ!そうか、あれはこのリーインクールに最初からあったのね!
「つ、使える状態です。指輪の石が雷撃の青白い色に変わっています。最初は赤い石だったでしょう?大量の魔力を注げば良いのですから」
「なっ?!」
そう、小説の主人公はものすごい力の持ち主だったから、一瞬で石を青白く出来たわ。でもミシェールにそんな魔力はないのだから
「ずっとずっと身につけて少しずつ貯めたんだわ……この時の為に!」
「この時なのか?!」
オスカー様の突っ込みにボケ返す余裕なんてない。レイジットを見ると、向こうもこちらを向いていて
本当に?!
と、聞いているようだった。
本当です!国が消えますよ!!
あの国にはまだ私のお父様もいらっしゃるから、出来れば消えて欲しくないものだわ!
レイジットがごくりと唾を飲んだのが分かった。正しく伝わったようだわ!
プルプルとあまり素敵じゃない装飾の指輪を手に、ミシェールはまだポロポロと涙をこぼして、答えを待っている。
ほぼ脅しだが、ミシェールは答えが欲しいのだ。レイジットの口から。
「わ、私は!私は貴方の事が好き!子豚でも大豚でも!しゅっとしてて、ピッとしてても好き!ピーマンが嫌いな所とか、チョコレートを食べ過ぎて鼻血を出すところとか!夜に脂っこいものを食べたら次の日はダイエットするところとか!全部好きっ!」
「!?」
「影でキャロラインに負けた事を悔しがって勉強している所とか、意外と手先が器用で取れたボタンを自分でつけれるとことか!お花は苦手で匂いを嗅ぐとくしゃみが出るところとか!」
「ど、どうしてそんなことまでご存じで!?」
「好きな人の事をなんでも知りたいと思うのは普通じゃなくて!?」
誰も口を挟まなかった。オスカー様は少し呆れた顔をしていたが、静かに私の隣でミシェールの告白を聞いていた。
「頑張れ、ミシェール……頑張れ、操……!」
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ぽろぽろと涙はこぼれる。
「ミ、ミシェールが泣いた!?」
「必死になれば乙女だって泣きますよ!オスカー様!お静かに!」
「レイジット様……貴方が頷いてくださらないのであれば、わたくし……わたくし……」
ミシェールは胸元の鎖を引いてゴツい指輪を引き出す。げ!あれは!?
「貴方の故郷を焼いて、帰れなくしてしまいそうですわ!」
私は思わず、2.3歩後ずさった。あれはやばいわ!
「お、オス、オスカー様!?ミシェールはなんであんな危険な物を!」
「ああ……雷神の指輪か……言い伝えでは、国一つ滅ぼすのも可能なほどの力を秘めているらしいが、未だかつて使えたものはいない」
あれは小説にも出てきた、必殺の指輪!主人公が一発逆転した兵器なのよ!そうか、あれはこのリーインクールに最初からあったのね!
「つ、使える状態です。指輪の石が雷撃の青白い色に変わっています。最初は赤い石だったでしょう?大量の魔力を注げば良いのですから」
「なっ?!」
そう、小説の主人公はものすごい力の持ち主だったから、一瞬で石を青白く出来たわ。でもミシェールにそんな魔力はないのだから
「ずっとずっと身につけて少しずつ貯めたんだわ……この時の為に!」
「この時なのか?!」
オスカー様の突っ込みにボケ返す余裕なんてない。レイジットを見ると、向こうもこちらを向いていて
本当に?!
と、聞いているようだった。
本当です!国が消えますよ!!
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レイジットがごくりと唾を飲んだのが分かった。正しく伝わったようだわ!
プルプルとあまり素敵じゃない装飾の指輪を手に、ミシェールはまだポロポロと涙をこぼして、答えを待っている。
ほぼ脅しだが、ミシェールは答えが欲しいのだ。レイジットの口から。
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