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7 ティーゲ獣人国
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「カイリ、キーチェの事なんだけれど……流石にもう限界だ」
「……でも、町長さん!」
「お前だってわかってるだろう!キーチェがただの猫獣人の子じゃない事くらい!丸い耳、ぶっとい尻尾!黒い体毛に浮かぶ虎縞、もう隠しきれないよ」
「……」
俺は呼ばれた町長の家で項垂れるしかなかった。いや、俺も気が付いていた。猫の獣人の血だと言い張ってもそうではないと言う事。
「カイリ、お前の魔石の充電のおかげでこの町はかなり潤った。そしてお前が磨いた魔石を他の町に売ってそれでも儲かった。お前には凄く感謝している……最初邪険に扱った私達を許してくれた上に、本当に色々働いてくれて」
「……いえ、よそ者の俺を受け入れてくれただけでありがたかったです」
この町は獣人と人間が半々に暮らす小さな町だ。半獣人も多いし流れものも多かった。だからどう見ても訳ありの俺でもなんとか暮らしてこれた。しかし……。
「年々、隠せなくなってくる。キーチェはどう見ても虎の子……」
「言わないで下さい」
俺も気が付いていた。キーチェの血筋は「虎」だろう。「虎」はこの俺達が暮らす町がある国では大きな意味を持つ。このティーゲ獣人国で「虎」は王族の血を引く者という事なんだから。
「カイリ、やはりキーチェの父親は……。聞け、カイリ」
町長が話してくれた内容に俺は目を丸くした。
「お前に話していいかずっと悩んでいたんだが……この国の王太子はずっとつがいを捜している。名も知らぬ6年ほど前に見つけたつがいを」
「っ!」
ああ、そうなのか。
「私も詳しくは聞いていない。だが、お触れが回っているんだ。黒い髪の人族だそうだ……見つけて、つがいと確かめ合い手に入れたのに、邪魔をされ隠された。そのつがいを王太子はずっと探している、と」
町長の目は確信している、それが俺なんだと。
「でもカイリ、お前はキーチェの父親を捜す素振りは見せなかった。むしろ忘れようとしていたように見えた。だからお前に知らせなかった」
「……ありがとう、ございます」
俺は……キーチェの父親に会いたいと望んだことは一度もない。だってあの時間は恐怖でしかなかった。今も思い出したくもない恐怖の時間だ。
「……礼を言われる事なんて何一つない。私もカイリに出て行って欲しくない……打算を働かせたんだから。お前の魔石磨きの腕は本物だし、充電なんて技術どこにもない……私はこの町の為、自分の為に敢えて隠したんだから」
「……それでも、俺達はその間守られた……傷も癒えた……ありがとうございます、町長」
町長は少しだけ笑ってから、真剣な目をした。
「つがいを失った王太子は手が付けられないほど凶暴になっているそうだ。血眼でつがいの黒髪の人間を捜し始めたらしい……どうするかはカイリに任せるがここにいてはいずれ見つかる。もう十分にこの町は潤った、残るもよし旅に出るもよし……」
「……考えて、みます」
俺はもう一度深く町長に頭を下げ、家路についた。俺は一体どうしたらいいんだろう?虎の男……王太子?なんだかとんでもない事になってきた。
「……でも、町長さん!」
「お前だってわかってるだろう!キーチェがただの猫獣人の子じゃない事くらい!丸い耳、ぶっとい尻尾!黒い体毛に浮かぶ虎縞、もう隠しきれないよ」
「……」
俺は呼ばれた町長の家で項垂れるしかなかった。いや、俺も気が付いていた。猫の獣人の血だと言い張ってもそうではないと言う事。
「カイリ、お前の魔石の充電のおかげでこの町はかなり潤った。そしてお前が磨いた魔石を他の町に売ってそれでも儲かった。お前には凄く感謝している……最初邪険に扱った私達を許してくれた上に、本当に色々働いてくれて」
「……いえ、よそ者の俺を受け入れてくれただけでありがたかったです」
この町は獣人と人間が半々に暮らす小さな町だ。半獣人も多いし流れものも多かった。だからどう見ても訳ありの俺でもなんとか暮らしてこれた。しかし……。
「年々、隠せなくなってくる。キーチェはどう見ても虎の子……」
「言わないで下さい」
俺も気が付いていた。キーチェの血筋は「虎」だろう。「虎」はこの俺達が暮らす町がある国では大きな意味を持つ。このティーゲ獣人国で「虎」は王族の血を引く者という事なんだから。
「カイリ、やはりキーチェの父親は……。聞け、カイリ」
町長が話してくれた内容に俺は目を丸くした。
「お前に話していいかずっと悩んでいたんだが……この国の王太子はずっとつがいを捜している。名も知らぬ6年ほど前に見つけたつがいを」
「っ!」
ああ、そうなのか。
「私も詳しくは聞いていない。だが、お触れが回っているんだ。黒い髪の人族だそうだ……見つけて、つがいと確かめ合い手に入れたのに、邪魔をされ隠された。そのつがいを王太子はずっと探している、と」
町長の目は確信している、それが俺なんだと。
「でもカイリ、お前はキーチェの父親を捜す素振りは見せなかった。むしろ忘れようとしていたように見えた。だからお前に知らせなかった」
「……ありがとう、ございます」
俺は……キーチェの父親に会いたいと望んだことは一度もない。だってあの時間は恐怖でしかなかった。今も思い出したくもない恐怖の時間だ。
「……礼を言われる事なんて何一つない。私もカイリに出て行って欲しくない……打算を働かせたんだから。お前の魔石磨きの腕は本物だし、充電なんて技術どこにもない……私はこの町の為、自分の為に敢えて隠したんだから」
「……それでも、俺達はその間守られた……傷も癒えた……ありがとうございます、町長」
町長は少しだけ笑ってから、真剣な目をした。
「つがいを失った王太子は手が付けられないほど凶暴になっているそうだ。血眼でつがいの黒髪の人間を捜し始めたらしい……どうするかはカイリに任せるがここにいてはいずれ見つかる。もう十分にこの町は潤った、残るもよし旅に出るもよし……」
「……考えて、みます」
俺はもう一度深く町長に頭を下げ、家路についた。俺は一体どうしたらいいんだろう?虎の男……王太子?なんだかとんでもない事になってきた。
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