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12 小さな町の子供達
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リオウは小さな町に立っていた。
「ああ!なんて事だ。そこらここらからカイリの残り香がする!」
「はは、分かりますか?」
「分からぬはずがない!この町の空気を全部吸いこんでしまいたい!」
最新鋭の高速飛馬馬車でリオウは町長と共に町へやって来た。
「カイリ達はおりません。王都に「貴方をひと目見る為に」旅に出ました」
少し含みのある言葉にリオウは首を傾げる。
「カイリ「達」?」
その疑問は小さな投石が答えをすぐに持ってきた。
「いてっ」
王太子のリオウに石をぶつけるなんてとんでもない事だが、その石の小ささはリオウに怪我をさせたい訳ではない、気がついて欲しくて投げられた物だと容易に判断できた。
「馬鹿野郎!来るのが遅いんだよ!!」
犬の獣人だ。垂れ耳の犬の獣人の子供達が怒りで目を真っ赤にしながらリオウを睨んでいる。
当然、リオウはその子供達に見覚えはない。しかし、カイリの残り香をふんだんにまとった子供達。親しかったのだと容易に相続はつく。
「遅い、とは?」
怒りより興味を引いた。
「おじさん、キーチェのお父さんだろ!なんですぐ迎えに来なかったんだ!」
「キー、チェ……おとう、さん?」
「そうだよ!カイリの子供のキーチェだよ!!だってそっくりだもん!目の色も、耳も尻尾もキーチェそっくりだ!キーチェ、ずっと父さんに会いたがってたのに!カイリには内緒にしてたけど、キーチェ、会いたいって言ってた!!」
子供達の叫び声にリオウはこの場で一番状況を知るであろう町長をばっと見る。
「カイリは流れ着いた時に既に子を腹に抱えておりました。キーチェはその時の子でして。真っ黒な元気な虎の子ですよ。貴方様そっくりの」
「お、おおおおお……」
その場にくず折れ、膝をついて泣き始めた大人に子供達は驚きと罪悪感がどっと押し寄せる。
「ご、ごめんね?おじさん!痛かった?」
「ごめんね、僕達の家で手当して上げる、こっち来て」
遠巻きに見ていた子犬達はリオウを心配げに囲む。
「ヘンリーの子供達、そのお方を頼むよ。リオウ様、その子供達は最初にカイリを助けたヘンリーの子供達です。カイリの家はその子達の隣の隣。鍵もヘンリーに預けているはずなので案内人には持ってこいです」
にこにこと笑う町長にリオウは呆然とする。
「行こう、おじさん。おじさんはカイリの旦那様でキーチェの父さんなんでしょ?見たら分かるよ」
「早く早く!キーチェ達旅行に行ってるけど帰ってくるから家で待ってて上げてよ、こっちだよ」
子供達に手を引かれ、のろのろとリオウは立ち上がる。カイリが見つかっただけではなく子供までいたという。
しかもぱっと見るだけでそっくりだと分かるほど似ているとは。
あまりに嬉しい事実が怒涛のように押し寄せて、リオウは情報と感情を整理出来ずにいる。町の至る所に残るカイリの残り香。
「あの角のパン屋のパンがキーチェのお気に入りなんだよ」
「クッキーはカイリが大好きなんだけど、月に一回くらいしか買わないんだ」
「僕達の分も買ってくれるんだよ」
「ではおじさんが全部買い占めよう」
リオウが言うと子供達はぷぅっと頬を膨らませてリオウを叱った。
「駄目だよ、おじさん。あの店のクッキーは好きな人がいっぱいいるんだ。買い占めは駄目だってカイリ、言ってたもん!」
「そうだよ、分け合おうねって僕達もそう思うし!そんなんじゃカイリのゲンコツが落ちるんだからね!」
「そう、なのか」
「駄目だなぁ~そんなんじゃカイリのお尻に引かれちゃうよー?」
「うちの父さんみたいにね!」
町に残るカイリの思い出を感じながら、リオウは町を歩く。
「あら?キーチェのお父さん?」
「そっくりねー」
町民は皆、暖かい目でリオウを見る。
「カイリはこの町に馴染んで暮らしていたのだな……」
「カイリの充電機は便利だからねー」
リオウはまた驚くべき言葉を聞く事になる。
「ああ!なんて事だ。そこらここらからカイリの残り香がする!」
「はは、分かりますか?」
「分からぬはずがない!この町の空気を全部吸いこんでしまいたい!」
最新鋭の高速飛馬馬車でリオウは町長と共に町へやって来た。
「カイリ達はおりません。王都に「貴方をひと目見る為に」旅に出ました」
少し含みのある言葉にリオウは首を傾げる。
「カイリ「達」?」
その疑問は小さな投石が答えをすぐに持ってきた。
「いてっ」
王太子のリオウに石をぶつけるなんてとんでもない事だが、その石の小ささはリオウに怪我をさせたい訳ではない、気がついて欲しくて投げられた物だと容易に判断できた。
「馬鹿野郎!来るのが遅いんだよ!!」
犬の獣人だ。垂れ耳の犬の獣人の子供達が怒りで目を真っ赤にしながらリオウを睨んでいる。
当然、リオウはその子供達に見覚えはない。しかし、カイリの残り香をふんだんにまとった子供達。親しかったのだと容易に相続はつく。
「遅い、とは?」
怒りより興味を引いた。
「おじさん、キーチェのお父さんだろ!なんですぐ迎えに来なかったんだ!」
「キー、チェ……おとう、さん?」
「そうだよ!カイリの子供のキーチェだよ!!だってそっくりだもん!目の色も、耳も尻尾もキーチェそっくりだ!キーチェ、ずっと父さんに会いたがってたのに!カイリには内緒にしてたけど、キーチェ、会いたいって言ってた!!」
子供達の叫び声にリオウはこの場で一番状況を知るであろう町長をばっと見る。
「カイリは流れ着いた時に既に子を腹に抱えておりました。キーチェはその時の子でして。真っ黒な元気な虎の子ですよ。貴方様そっくりの」
「お、おおおおお……」
その場にくず折れ、膝をついて泣き始めた大人に子供達は驚きと罪悪感がどっと押し寄せる。
「ご、ごめんね?おじさん!痛かった?」
「ごめんね、僕達の家で手当して上げる、こっち来て」
遠巻きに見ていた子犬達はリオウを心配げに囲む。
「ヘンリーの子供達、そのお方を頼むよ。リオウ様、その子供達は最初にカイリを助けたヘンリーの子供達です。カイリの家はその子達の隣の隣。鍵もヘンリーに預けているはずなので案内人には持ってこいです」
にこにこと笑う町長にリオウは呆然とする。
「行こう、おじさん。おじさんはカイリの旦那様でキーチェの父さんなんでしょ?見たら分かるよ」
「早く早く!キーチェ達旅行に行ってるけど帰ってくるから家で待ってて上げてよ、こっちだよ」
子供達に手を引かれ、のろのろとリオウは立ち上がる。カイリが見つかっただけではなく子供までいたという。
しかもぱっと見るだけでそっくりだと分かるほど似ているとは。
あまりに嬉しい事実が怒涛のように押し寄せて、リオウは情報と感情を整理出来ずにいる。町の至る所に残るカイリの残り香。
「あの角のパン屋のパンがキーチェのお気に入りなんだよ」
「クッキーはカイリが大好きなんだけど、月に一回くらいしか買わないんだ」
「僕達の分も買ってくれるんだよ」
「ではおじさんが全部買い占めよう」
リオウが言うと子供達はぷぅっと頬を膨らませてリオウを叱った。
「駄目だよ、おじさん。あの店のクッキーは好きな人がいっぱいいるんだ。買い占めは駄目だってカイリ、言ってたもん!」
「そうだよ、分け合おうねって僕達もそう思うし!そんなんじゃカイリのゲンコツが落ちるんだからね!」
「そう、なのか」
「駄目だなぁ~そんなんじゃカイリのお尻に引かれちゃうよー?」
「うちの父さんみたいにね!」
町に残るカイリの思い出を感じながら、リオウは町を歩く。
「あら?キーチェのお父さん?」
「そっくりねー」
町民は皆、暖かい目でリオウを見る。
「カイリはこの町に馴染んで暮らしていたのだな……」
「カイリの充電機は便利だからねー」
リオウはまた驚くべき言葉を聞く事になる。
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