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3 エラ
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「なんでぇ~アタシ、学校に行きたいですぅエドワードさまぁ!たすけてくださぁい」
「お黙り!この娘を地下に閉じ込めて、絶対に外に出さないで!」
「かしこまりました、奥様」
お母様の行動は早く、エラローズ……いや、エラはすぐさま学園から連れ出された。
「旦那様、口出しなさいますな!この娘のしでかした償い、旦那様もただでは済まされませんよ!」
最初息巻いていたお父様も、エラが事もあろうに第二王子に手を出して、公爵家を敵に回した事を知って真っ青になった。
「な、なんて事を……我が家より少しだけ良い家の子息と懇意になればと思ったのに、王子とは!なんと、なんと愚かな娘なのか!」
「アタシはお父様に言われた通り、高位の男を引っ掛けたじゃないー!何かいけないのよぉ!」
お母様の目は冷たい。いや、このリハルト家にいる使用人全ての人間の目は冷たい。勿論、私も含めてだ。エラの後始末にこれから全ての人員を割かなければならないのだから。
「逃げ出すようなら、枷をはめる事も検討します。男性は気をつけて。この娘、体で籠絡する事を覚えているわ。関係を持ったら責任を追求するわよ?」
「そ、そんな事しませんしー!」
エラは叫ぶが、調べはついてるんだけどね。白々しい嘘をついているんだ、証拠に目が泳ぎまくっている。
「何ということだ!もう嫁ぎ先もないではないか!」
まさかそこまでとお父様も思っていたようだ。処女を失った娘ではどの貴族も受け入れてはくれない。
「大丈夫よぉ!お父様ぁ、エドワード様がアタシをお嫁さんにしてくださるわぁ」
馬鹿もここまで行くといっそ清々しい。エラのような何もわかっていない者が王子の妃に、甘く見ても側妃にすらなれる訳がないのだ。ただ寵愛を受けていれば良いなんて世界じゃないんだよ。
「そ、そうか……?」
「馬鹿ですか、そんな訳ないでしょう。お父様」
「いや、しかし……」
「エラがエドワード様と結婚したとして、何ができると言うんです?ただ隣で笑っていることすら出来ないのに?」
「そこまで酷いのか」
「ええ、学園でも酷い有様ですよ。進級はどうやら教師と体の関係を持ったようで、完全に不正です」
「不正なんてしてませんん~!少し可愛くお願いしただけだもん!」
エラ以外全員ため息をついた。不正をしたと自分から白状しているし、可愛くお願いってなんだよ。股を開いただけだろ!
お父様も諦めたようだ。叫ぶエラを置いて地下室を出た。貴族としてはもうやっていけないが、手に仕事をつけさせてやると言うことになった。
裁縫の手解きや、最低限のメイドの仕事を覚えさせてやることにした。
「貴族籍は……あら?初めから入ってないわね?何してたのかしら、旦那様は」
「あは、あはは……」
エラはどうも最初から私達の家族ではなかったようだ。
「お黙り!この娘を地下に閉じ込めて、絶対に外に出さないで!」
「かしこまりました、奥様」
お母様の行動は早く、エラローズ……いや、エラはすぐさま学園から連れ出された。
「旦那様、口出しなさいますな!この娘のしでかした償い、旦那様もただでは済まされませんよ!」
最初息巻いていたお父様も、エラが事もあろうに第二王子に手を出して、公爵家を敵に回した事を知って真っ青になった。
「な、なんて事を……我が家より少しだけ良い家の子息と懇意になればと思ったのに、王子とは!なんと、なんと愚かな娘なのか!」
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「そ、そんな事しませんしー!」
エラは叫ぶが、調べはついてるんだけどね。白々しい嘘をついているんだ、証拠に目が泳ぎまくっている。
「何ということだ!もう嫁ぎ先もないではないか!」
まさかそこまでとお父様も思っていたようだ。処女を失った娘ではどの貴族も受け入れてはくれない。
「大丈夫よぉ!お父様ぁ、エドワード様がアタシをお嫁さんにしてくださるわぁ」
馬鹿もここまで行くといっそ清々しい。エラのような何もわかっていない者が王子の妃に、甘く見ても側妃にすらなれる訳がないのだ。ただ寵愛を受けていれば良いなんて世界じゃないんだよ。
「そ、そうか……?」
「馬鹿ですか、そんな訳ないでしょう。お父様」
「いや、しかし……」
「エラがエドワード様と結婚したとして、何ができると言うんです?ただ隣で笑っていることすら出来ないのに?」
「そこまで酷いのか」
「ええ、学園でも酷い有様ですよ。進級はどうやら教師と体の関係を持ったようで、完全に不正です」
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「貴族籍は……あら?初めから入ってないわね?何してたのかしら、旦那様は」
「あは、あはは……」
エラはどうも最初から私達の家族ではなかったようだ。
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