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13 事の顛末と
「と、言う感じでエドワード様はタイアド・メイヤーにお任せしました」
「メイヤー財務官の息子か。悪くない」
「エラと言う娘はしばらく立ち尽くしておりましたが、すぐに歩き出し少し覚えた礼儀作法でランツ子爵家のメイドとして雇われたようです」
流石エラは逞しいな、と私は驚いた。招かれたヴェルクレー家にセリウス様と共にお邪魔して、事の顛末を聞いた。
「さて、この件はこれで終了です。ノイシュ・リハルト。あなたの人質生活もここで終わりで宜しいです。後はあなたの好きになさいませ」
「ありがとうございます、ランシア様」
良かった。これでリハルト家は存続していけるだろう。良かった、私はなんとかできたんだ。
「早くおじさまに返事をして差し上げなさいな。もううじうじとして見ている方もイラつきますわ」
え?どう言う事ですか!
「このどうでも良い人質生活が終わるまで、ノイシュは頷かないと、おじさまがうるさくて」
「いえ、あのその」
「ノイシュが何を躊躇っているのかは分かりませんが、わたくしはノイシュがヴェルクレー家に入る事は賛成ですわ。ヨシュア様は要りませんが、ノイシュならば我が家の役に立つでしょう」
優雅にお茶を飲みながら、ランシア様にそんな事を言われた。えー!?
「やはり、俺の愛人に……おっと叔父上に殺されてしまうな」
アイロス様が言いかけて、口を閉じる。セリウス様が目を光らせたようだ。
「絶対に手放しませんけどね?」
「セリウスがそこまで執着するのは初めてだな?ノイシュ・リハルト、諦めた方が早いぞ」
「もう良いだろう、帰るぞ。ノイシュ」
「は、はい」
優しくエスコートされ、ヴェルクレー家を出た。馬車では膝の上に座らされ、
「絶対に逃がさない。それにそろそろ出来てるんじゃないのか?」
「え?」
そう言って薄いお腹を撫でられる。も、もしかして……?
「3ヶ月ほどでございましょうか。お子様がおいででございますね」
「えっ!」
この世界、男性も妊娠し、子供を普通に産む。しかし男性の妊娠は分かりにくい。もしかしてと呼んだ医師に、私は告げられて驚いた。
「それはあれだけ毎日毎日仲良くされておりますれば、嬉しいですなー!」
「きゃー!今夜はご馳走にしましょう!」
「皆ー!ノイシュ奥様が旦那様のお子様を授かったぞーー!」
私の妊娠は一瞬にして屋敷の人々に広まってしまった。うう、恥ずかしい!
「良くやった!ノイシュ。しかし安定期までやれんな……それだけが残念だ」
「で、でもセリウス様、あの、婚姻もしていない者の間で……その、子供など」
女性に比べて男性は妊娠しづらいと言われているから油断した……訳ではない。しかし、あれだけ……うん、毎日してたから当然と言えば当然だった。
そして外聞も悪い。きちんとした手順を踏まずに子供など……公爵家所縁の者にあってはならない恥部になる。ああ、私がちゃんと断らないから……セリウス様と致すのが良過ぎて、いやとは言えなかったから、こんな事に。
青くなる私を他所にセリウス様も皆も大喜びだ。
「これでもう俺の妻になるしかないだろう?ん?」
「あ、あの。セリウス様のご迷惑になりますから、この子はその……諦め……」
言おうとした言葉を全員から却下される。
「奥様!ノイシュ奥様!?何、とんでもないことをお考えで?!折角、待ちに待った坊っちゃまのお子様なのですよ!?」
「そうです!ノイシュ様がなんと言われようが産んでいただきますよ?!」
「旦那様!ちゃんとノイシュ様にお伝えしてないのですか!?こんなに可愛いお嫁さんなんて他に居ませんよ!」
「ノイシュ、いい加減諦めなさい。お前は俺の妻になって子供を産む事は決まっているのだから」
いや、でも……あの、その。
「メイヤー財務官の息子か。悪くない」
「エラと言う娘はしばらく立ち尽くしておりましたが、すぐに歩き出し少し覚えた礼儀作法でランツ子爵家のメイドとして雇われたようです」
流石エラは逞しいな、と私は驚いた。招かれたヴェルクレー家にセリウス様と共にお邪魔して、事の顛末を聞いた。
「さて、この件はこれで終了です。ノイシュ・リハルト。あなたの人質生活もここで終わりで宜しいです。後はあなたの好きになさいませ」
「ありがとうございます、ランシア様」
良かった。これでリハルト家は存続していけるだろう。良かった、私はなんとかできたんだ。
「早くおじさまに返事をして差し上げなさいな。もううじうじとして見ている方もイラつきますわ」
え?どう言う事ですか!
「このどうでも良い人質生活が終わるまで、ノイシュは頷かないと、おじさまがうるさくて」
「いえ、あのその」
「ノイシュが何を躊躇っているのかは分かりませんが、わたくしはノイシュがヴェルクレー家に入る事は賛成ですわ。ヨシュア様は要りませんが、ノイシュならば我が家の役に立つでしょう」
優雅にお茶を飲みながら、ランシア様にそんな事を言われた。えー!?
「やはり、俺の愛人に……おっと叔父上に殺されてしまうな」
アイロス様が言いかけて、口を閉じる。セリウス様が目を光らせたようだ。
「絶対に手放しませんけどね?」
「セリウスがそこまで執着するのは初めてだな?ノイシュ・リハルト、諦めた方が早いぞ」
「もう良いだろう、帰るぞ。ノイシュ」
「は、はい」
優しくエスコートされ、ヴェルクレー家を出た。馬車では膝の上に座らされ、
「絶対に逃がさない。それにそろそろ出来てるんじゃないのか?」
「え?」
そう言って薄いお腹を撫でられる。も、もしかして……?
「3ヶ月ほどでございましょうか。お子様がおいででございますね」
「えっ!」
この世界、男性も妊娠し、子供を普通に産む。しかし男性の妊娠は分かりにくい。もしかしてと呼んだ医師に、私は告げられて驚いた。
「それはあれだけ毎日毎日仲良くされておりますれば、嬉しいですなー!」
「きゃー!今夜はご馳走にしましょう!」
「皆ー!ノイシュ奥様が旦那様のお子様を授かったぞーー!」
私の妊娠は一瞬にして屋敷の人々に広まってしまった。うう、恥ずかしい!
「良くやった!ノイシュ。しかし安定期までやれんな……それだけが残念だ」
「で、でもセリウス様、あの、婚姻もしていない者の間で……その、子供など」
女性に比べて男性は妊娠しづらいと言われているから油断した……訳ではない。しかし、あれだけ……うん、毎日してたから当然と言えば当然だった。
そして外聞も悪い。きちんとした手順を踏まずに子供など……公爵家所縁の者にあってはならない恥部になる。ああ、私がちゃんと断らないから……セリウス様と致すのが良過ぎて、いやとは言えなかったから、こんな事に。
青くなる私を他所にセリウス様も皆も大喜びだ。
「これでもう俺の妻になるしかないだろう?ん?」
「あ、あの。セリウス様のご迷惑になりますから、この子はその……諦め……」
言おうとした言葉を全員から却下される。
「奥様!ノイシュ奥様!?何、とんでもないことをお考えで?!折角、待ちに待った坊っちゃまのお子様なのですよ!?」
「そうです!ノイシュ様がなんと言われようが産んでいただきますよ?!」
「旦那様!ちゃんとノイシュ様にお伝えしてないのですか!?こんなに可愛いお嫁さんなんて他に居ませんよ!」
「ノイシュ、いい加減諦めなさい。お前は俺の妻になって子供を産む事は決まっているのだから」
いや、でも……あの、その。
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