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5 アレさえあれば3年は戦える
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コーディが怒られてる。
「こら!王様から招集がかかってるんだ!早く王都へ行け!!」
「嫌だー!タトの野菜から離れたくねー!!」
阿呆だろ?コーディ。ぶっちゃけ幸田は昔から阿呆だったけどな。
「分かった。アレ作ってみるから、アレ食ったら行けよ」
「あ、アレ?!も、もしかして……」
「ああ、アレ、だ」
俺達の敬愛するアレだ。俺はジャガイモと黒い粒を握り締める。
「も、モシカシテェーーー!フライぃーで!ポゥテェイトゥなあああ!!アレデスカァアアイ?!」
「モシカシナクテモォ!マァクゥドゥでぇーポテェイトゥなアレデスヨォー!」
しまった、俺まで阿呆になった。しかしだ、アレの芋は人々を惑わす魔力がある。アレさえ有れば3年は戦えるし、アレさえ有ればなんかやっていける気がする。
「あ、菜花じゃない。おひたしにして食べよーよ。タトの家庭菜園の菜花なんてどんだけ美味しいんだろ?」
「待て!姉ちゃん!今はまだ食わない!」
「はあ?!硬くて食べらんなくなるでしょ?」
いや、それが目的だし。
「ふんぬ!うわっ!母さん!入れ物!入れ物!」
「え?!きゃー!?貴重な油がー!」
なんと菜花から採れた小さな菜種一粒を手で俺がプチっと潰すと馬鹿みたいに油が湧き出てきて、物理法則を無視して1リットルくらい溢れ出た。
「すご。幾らでも天ぷら作れるじゃん」
まあ天ぷらは作らないけど、ジャガイモの方もアレ作るんだ!と決め打ちしたら細長いアレに適してるっぽい芋が二日くらいでゴロゴロ掘れた。
「家庭菜園マジ家庭菜園……」
ただし量は家で食べる分位だ。
「タト様……っ!」
「はっはっは!任せたまえ」
俺は手早くジャガイモを細切りにして水に晒し、油は鍋に入れ火にかけた。なるべく振り回してジャガイモの水気を切り、熱くなった油の中に……
「投入!」
じゅわぁーーー!と魅惑のサウンドが溢れ出す。
「キタキタキタァーー!」
「キマシタワー!」
アレである、赤と黄色の……いや、それ以上は言うまい。俺がキツネ色になる細切り芋をじっくりみていると、切羽詰まった女性の声が突然響いてきた。
《供えるのです……最初の1本は神に、この私に供えるのです!お願いします、供えてくださいー!食べたいぃーーー!》
あの女神の声じゃないか……あまりに切なかったので神様に熱々をお供えする事にした。
《ああーー!熱い!熱いですー!地上の食べ物、美味しいですぅーー!》
満足したようだ。
「タト!早く、早くーーー!」
「おー!」
そこからフレンチフライパーティだよね。家族で夢中で食ったけど、俺とコーディは悲しくなった。
「塩……」
「ああ、塩……」
塩っけが足りないんだ。でも塩は高価な調味料だからたくさん使える訳じゃない。ああー!塩が、塩が振ってあればもっと、もっと美味いのにぃーーー。
《塩?!CーOー?!》
女神様の叫びが聞こえる気がするCoじゃない、それじゃ一酸化炭素だ。塩ならNaClだろ?って俺の冷静なツッコミは当然女神様の耳には届いておらず
《塩!生物の法則をちょっとだけ捻じ曲げる!それが、それが女神の力!うーーー!だって、食べたい!食べたいの!!顕現せよ!タトの目の前に!塩の種!!》
俺の目の前に白くきらめく四角い塩の結晶が一つ浮かび上がった。お、おう……。
《早く……早く、庭に植えるのです!そして収穫するのです!》
しょうがない、俺は結晶を掴んで庭に飛び出てそれを空いているところに植えた。
するとすぐに小さな芽が生えてするする~と大きくなると、ポン!と花が咲き、即萎れて根元に小さな実がなり……すぐに茶色くなりころりと取れた。
そして実は乾燥して……パカリと割れる。中には白いアレがたっぷり詰まっている。
「そんなに……ポティトォに塩が……」
「分かる!わかるよぉーーー!」
俺は呆れ、コーディは涙したが、ポティトォが数倍美味くなったのだった。感謝しかない。
「こら!王様から招集がかかってるんだ!早く王都へ行け!!」
「嫌だー!タトの野菜から離れたくねー!!」
阿呆だろ?コーディ。ぶっちゃけ幸田は昔から阿呆だったけどな。
「分かった。アレ作ってみるから、アレ食ったら行けよ」
「あ、アレ?!も、もしかして……」
「ああ、アレ、だ」
俺達の敬愛するアレだ。俺はジャガイモと黒い粒を握り締める。
「も、モシカシテェーーー!フライぃーで!ポゥテェイトゥなあああ!!アレデスカァアアイ?!」
「モシカシナクテモォ!マァクゥドゥでぇーポテェイトゥなアレデスヨォー!」
しまった、俺まで阿呆になった。しかしだ、アレの芋は人々を惑わす魔力がある。アレさえ有れば3年は戦えるし、アレさえ有ればなんかやっていける気がする。
「あ、菜花じゃない。おひたしにして食べよーよ。タトの家庭菜園の菜花なんてどんだけ美味しいんだろ?」
「待て!姉ちゃん!今はまだ食わない!」
「はあ?!硬くて食べらんなくなるでしょ?」
いや、それが目的だし。
「ふんぬ!うわっ!母さん!入れ物!入れ物!」
「え?!きゃー!?貴重な油がー!」
なんと菜花から採れた小さな菜種一粒を手で俺がプチっと潰すと馬鹿みたいに油が湧き出てきて、物理法則を無視して1リットルくらい溢れ出た。
「すご。幾らでも天ぷら作れるじゃん」
まあ天ぷらは作らないけど、ジャガイモの方もアレ作るんだ!と決め打ちしたら細長いアレに適してるっぽい芋が二日くらいでゴロゴロ掘れた。
「家庭菜園マジ家庭菜園……」
ただし量は家で食べる分位だ。
「タト様……っ!」
「はっはっは!任せたまえ」
俺は手早くジャガイモを細切りにして水に晒し、油は鍋に入れ火にかけた。なるべく振り回してジャガイモの水気を切り、熱くなった油の中に……
「投入!」
じゅわぁーーー!と魅惑のサウンドが溢れ出す。
「キタキタキタァーー!」
「キマシタワー!」
アレである、赤と黄色の……いや、それ以上は言うまい。俺がキツネ色になる細切り芋をじっくりみていると、切羽詰まった女性の声が突然響いてきた。
《供えるのです……最初の1本は神に、この私に供えるのです!お願いします、供えてくださいー!食べたいぃーーー!》
あの女神の声じゃないか……あまりに切なかったので神様に熱々をお供えする事にした。
《ああーー!熱い!熱いですー!地上の食べ物、美味しいですぅーー!》
満足したようだ。
「タト!早く、早くーーー!」
「おー!」
そこからフレンチフライパーティだよね。家族で夢中で食ったけど、俺とコーディは悲しくなった。
「塩……」
「ああ、塩……」
塩っけが足りないんだ。でも塩は高価な調味料だからたくさん使える訳じゃない。ああー!塩が、塩が振ってあればもっと、もっと美味いのにぃーーー。
《塩?!CーOー?!》
女神様の叫びが聞こえる気がするCoじゃない、それじゃ一酸化炭素だ。塩ならNaClだろ?って俺の冷静なツッコミは当然女神様の耳には届いておらず
《塩!生物の法則をちょっとだけ捻じ曲げる!それが、それが女神の力!うーーー!だって、食べたい!食べたいの!!顕現せよ!タトの目の前に!塩の種!!》
俺の目の前に白くきらめく四角い塩の結晶が一つ浮かび上がった。お、おう……。
《早く……早く、庭に植えるのです!そして収穫するのです!》
しょうがない、俺は結晶を掴んで庭に飛び出てそれを空いているところに植えた。
するとすぐに小さな芽が生えてするする~と大きくなると、ポン!と花が咲き、即萎れて根元に小さな実がなり……すぐに茶色くなりころりと取れた。
そして実は乾燥して……パカリと割れる。中には白いアレがたっぷり詰まっている。
「そんなに……ポティトォに塩が……」
「分かる!わかるよぉーーー!」
俺は呆れ、コーディは涙したが、ポティトォが数倍美味くなったのだった。感謝しかない。
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