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12 あれ?本当に?

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 意味が分からんが、とにかくシャワーを浴びせる。これ、俺が頼んでつけてもらった奴。
 奴隷達は汚い、とにかく汚い。まず洗ってからじゃ無いと何も出来ない。で、いちいちかけ湯はめんどくさいから、上からじゃーっと降ってくるこれは便利な訳だ。
 暖かいお湯が上から落ちてくると、少しだけ反応したが、それくらいだった。あとはされるに任せている。質の悪い石鹸でゴシゴシと洗うと本来の髪の色が見えてきた。

「まずは洗うかー。お?この人、髪の毛の色が凄いぞ。銀髪だ」

「銀髪の偉い人ぉ?王子様っぽいなぁ!あはは!私、嫁にして貰おうかな!どう?ローザ姫だぞ!」

「姉さんは姫だろ?翡翠館の」

「娼婦じゃねーか!あはははは!」

 あっけらかんと笑い飛ばすのはローザ姉さんの凄い所だ。母さんもメグ姉さんも自分の境遇を嘆き悲しむだけじゃなくて、受け入れて生きていく強さを持っている。

「待って?銀髪に、こいつ目の色が紫じゃない?」

「ん?ああ、焦点あってねーけど紫だなぁ」

 ぼんやり向かされた方向からピクリとも動かないが確かに紫色の目をしている。

「……リーヤ、本当に王子様かも知れない。少し離れた所の王家は代々銀髪にアメジストの瞳だって聞いたよ」

「えっ?!まじか!もうちんこ治しちゃったよ!」

「ちんこ!まあ!ご立派」

 姉さんが気に入ったらしい。顔より先にちんこって。流石ローザ姉さんだなぁ。

 治すと面倒そうなんだが、姉さんが乗り気になってしまった。

「いつ見ても、リーヤのそれってきれいで気持ち良いね」

 ふわふわと色とりどりの玉が浮いているらしい。

「俺は瀕死の王子様のケツに手ぇ突っ込んでるけどねー」

 やっぱり中は相当壊されてて、兎の子供の比じゃなかった。どうしてここまでされなきゃならんのか分からんくらい。
 中から変な玉とか石ころとか出てきてびっくりしたわ。

「うお?!魔道具??」

「エロい魔道具だぁ……入れっぱなしで取れなくなったのかな?」

「「えぐい」」

 内臓がだいぶ傷付けられいてあちこち破れている。本当によく生きてたなぁ。

「良し、ケツ治ったぞ。新品の処女とまでは行かないが初心な男なら騙せる程度だ!」

「後は演技次第か……良し、私が仕込もう!」

 あははは!と笑いあう姉さんと俺を見ながら這いずってきた二人の男はぽかんと口を開けていた。

「なお……た、どう、いう」

「あ?ケツが壊れててどうやって客取るんだよ」

「え……」

「俺の家は娼館だ。そこで働かせる為に奴隷商から買ってきたんだ。何か文句あるのか?」

「……っ」

 今度は黙った。そうだよ、買われた奴隷に選択の権利なんてないんだからな。何に巻き込まれ、何をしたか、されたか知りたくもないが、買われた奴隷なんてそんなもんだ。

「ま、俺もそこまで非道じゃ無いんで。聞くだけ聞いてやるけどな、起こすぞ?」

「お、まともな顔がやっと見れるね」

 俺は王子様?の頭を両手で掴んで、壊れた場所を探った。


 
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