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動物に異様に好かれる手
40 ★その分岐を
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たくさんの獣人達に祝われ、パレードは華やかに進んだ。大通りを屋根のない馬車でレオセントとレンテドールは並んで乗り込み、手を振った。その少し後ろの馬車にシロウとレジールが乗っている。馬車は普通に屋根のあるもので、窓から精いっぱい顔を覗かせ、シロウは手を振った。
その行列に異変が起こる。
「お願いです!お願いします!シロウ様!!無礼を承知でお願いします!一度で!一度で良いので神殿にお越しくださいませ!!」
シロウの乗るパレードの馬車の前に、羊の獣人の少女が飛び出し、平伏した。
「お願いします!少しだけ、ほんの少しだけでよいので、アリルレオン様のお言葉に耳を傾けてくださいませ!!」
「片付けろ」
「はっ!」
馬車の窓から鬼の形相で、レジールが少女を射抜いた。視線だけで少女の心臓は止まる寸前だった。
真っ青に顔を歪めるシロウを抱き寄せ、外にうずくまる愚か者から隠してやる。
「俺の伴侶に仇なす者。その心に添えぬ者には容赦せん」
辺りは騒然とし、衛兵は少女を掴み上げるが少女は抵抗する。
「お願いしますっ!シロウ様!お願いしますっ!!!」
「黙らせろ!二度とその口、開かせるな!!」
「はいっ!!」
パレードを見ていた者達は皆、少女を冷たい目で見た。
「シロウ様の事を知っていながら、なんだあの女!」
「神殿の尼僧か?馬鹿な!神殿が冷遇されているから、御前に?信じられない!」
「自業自得だわ!シロウ様の心を煩わせるなんて!あり得ない!」
「邪魔だよ!!そいつ!」
誰かがコツンと石を投げた。小さな石だったが、それは羊の少女に当たった。
いたっ
少女は小さく呟いたが、道から退かなかった。
「お願い……お願いします!」
うるせえ!退けよ!和やかな空気が険悪なものに変わって行き、石が二つになり、三つになった。
シロウ様が嫌だって言ってんのになんだよ!あの女!コツンコツンと投げられる石が大きくなるのはすぐだった。
「あうっ!」
拳大の大きさの石が飛んできて少女はすぐに血を流した。
「お願い、お願い……します!少しだけで、良いので!神殿に……あうぅっ!」
石だけではない。瓦礫や、ゴミまで少女に襲いかかる。それをシロウはぼんやりと見つめていた。
流されて行く獣人の、年端も行かぬ少女の赤い血。数の、沢山の暴力。なおうずくまり少女は訴える。
「お願い……お願いします!どうか、どうか!悲しみに包まれる前に!」
知らない。シロウは窓の外で弱って行く少女を見る。レジールは何も言わない。自分が排除しなくても民が片付けてくれると、シロウを優しく抱きしめるだけだ。
「やめなさい」
静かに強い声が響いて、辺りは水を打ったような静けさに支配された。
「シロウ」
暴力を止めたのはレンテドールだった。
「お前!なんで止める!そいつはシロウの心にそぐわない事をした!すぐに片付けろ!」
レンテドールは静かだった。誰より何よりシロウの事を想う男は、そっと口を開いた。
「シロウ。大丈夫、守ってあげるから。私も君が望むなら神も殺してみせよう」
静かに、嫣然と笑う。レースール連邦の元首は人を惹きつけて止まない力がある。
「レンテドール、さま……?」
「だから、もう怖がらなくて良い。君の伴侶もとても強い。信じてごらん、大丈夫だから」
そして血塗れで荒い息のまま、座り込み続ける少女を見る。
「シロウ、きっと彼女が死んでしまったら、君は一生後悔する。彼女の死は君の魂に大きな傷を永遠に残すだろう。私は君が傷つくのを見たくないんだ」
「でも……俺は、あいつが、嫌い、神が大っ嫌いだ!」
絞り出した声を優しく救い上げるようにレンテドールは返事を返す。
「嫌いで良い。許してやる必要なんかない。でも少女の切なる願い。シロウ、どうしたい?」
その時、シロウは……
▷少女の願いを叶える(41 光差す方へ)
少女の願いを叶えない(if 闇へ)
その行列に異変が起こる。
「お願いです!お願いします!シロウ様!!無礼を承知でお願いします!一度で!一度で良いので神殿にお越しくださいませ!!」
シロウの乗るパレードの馬車の前に、羊の獣人の少女が飛び出し、平伏した。
「お願いします!少しだけ、ほんの少しだけでよいので、アリルレオン様のお言葉に耳を傾けてくださいませ!!」
「片付けろ」
「はっ!」
馬車の窓から鬼の形相で、レジールが少女を射抜いた。視線だけで少女の心臓は止まる寸前だった。
真っ青に顔を歪めるシロウを抱き寄せ、外にうずくまる愚か者から隠してやる。
「俺の伴侶に仇なす者。その心に添えぬ者には容赦せん」
辺りは騒然とし、衛兵は少女を掴み上げるが少女は抵抗する。
「お願いしますっ!シロウ様!お願いしますっ!!!」
「黙らせろ!二度とその口、開かせるな!!」
「はいっ!!」
パレードを見ていた者達は皆、少女を冷たい目で見た。
「シロウ様の事を知っていながら、なんだあの女!」
「神殿の尼僧か?馬鹿な!神殿が冷遇されているから、御前に?信じられない!」
「自業自得だわ!シロウ様の心を煩わせるなんて!あり得ない!」
「邪魔だよ!!そいつ!」
誰かがコツンと石を投げた。小さな石だったが、それは羊の少女に当たった。
いたっ
少女は小さく呟いたが、道から退かなかった。
「お願い……お願いします!」
うるせえ!退けよ!和やかな空気が険悪なものに変わって行き、石が二つになり、三つになった。
シロウ様が嫌だって言ってんのになんだよ!あの女!コツンコツンと投げられる石が大きくなるのはすぐだった。
「あうっ!」
拳大の大きさの石が飛んできて少女はすぐに血を流した。
「お願い、お願い……します!少しだけで、良いので!神殿に……あうぅっ!」
石だけではない。瓦礫や、ゴミまで少女に襲いかかる。それをシロウはぼんやりと見つめていた。
流されて行く獣人の、年端も行かぬ少女の赤い血。数の、沢山の暴力。なおうずくまり少女は訴える。
「お願い……お願いします!どうか、どうか!悲しみに包まれる前に!」
知らない。シロウは窓の外で弱って行く少女を見る。レジールは何も言わない。自分が排除しなくても民が片付けてくれると、シロウを優しく抱きしめるだけだ。
「やめなさい」
静かに強い声が響いて、辺りは水を打ったような静けさに支配された。
「シロウ」
暴力を止めたのはレンテドールだった。
「お前!なんで止める!そいつはシロウの心にそぐわない事をした!すぐに片付けろ!」
レンテドールは静かだった。誰より何よりシロウの事を想う男は、そっと口を開いた。
「シロウ。大丈夫、守ってあげるから。私も君が望むなら神も殺してみせよう」
静かに、嫣然と笑う。レースール連邦の元首は人を惹きつけて止まない力がある。
「レンテドール、さま……?」
「だから、もう怖がらなくて良い。君の伴侶もとても強い。信じてごらん、大丈夫だから」
そして血塗れで荒い息のまま、座り込み続ける少女を見る。
「シロウ、きっと彼女が死んでしまったら、君は一生後悔する。彼女の死は君の魂に大きな傷を永遠に残すだろう。私は君が傷つくのを見たくないんだ」
「でも……俺は、あいつが、嫌い、神が大っ嫌いだ!」
絞り出した声を優しく救い上げるようにレンテドールは返事を返す。
「嫌いで良い。許してやる必要なんかない。でも少女の切なる願い。シロウ、どうしたい?」
その時、シロウは……
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少女の願いを叶えない(if 闇へ)
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