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動物に異様に好かれる手
50 母と子
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「ふん」
ミシェルはそれでも機嫌悪く鼻を鳴らした。ミシェルの命でたくさんの貴族の首を刎ねさせた。
あの後、ミシェルは沢山の人間に影に日向に文句を言われたし、暗殺者もたくさん送り込まれた。
だが、ミシェルとレオニー、二人のメイドはそれを全て撃退。差し向けた者達を粛清もした。
「しかし、罪もない者が死んで行くのはあまり気持ちの良いものではない」
今日も王宮から遺体が運び出されて行く。
「そうですが、私は人間は好きになれません」
もう王者の風格を漂わせ始めたレオニーはそれをしっかり見つめている。
「そうですね、私も好きにはなれない。どこかで獣の血を持たぬ者が果てるのを祈っていすらいるように感じます」
「……シロウは元気そうですね」
届いていた手紙をレオニーは思い出す。大好きなシロウの匂いに混じり合う叔父レジールの匂い。
ああ、シロウは叔父の物になったのか。別れた時、レジールの腕にしっかりと抱かれていたシロウを見た時そうなるんじゃないかと予感はあった。
仕方がない。人間の庭で飼われていた子供の獅子が、広い野を自在に駆け回る大人の獅子に勝てるわけがない。
「レオニー……」
「大丈夫です、母上。私はすぐに叔父上より強くなります。叔父上に勝てるようになったらシロウに考え直すように伝えるつもりです」
ミシェルは体より先に心が強くなった息子を誇らしく思う。
「そうね、レオニーは素敵な大人になるわ。レジールよりいい男になれば放っておけるはすがないものね」
はい、と笑う息子の顔は少し辛そうだったが、そういう心の強さも素晴らしいとミシェルは思う。
「しかし、人間にはかかるが獣人にはかからぬ病。もしやアリルレオン様の御威光かしら?」
獣人の守護女神たる金獅子の神を思い浮かべて、ミシェルは遠い故郷の地を懐かしんだ。
「どうもジェストにいると人間ですら例の咳病に罹りにくいらしいですよ」
どこで聞いた噂なのか、レオニーはミシェルに伝える。
「これは本当に我らの神のお力なのかもしれないわね、レオニー」
「そうですね。私もリリーシュア神はあまり好きではありません。信仰するならアリルレオン神が良いです」
素直な息子の頭を撫で、ミシェルは微笑む。
「獣の子の事をアリルレオン様も愛してくださるわ。あなたは女神の血を引く子、その血に恥じぬよう誇り高く生きましょう」
「はい、母上!」
割合など些細な事だ。女神の血筋、獅子の誇りを忘れぬ事こそ、我らを我らたらしめる事なのだと深く深く心に刻んで。
ミシェルはそれでも機嫌悪く鼻を鳴らした。ミシェルの命でたくさんの貴族の首を刎ねさせた。
あの後、ミシェルは沢山の人間に影に日向に文句を言われたし、暗殺者もたくさん送り込まれた。
だが、ミシェルとレオニー、二人のメイドはそれを全て撃退。差し向けた者達を粛清もした。
「しかし、罪もない者が死んで行くのはあまり気持ちの良いものではない」
今日も王宮から遺体が運び出されて行く。
「そうですが、私は人間は好きになれません」
もう王者の風格を漂わせ始めたレオニーはそれをしっかり見つめている。
「そうですね、私も好きにはなれない。どこかで獣の血を持たぬ者が果てるのを祈っていすらいるように感じます」
「……シロウは元気そうですね」
届いていた手紙をレオニーは思い出す。大好きなシロウの匂いに混じり合う叔父レジールの匂い。
ああ、シロウは叔父の物になったのか。別れた時、レジールの腕にしっかりと抱かれていたシロウを見た時そうなるんじゃないかと予感はあった。
仕方がない。人間の庭で飼われていた子供の獅子が、広い野を自在に駆け回る大人の獅子に勝てるわけがない。
「レオニー……」
「大丈夫です、母上。私はすぐに叔父上より強くなります。叔父上に勝てるようになったらシロウに考え直すように伝えるつもりです」
ミシェルは体より先に心が強くなった息子を誇らしく思う。
「そうね、レオニーは素敵な大人になるわ。レジールよりいい男になれば放っておけるはすがないものね」
はい、と笑う息子の顔は少し辛そうだったが、そういう心の強さも素晴らしいとミシェルは思う。
「しかし、人間にはかかるが獣人にはかからぬ病。もしやアリルレオン様の御威光かしら?」
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どこで聞いた噂なのか、レオニーはミシェルに伝える。
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「そうですね。私もリリーシュア神はあまり好きではありません。信仰するならアリルレオン神が良いです」
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