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IF編 闇へ
3 美恵
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門脇美恵は幸せだった。美恵の仲の良かった兄、史郎が突然の轢き逃げ事件で帰らぬ人となったのが5年前だ。
その時、親身に寄り添ってくれた門脇毅と2年前に結婚した。兄の死がショックだった美恵を3年も慰め、待っていてくれた辛抱強く優しい人だった。
美恵達の結婚式に、兄の遺影は必要だと譲らなかったのは毅の方であったから、美恵の実家、福田家は泣き笑いをしたものだった。
そんな恵美が近所のスーパーまで買い物に出た時だった。
「え」
真昼間だった。人もたくさんいた。それなのに。
兄がトラックに轢かれた近くの信号に突っ込んだトラックは無情にも美恵を巻き込んだ。
「え……」
美恵は冷たい石の床に座っていた。
「ここ、どこ……?」
全く知らない場所に美恵はいた。住み慣れた街でもなく、病院でもなく……知らない、何も知らない場所。
「うっ!」
お腹が痛くて痛くてうずくまる。
「だ!誰だ!」
「え……?」
「侵入者だ!衛兵ー!衛兵ーー!」
「な、何……?」
美恵はあっという間に男達に取り囲まれ、押さえつけられた。
「この女!どこから王宮へ入り込んだんだ!どこかの国の間者か!」
男達から怒声を浴びせられ、美恵は震えるしかない。怖い怖い怖い助けて!助けて!
「助けて、毅……!助けて、史郎兄さん……」
美恵を助けてくれる人は現れなかった。
「……半月ほど前に捕らえた娘?」
ミシェルの耳にその話が飛び込んで来たのは、美恵がこの世界に現れてからだいぶ立ってからだった。
今更何を。しかも人間ですって?報告を上げてきたフローに聞き返すが、フローの集めて来た情報を聞くと無視するわけにもいかない。
「娘は地下牢だったわね」
側妃が足を運ぶべき場所ではないが、ミシェルは確かめねばならなかった。足早に止める者たちを振り切って汚い牢にたどり着き、目を見張る。
そしてミシェルは痩せこけ、生気はなく死に程近い場所に打ち捨てられた美恵と対面することになる。
「な、なんて事!この子を早く!私の離宮に!急いで!」
衛兵を脅して鍵を取り上げ、血と糞尿に塗れた美恵をミシェル自ら抱き上げた。
「フロー!急いで!早く手当てを!リッテも!」
「!はいっ!ミシェル様!」
美恵を一目見たフローもリッテもミシェルを止める事なく、美恵の救出を急いだ。
美恵の顔はシロウそっくりだったから。
その時、親身に寄り添ってくれた門脇毅と2年前に結婚した。兄の死がショックだった美恵を3年も慰め、待っていてくれた辛抱強く優しい人だった。
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そんな恵美が近所のスーパーまで買い物に出た時だった。
「え」
真昼間だった。人もたくさんいた。それなのに。
兄がトラックに轢かれた近くの信号に突っ込んだトラックは無情にも美恵を巻き込んだ。
「え……」
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「うっ!」
お腹が痛くて痛くてうずくまる。
「だ!誰だ!」
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「助けて、毅……!助けて、史郎兄さん……」
美恵を助けてくれる人は現れなかった。
「……半月ほど前に捕らえた娘?」
ミシェルの耳にその話が飛び込んで来たのは、美恵がこの世界に現れてからだいぶ立ってからだった。
今更何を。しかも人間ですって?報告を上げてきたフローに聞き返すが、フローの集めて来た情報を聞くと無視するわけにもいかない。
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そしてミシェルは痩せこけ、生気はなく死に程近い場所に打ち捨てられた美恵と対面することになる。
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