【完結】畑の肥やしとして呼ばれた魔王らしいんだけど?

鏑木 うりこ

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「き、木崎君?!」

「かなと!俺と一緒に来るんだ!」

 えっ!嫌ですけど?

「と、言うか木崎君もこの世界に来てたんだ」

「ああ、かなり遠くのフィオーリア国だが……このウォルターが復興したのは魔王召喚に成功したから、豊かになったんだと聞いて。かなと、俺と一緒に来て、フィオーリアを復興させてくれ!疫病で国がパニックなんだ!」

 僕はメリと顔を見合わせた。

「疫病、だけなの?」

「大変なんだぞ!この国はこんなに豊かじゃないか!俺の国を救ってくれても良いだろう?!」

 ここ、ウォルターは疫病だけでなく、色んな災厄に襲われていた。日照りに、虫の大発生。なら、疫病だけなら何とか出来るんじゃ??

「木崎君、僕はメリアードと契約しちゃってるんだ。だから僕はウォルターの魔王で他には行けないんだよ?」

 それが契約。呼び出した魔王がよくない存在であった時、封じ言うことを聞かせる為に無理矢理にでも結ぶ契約。
 そのせいで僕は基本的ににメリに逆らえないし、ウォルター国から出る事も難しい。
 メリにピッタリくっ付いてれば旅行とかは出来るけど!ついでにメリは僕が嫌がる事はあんまりしないので、契約を不便に思った事はない。
 あ、人前での公開プレイだけは勘弁して貰った!

「そんな契約破棄すればいいだろう!俺のフィオーリアを何とかしろよ!」

「えー……」

「俺の事、好きだったんだろ?!」

「……好き……だったけど」

 木崎君ってこんな人だった??なんかあんまりいい気持ちはしなかった。それに俺の国?って言った??フィオーリアは木崎君の国なの??

「フィオーリアは貴方の国になったのですか?」

 メリが優しく尋ねると、木崎君はふふんと胸を逸らした。

「ああ!フィオーリアの第一王女と婚約してるからな!ゆくゆくは俺の国だろ!」

 あ、そうなんだ……僕はすっと熱が引いていくのがわかった。無言でメリが僕を引き寄せる。肩を抱いて、僕の頬に寄り、小さな声で

「私はかなとが一番だよ」

 と囁く。ああ、メリ大好き。ありがとう、メリ。メリは国の為に最初に僕を抱いた。でも契約はこの国の者なら誰でも良かったんだって。だから王子であるメリがする必要は全くなかった。
 でも、メリは僕の事を誰にも渡したくないって思ったんだってさ。だから訳が分からず、とっても恥ずかしい格好で現れた僕のお尻に、周りが止めるのも聞かずに入り込んで来たんだって。

「あ、この尻は私の為の物だと確信しましたよ」

「な、なにそれ!」

「それくらい具合が良かったんですよ」

 まあ、最初からスムースインだわジャストフィットだわで、メリもどうしていいか分からなかったらしい。

「なあ!かなと。俺の国へ来てくれ!」

 木崎君が何か言ってるけど、僕にはメリの鼓動しか聞こえない。メリ、大好き!
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