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28 スコットさん、そりゃ……
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「帰りたいのですが……」
「分かった……スコットさんの花屋さんまで全部ウチの領土にする……」「2.3国潰せば辿り着けるよね」
「そうーッスねー」
やる気のないリックが帰って来ています。
「冗談ですよね?」
少し焦って聞き返すスコットさんに
「大丈夫、スコットさんの兄弟は殺さないようにするから」「でも絶対は無理だから死んだらごめんね?」
「も、もしかしてなんですけど……本気、ですか?」
「いまさらッスか?本気も本気ですよ」
はぁ、とため息をつきながら返すリック。
「わ、私はおじさんですよ!」
「でも、運命のつがいなンスよね?どうなンスか?いくら鈍くても何か来るものがあるッスかね?こう体の奥から熱くなるとか?」
リックに言われ、首をひねるスコットさん。
「熱く……そう言えば、何か熱いような?」
「ほう?!」「おお?!」
やはり運命のつがいか!?身を乗り出す双子に、ギョッとするリック。
「す、スコットさん。顔が赤いです」
「あれ?そうですか?」
これは!本格的に愛を感じる始めた!と色めき立つ双子を他所に
「スコットさん、体の節々が痛いんじゃないですか?」
「へ?そう言われてみれば」
「スコットさん、そりゃただの風邪ですよ」
「あれぇ?」
竜の上で冷えまくり、追い回され環境の変化に耐えられずとうとうスコットさんはそのまま
「うーーん」
と唸って、倒れてしまいました。繊細おじさんをあまり虐めてはよろしくないですよ!
「わーーー!スコットさーん!」
次に目を覚ますと、スコットさんは豪華なベッドの上でした。リックが脇の椅子に座っていて、
「あ、目が覚めたッスか?良かった」
と、水を差し出してくれました。
「あの、私は」
「半日くらいッスかね?疲れがでたンスね。確かに疲れない方がおかしいッスから」
看病も手慣れてそうなリックは、ベッドサイドのテーブルにこれでもか!と盛られた果物から、りんごを一つ取り出して剥いて行きます。
あっという間にウサギが出来て行くのは流石です。
「スコットさん、本当にごめんッス」
皿に可愛らしくウサギを盛り付けて、リックはスコットさんに差し出します。水が空っぽになったグラスは戻し、皿をを受け取りながら、スコットさんは
「……いえ……あの、本気なんでしょうか?」
ぽつりと呟きつつ、ウサギのお尻に噛みつくと、甘みと酸味が口に広がります。
「本気ですよ。どこにも逃げ場がなくてごめんッス」
「……そうなんですね……ふふ、不思議ですね。ただの花屋のおじさんが皇帝様のお嫁さんになるんですか?」
困ったように聞き返すスコットさんにずきりと良心を痛めながらも、リックは笑って返します。
「そうッスね。人生、何があるか分からないものッスね」
「本当ですねぇ」
窓から外を見ても、今日は青い空が広がっているだけ。スコットさんも一つため息をついたのでした。
「分かった……スコットさんの花屋さんまで全部ウチの領土にする……」「2.3国潰せば辿り着けるよね」
「そうーッスねー」
やる気のないリックが帰って来ています。
「冗談ですよね?」
少し焦って聞き返すスコットさんに
「大丈夫、スコットさんの兄弟は殺さないようにするから」「でも絶対は無理だから死んだらごめんね?」
「も、もしかしてなんですけど……本気、ですか?」
「いまさらッスか?本気も本気ですよ」
はぁ、とため息をつきながら返すリック。
「わ、私はおじさんですよ!」
「でも、運命のつがいなンスよね?どうなンスか?いくら鈍くても何か来るものがあるッスかね?こう体の奥から熱くなるとか?」
リックに言われ、首をひねるスコットさん。
「熱く……そう言えば、何か熱いような?」
「ほう?!」「おお?!」
やはり運命のつがいか!?身を乗り出す双子に、ギョッとするリック。
「す、スコットさん。顔が赤いです」
「あれ?そうですか?」
これは!本格的に愛を感じる始めた!と色めき立つ双子を他所に
「スコットさん、体の節々が痛いんじゃないですか?」
「へ?そう言われてみれば」
「スコットさん、そりゃただの風邪ですよ」
「あれぇ?」
竜の上で冷えまくり、追い回され環境の変化に耐えられずとうとうスコットさんはそのまま
「うーーん」
と唸って、倒れてしまいました。繊細おじさんをあまり虐めてはよろしくないですよ!
「わーーー!スコットさーん!」
次に目を覚ますと、スコットさんは豪華なベッドの上でした。リックが脇の椅子に座っていて、
「あ、目が覚めたッスか?良かった」
と、水を差し出してくれました。
「あの、私は」
「半日くらいッスかね?疲れがでたンスね。確かに疲れない方がおかしいッスから」
看病も手慣れてそうなリックは、ベッドサイドのテーブルにこれでもか!と盛られた果物から、りんごを一つ取り出して剥いて行きます。
あっという間にウサギが出来て行くのは流石です。
「スコットさん、本当にごめんッス」
皿に可愛らしくウサギを盛り付けて、リックはスコットさんに差し出します。水が空っぽになったグラスは戻し、皿をを受け取りながら、スコットさんは
「……いえ……あの、本気なんでしょうか?」
ぽつりと呟きつつ、ウサギのお尻に噛みつくと、甘みと酸味が口に広がります。
「本気ですよ。どこにも逃げ場がなくてごめんッス」
「……そうなんですね……ふふ、不思議ですね。ただの花屋のおじさんが皇帝様のお嫁さんになるんですか?」
困ったように聞き返すスコットさんにずきりと良心を痛めながらも、リックは笑って返します。
「そうッスね。人生、何があるか分からないものッスね」
「本当ですねぇ」
窓から外を見ても、今日は青い空が広がっているだけ。スコットさんも一つため息をついたのでした。
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