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12 ひえっ若者怖い

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「あ……」

 うん、目が覚めると夜だった。というかなんか凄かった……もう凄いとしか言えない。そしてお腹いっぱい。久々に満腹になった。ついでに言えばぷくぷくに丸かった頃より満たされている感じがする。きっと埋め込まれた淫魔の部分の食欲も満たされて満足したんだろう。はー……満足。

「あ、ルドガーさま、起きたにゃ。レオン、レオン。ルドガーさまおきたよー」
「おーいまいく」

 その声をベッドの上で聞いて、私はちょっと慌てる。いや、レオンと顔を合わせにくいんですけど!?にゃんこちゃん余計なことしないで!あわわ……!ベッドから逃げ出そうとしたけれど、私ってば服を着てない!すっぽんぽんですよ!?きゃー!

「ルドガー、体平気か?」
「ルドガーさまは吸血鬼ですよ。自己再生能力がありますから、多分切れたとしても治ってます」

 こうちゃん……そんなこと言わないで……その通りだけど。切れる?切れるってどこが?手とか……?

「あーそっか。なら俺の方がボロボロね」
「ですにゃ」
「え?あっーー!」

 にゃんこちゃんと私の前に現れたレオンは確かにボロボロだった。い、至る所に私の歯形がついている!わああああ!

「ご、ごめん、ごめんなさいーー!」
「いや、気を失うまで抱きつぶしたのは俺だし」
「吸血鬼を抱きつぶすなんてやるですにゃ、レオン」
「ちょっと尊敬しますよ、レオン」

 いやああああ!何言ってんの、二人ともー!?

「まあ、きっと淫魔の部分が満腹になって寝ちゃったんですにゃ」
「そうみたいですね。満腹になったからそんなに血も吸ってないみたいですね」
「でもたくさん噛まれたが?」
「そりゃあ吸血行為は気持ちいいらしいですにゃ」
「気持ち良くなると思わず噛んじゃうらしいですよ」

 もうやめてぇえええ!私は布団をかぶって皆の声から逃げ出した。ううー!どうして意地悪ばっかりなんだあ!私だって噛み付きたくなんてなかったのに!だから枕を齧って押さえてたのにー!

「もう言わないから出て来てくれ」

 そう言われるまで丸くなっていた。もう!

「淫紋が消えてる」
「満腹だからですにゃ。お腹すいたら浮いてくると思いますにゃ」
「ひゃあ……」

 情報を精査してみるとやはり人間の精液から栄養を摂取することが出来そうだった。

「うーん……ある意味、血を吸うよりなんか罪悪感が薄い……?」
「ルドガーさまらしい答えですにゃ」
「普通なら血をちょっと分けて貰う方を選ぶと思う居ますけどね」
「俺はルドガーを抱きたい」

 ヤダ!この子なにいってんのっ!と思ったけれど、年頃の男子なら木の穴でも入れてみたくなるもんだから……それなら木の穴よりましか……?

「うーん……発散するのに自分でやって、捨てるより私が美味しく食べた方が色々いいよね」
「やっぱりルドガーさまはズレてますにゃ」
「今に始まったことじゃないですけどねー」
「今日も抱いて良い?」

 うーん……今日もレオンを噛み痕だらけにするのは忍びない……あ、私が何かずっと咥えてれば!木の棒とか?噛み折りそう。

「ルドガーさま、きっと変なこと考えてるにゃ」
「間違いないですね。きっとレオンに歯形がつくのが申し訳ないとか思ってますよ」

 何故分かった……流石に長い付き合いだからかなあ?

「そんなの大したことじゃないし。やった!今日もいっぱいしような、ルドガー」
「え……いやでもほら、私よくわからなくなると噛んでしまうから」

「じゃ、私達は下がってますにゃ」
「調べ物もあるからごゆっくりー」

 ああ!にゃんこちゃんとこうちゃんが行っちゃう!まって、解決方法が分からないじゃないか!気が付くともうレオンがベッドの上に乗り上げて来ている。ばさりと上に羽織っていた服を脱ぐと一面私の歯形だらけ……どんだけやったの……私。

「ルドガー、腹が空いてないとあまり血を吸わないんだな。猫達が俺の体調を調べてくれたけれど、全然平気だったよ……今日もいっぱいくれてやるからね」
「え、いや……き、昨日の今日だし、そんなになくても、だ、大丈夫……」
「若いと溜まるの早いって知ってるだろ?」
「ひえ……」

 いや、確かに私も若い頃は色々悶々したりしたけれど……若者怖い。

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