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18 そこでないちゃ駄目だろう(レオン視点
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「俺のガキの頃より可愛いなお前達」
「……パパなの?」
「……パパ?」
「目の色が一緒すぎるほど一緒だ。俺の目の色はちょっと変わってて、あまり見かけないだろう、黄緑色」
双子は顔を見合わせている。きっとお互いの目の色を確認しているんだろう。ほら、俺達はみんなおんなじ色だ。
「うん、黄緑」
「あんまり見ないね、黄緑」
「後、耳の形がそっくりだな」
「耳」
「耳」
よく見たら、俺っぽい所が随所に現れていた。耳の形目の色。顔の造詣はルドガーに似ていてとても可愛らしい。そして俺のことをパパと呼ぶということは。
「ルドガーはママか?」
「ママだよ。だって僕達を産んだのはママだもん」
「うん、ママだよ。僕達ママのこと大好き。でも今ね、弟たちにつきっきりなの、僕達我慢してる」
やはり、ルドガーが産んだのか。俺を子供達の前まで案内してきたにゃんこが泣きそうな顔で立っている。
「……サキュパスは人間の子供を孕んで産むことがあるんだっけ」
「そうにゃ……ルドガーさまはサキュバスの核が入れられてるにゃ……」
その辺りにルドガーが男なのに子供ができた秘密があったんだな。
「案内してくれるか?」
「……あんな枯れ枝みたいな姿、レオンに見られたくないって、ルドガーさまは泣くと思いますにゃ……」
「そうか……」
一体どんなことになっているのか、俺には想像もつかない。
「でも、助けて欲しいのですにゃ!もう限界はとうに超えてるのですにゃ!ルドガーさまは死ねない、でも苦しいのは苦しいし、辛いのは辛いんですにゃ!もう助けて欲しいですにゃあ!」
「……どこにいるんだ?俺の可愛い妻は」
「こちらですにゃ!」
子供達は待つように伝えると、こくんと頷いた。俺なんかより賢くていい子だ。俺はにゃんこの後ろをついて地下へと続く階段を下り始めた。
いくつか、重い扉がついていて、かなり地下へ潜っている。どこまで降りるのか少し不安になるほどだった。
「随分と、頑丈だな」
「飢えて狂ったまま、外に出ると危ないから、物凄く深く掘りましたにゃ……」
「……」
一体何が起こっているのか……。目的の場所に近づくと酷い匂いがしてきた。血の匂い、多分そうだろう。最後の重い扉を開くと、さあさあと水の音が聞こえてくる。かなり広い部屋の中に水路が渡してあり、水が流れている。
「吸血鬼は、流れる水を渡ることはできませんにゃ……だからこうやって堀を巡らせておりますにゃ」
「……」
そして真ん中あたりからじゃらりと鎖がこすれる音が聞こえてきた。
「銀の縛鎖を作りましたにゃ……吸血鬼は、銀に弱いので引きちぎれないそうですにゃ」
「……」
目を凝らすと薄暗いこの部屋の真ん中に、何かいる。辛うじて人の形を保っているが……かさかさに乾燥して干からびた人間の形をした何か。腹だけがボコンと膨らんでいる。まさか、まさか……!その干からびた物体の顔には……目がある、青い目がぎょろりとこちらを見て、見開かれた。
「か、え……って……!」
音などでないと思われた干からびた空洞のような口から声が漏れた。青い目、ひしゃがれたてはいるが聞き覚えのある声。そして……一粒の涙。
はは、俺を謀るつもりなら、そこでないちゃあ駄目だろう、ルドガー。
「馬鹿な嫁を迎えに来たんだ。手ぶらで帰りたくないんだけど」
「……ふぐぅ……け、っこ、ん、な、んて……し、て……ない。嫁……なん、か、じゃ……な、い」
カサカサに乾いた体から絞りに絞ったような涙がぽつりぽつりと漏れてゆく。俺は流れる水の堀を飛び越えて愛する人の元へ駆けてゆく。
「……パパなの?」
「……パパ?」
「目の色が一緒すぎるほど一緒だ。俺の目の色はちょっと変わってて、あまり見かけないだろう、黄緑色」
双子は顔を見合わせている。きっとお互いの目の色を確認しているんだろう。ほら、俺達はみんなおんなじ色だ。
「うん、黄緑」
「あんまり見ないね、黄緑」
「後、耳の形がそっくりだな」
「耳」
「耳」
よく見たら、俺っぽい所が随所に現れていた。耳の形目の色。顔の造詣はルドガーに似ていてとても可愛らしい。そして俺のことをパパと呼ぶということは。
「ルドガーはママか?」
「ママだよ。だって僕達を産んだのはママだもん」
「うん、ママだよ。僕達ママのこと大好き。でも今ね、弟たちにつきっきりなの、僕達我慢してる」
やはり、ルドガーが産んだのか。俺を子供達の前まで案内してきたにゃんこが泣きそうな顔で立っている。
「……サキュパスは人間の子供を孕んで産むことがあるんだっけ」
「そうにゃ……ルドガーさまはサキュバスの核が入れられてるにゃ……」
その辺りにルドガーが男なのに子供ができた秘密があったんだな。
「案内してくれるか?」
「……あんな枯れ枝みたいな姿、レオンに見られたくないって、ルドガーさまは泣くと思いますにゃ……」
「そうか……」
一体どんなことになっているのか、俺には想像もつかない。
「でも、助けて欲しいのですにゃ!もう限界はとうに超えてるのですにゃ!ルドガーさまは死ねない、でも苦しいのは苦しいし、辛いのは辛いんですにゃ!もう助けて欲しいですにゃあ!」
「……どこにいるんだ?俺の可愛い妻は」
「こちらですにゃ!」
子供達は待つように伝えると、こくんと頷いた。俺なんかより賢くていい子だ。俺はにゃんこの後ろをついて地下へと続く階段を下り始めた。
いくつか、重い扉がついていて、かなり地下へ潜っている。どこまで降りるのか少し不安になるほどだった。
「随分と、頑丈だな」
「飢えて狂ったまま、外に出ると危ないから、物凄く深く掘りましたにゃ……」
「……」
一体何が起こっているのか……。目的の場所に近づくと酷い匂いがしてきた。血の匂い、多分そうだろう。最後の重い扉を開くと、さあさあと水の音が聞こえてくる。かなり広い部屋の中に水路が渡してあり、水が流れている。
「吸血鬼は、流れる水を渡ることはできませんにゃ……だからこうやって堀を巡らせておりますにゃ」
「……」
そして真ん中あたりからじゃらりと鎖がこすれる音が聞こえてきた。
「銀の縛鎖を作りましたにゃ……吸血鬼は、銀に弱いので引きちぎれないそうですにゃ」
「……」
目を凝らすと薄暗いこの部屋の真ん中に、何かいる。辛うじて人の形を保っているが……かさかさに乾燥して干からびた人間の形をした何か。腹だけがボコンと膨らんでいる。まさか、まさか……!その干からびた物体の顔には……目がある、青い目がぎょろりとこちらを見て、見開かれた。
「か、え……って……!」
音などでないと思われた干からびた空洞のような口から声が漏れた。青い目、ひしゃがれたてはいるが聞き覚えのある声。そして……一粒の涙。
はは、俺を謀るつもりなら、そこでないちゃあ駄目だろう、ルドガー。
「馬鹿な嫁を迎えに来たんだ。手ぶらで帰りたくないんだけど」
「……ふぐぅ……け、っこ、ん、な、んて……し、て……ない。嫁……なん、か、じゃ……な、い」
カサカサに乾いた体から絞りに絞ったような涙がぽつりぽつりと漏れてゆく。俺は流れる水の堀を飛び越えて愛する人の元へ駆けてゆく。
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