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キノコと王様
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秋がきたら顔を出す。冬が近くなったら菌糸で眠る。それがキノコの全て。
何度も繰り返す生活は悪くない。去年はカタツムリにかじられたが、今年はきれいなピンク色だぞ。朝露に濡れてピッカピカだ。
おい、キノコー!
なんだよ、まだ胞子は出ないぞ。無駄胞子は撃たないのだ。
キノコ!お前!起きろ!とうとう見つけたぞ!サボってないで仕事しろ!
俺の仕事は胞子を飛ばしてキノコを増やす事だ!今年も勤勉にやってるじゃないか!
『ちげーよ!』
ずぼっ。地面から抜かれてしまった。
「あっ!なんて事!」
キノコ本体の下に体が埋まっているんだぞ、俺の場合!
『そう!お前は体があるからな!森の管理しろや!交代だ!』
「えー…」
俺のお気楽キノコ生活はまた終わりを告げた。
「ノーム様のお世話と、ドライアドお姉様のお世話は良いけど、不埒な人間の撃退ってどうすんの?胞子でもぶつければ良い?」
俺は森の中を見回って掃除をしたり、森に異常がないか見たりしている。大体特に異常はない。
昔、王宮から連れてきたお姉様達は適応したりできなかったりで半分は枯れたようだ。まぁしょうがないよな。それが自然ってもんだ。
俺は体があるので小さな洞窟に住み始めた。ジメジメしていて気持ち良いのだが、やっぱり気楽なキノコに戻りたい……。
「出てこい!森の主!」
そんなものこの森にいません。
「出てこないと火をつけるぞ!」
馬鹿な奴が来た。
それが本当に火をつけようとするから、しょうがなく顔を出した。
「帰って下さい」
「お前が森の主か!」
「違いますよ」
「まあいい!俺に力を寄越せ!」
「帰って下さい」
「俺が寄越せって言ってるんだ!寄越せ!」
話しを聞かない系の人間だ。
「無理です。それに代わりに何をくれるんです?まさかただで何かを持っていこうとしてる?泥棒ですか?」
「俺は公爵家の人間だぞ!その俺が寄越せって言ったら寄越せよ!」
「知らん。森に人間の爵位なんて関係ないだろ。《森よ…閉じろ》」
「うわ!」
訳のわからない男を押し出して、管理者の権限の1つで森の内部に入り込めなくした。
これが効いている間は外側をぐるぐる回るしかない。
「うわ また来た」
「森の主め!」
松明を振り上げてるぞ。野蛮人!
「《森よ、閉じろ》」
「《森よ、閉じろ》」
「《森よ、閉じろ》」
「《森よ、閉じろ》」
「あーーーもーーーしつこい!」
俺の《森よ、閉じろ》は力の関係で1週間しか効かない。つまりあの野蛮人公爵は毎週くるのだ。
「力を寄越せ!」
「じゃあ対価を寄越せ」
言ってみた。
「これでどうだ」
若い女の子を連れて来た。奴隷だそうな。
「生贄には最適だろう!」
……
「ほれ」
折れてしまった若木の枝を投げてやる。
「相応しい対価だ」
ぴっちぴちの若木ちゃんの枝だ。先日の風でぽきんと折れてしまった若い娘さん。将来はとても美しい花を咲かせる予定だったのに……。でもきちんと世話してやればまだ芽吹けるはず。
「俺は力を寄越せと言ったんだ!」
「俺は対価を寄越せと言った」
「対価は払った!」
「俺も見合ったモノを渡した」
「枝じゃないか!」
「良い枝だぞ」
「ふざけるな!」
「《森よ、閉じろ》《2度とあの者の前に道を開くな》」
これで静かになる。
「っあーーーっ!疲れた!二つ目はホント疲れる!もう地面に埋まっちゃおうかなー!来年の秋まで寝たい!」
だめよっ!キノコちゃん!
ドライアドお姉様に怒られてしまった。俺は受け取って貰えなかったぴっちぴちの若木の枝を丁寧に持ち帰り
ワシが面倒みるぞい!
と意気込んでくれたじーさまに接木した。けっジジィ!無理してんじゃねーぞ!なんて生意気な事を抜かしているが、ぴっちぴちもまんざらでもないようだ。
じーさまに極意を教わって長生きしろよー。
何度も繰り返す生活は悪くない。去年はカタツムリにかじられたが、今年はきれいなピンク色だぞ。朝露に濡れてピッカピカだ。
おい、キノコー!
なんだよ、まだ胞子は出ないぞ。無駄胞子は撃たないのだ。
キノコ!お前!起きろ!とうとう見つけたぞ!サボってないで仕事しろ!
俺の仕事は胞子を飛ばしてキノコを増やす事だ!今年も勤勉にやってるじゃないか!
『ちげーよ!』
ずぼっ。地面から抜かれてしまった。
「あっ!なんて事!」
キノコ本体の下に体が埋まっているんだぞ、俺の場合!
『そう!お前は体があるからな!森の管理しろや!交代だ!』
「えー…」
俺のお気楽キノコ生活はまた終わりを告げた。
「ノーム様のお世話と、ドライアドお姉様のお世話は良いけど、不埒な人間の撃退ってどうすんの?胞子でもぶつければ良い?」
俺は森の中を見回って掃除をしたり、森に異常がないか見たりしている。大体特に異常はない。
昔、王宮から連れてきたお姉様達は適応したりできなかったりで半分は枯れたようだ。まぁしょうがないよな。それが自然ってもんだ。
俺は体があるので小さな洞窟に住み始めた。ジメジメしていて気持ち良いのだが、やっぱり気楽なキノコに戻りたい……。
「出てこい!森の主!」
そんなものこの森にいません。
「出てこないと火をつけるぞ!」
馬鹿な奴が来た。
それが本当に火をつけようとするから、しょうがなく顔を出した。
「帰って下さい」
「お前が森の主か!」
「違いますよ」
「まあいい!俺に力を寄越せ!」
「帰って下さい」
「俺が寄越せって言ってるんだ!寄越せ!」
話しを聞かない系の人間だ。
「無理です。それに代わりに何をくれるんです?まさかただで何かを持っていこうとしてる?泥棒ですか?」
「俺は公爵家の人間だぞ!その俺が寄越せって言ったら寄越せよ!」
「知らん。森に人間の爵位なんて関係ないだろ。《森よ…閉じろ》」
「うわ!」
訳のわからない男を押し出して、管理者の権限の1つで森の内部に入り込めなくした。
これが効いている間は外側をぐるぐる回るしかない。
「うわ また来た」
「森の主め!」
松明を振り上げてるぞ。野蛮人!
「《森よ、閉じろ》」
「《森よ、閉じろ》」
「《森よ、閉じろ》」
「《森よ、閉じろ》」
「あーーーもーーーしつこい!」
俺の《森よ、閉じろ》は力の関係で1週間しか効かない。つまりあの野蛮人公爵は毎週くるのだ。
「力を寄越せ!」
「じゃあ対価を寄越せ」
言ってみた。
「これでどうだ」
若い女の子を連れて来た。奴隷だそうな。
「生贄には最適だろう!」
……
「ほれ」
折れてしまった若木の枝を投げてやる。
「相応しい対価だ」
ぴっちぴちの若木ちゃんの枝だ。先日の風でぽきんと折れてしまった若い娘さん。将来はとても美しい花を咲かせる予定だったのに……。でもきちんと世話してやればまだ芽吹けるはず。
「俺は力を寄越せと言ったんだ!」
「俺は対価を寄越せと言った」
「対価は払った!」
「俺も見合ったモノを渡した」
「枝じゃないか!」
「良い枝だぞ」
「ふざけるな!」
「《森よ、閉じろ》《2度とあの者の前に道を開くな》」
これで静かになる。
「っあーーーっ!疲れた!二つ目はホント疲れる!もう地面に埋まっちゃおうかなー!来年の秋まで寝たい!」
だめよっ!キノコちゃん!
ドライアドお姉様に怒られてしまった。俺は受け取って貰えなかったぴっちぴちの若木の枝を丁寧に持ち帰り
ワシが面倒みるぞい!
と意気込んでくれたじーさまに接木した。けっジジィ!無理してんじゃねーぞ!なんて生意気な事を抜かしているが、ぴっちぴちもまんざらでもないようだ。
じーさまに極意を教わって長生きしろよー。
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