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後日・その他
2 悋気深して
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「いやぁーーーやめてーー!」
「お覚悟を!エドヴァルドさま!」
メイド達に囲まれて、ベッドに押さえつけられているキノコです!助けて!
「良いですか?元来、卵を持った女性は心静かに体を大事にするものです!仕事などもってのほか!」
「ひぃ!」
メイド長は怖い!
「ではお腹周りのマッサージを始めてください」
「それやめてーーぎゃーーー!」
メイドちゃん達に取り押さえられるひ弱キノコ!上着をめくられ、ぽんぽこりんのお腹にオイルを塗られる。
「本来なら、もっと小さいうちから始めるのに!エドヴァルドさまが逃げ回るから!」
塗り塗りさわさわ いやーーん!
「そうですよー卵で皮膚が変に伸びると元に戻らないんですよ!」
なでなでつるつる ううう、勘弁して
「な、何個産んでも元に戻ってるでしょ……」
「「「「油断!」」」」
「「「「大敵!」」」」
「ひぃ!」
全員にギロッと睨まれた。怖いぃ……!
「良いですか?!本来、卵を抱えると言うことは……」
お説教は続く。
「エドヴァルド様はもうご就寝されました」
「え?」
「本来であれば、お産まれになるまて、閨は分けるのが通常でございます」
ぱたん、鼻先で扉が閉められた。
メイド達に揉まれて疲れ切ったのだろう、一人で寝るベッドは広かった。
「仕事はしばらくお休みでございます!」
「マッサージ中です!」
「お昼寝中です!」
あれから、もう3日もルドの顔を見ていない。
「いい加減に……!」
「陛下!今までが良くなかったのです!良いですか?!エドヴァルド様に万一の事があらせられたらどうなされるおつもりですか?!」
そう言われると、返す言葉がない。前回大丈夫だったから、今回は大丈夫なんて決まっていない。絶対なんてどこにも無いが。
たった3日会わないだけでこうもイライラするものか?
「陛下……陛下…!!」
「煩い」
パキン、羽ペンを握り潰した。
「あの、こちらにサインを……」
「……」
使い物にならなくなったペンをゴミ箱に捨てる。中には折れたペンがいくつも捨ててあるが、使えないので仕方がない。
引き出しを開けると、替えのペンは無くなっていた。
自分の執務机の左前にルドの机が置いてある。
「あ?ペンを折ったって?仕方がない」
そう言って使っていない新品を貸してくれる。本人はいないが、ルドの机の引き出しを開ければ、きちんと並んでペンが入っていた。
どれもこれも使い込まれていて、すぐ折ってしまう俺とは違う。その横に新品のペンも並んでいる。それを使った形跡はない。
「……俺用か?」
そうなのだろう。本当に仕事の時は隙がない。隙がないからこそ、仕事以外の時は甘やかしたり、可愛がったり、鳴かせたりしたいのに。
「くそっ」
なんでお前は俺の横にいない?
「お覚悟を!エドヴァルドさま!」
メイド達に囲まれて、ベッドに押さえつけられているキノコです!助けて!
「良いですか?元来、卵を持った女性は心静かに体を大事にするものです!仕事などもってのほか!」
「ひぃ!」
メイド長は怖い!
「ではお腹周りのマッサージを始めてください」
「それやめてーーぎゃーーー!」
メイドちゃん達に取り押さえられるひ弱キノコ!上着をめくられ、ぽんぽこりんのお腹にオイルを塗られる。
「本来なら、もっと小さいうちから始めるのに!エドヴァルドさまが逃げ回るから!」
塗り塗りさわさわ いやーーん!
「そうですよー卵で皮膚が変に伸びると元に戻らないんですよ!」
なでなでつるつる ううう、勘弁して
「な、何個産んでも元に戻ってるでしょ……」
「「「「油断!」」」」
「「「「大敵!」」」」
「ひぃ!」
全員にギロッと睨まれた。怖いぃ……!
「良いですか?!本来、卵を抱えると言うことは……」
お説教は続く。
「エドヴァルド様はもうご就寝されました」
「え?」
「本来であれば、お産まれになるまて、閨は分けるのが通常でございます」
ぱたん、鼻先で扉が閉められた。
メイド達に揉まれて疲れ切ったのだろう、一人で寝るベッドは広かった。
「仕事はしばらくお休みでございます!」
「マッサージ中です!」
「お昼寝中です!」
あれから、もう3日もルドの顔を見ていない。
「いい加減に……!」
「陛下!今までが良くなかったのです!良いですか?!エドヴァルド様に万一の事があらせられたらどうなされるおつもりですか?!」
そう言われると、返す言葉がない。前回大丈夫だったから、今回は大丈夫なんて決まっていない。絶対なんてどこにも無いが。
たった3日会わないだけでこうもイライラするものか?
「陛下……陛下…!!」
「煩い」
パキン、羽ペンを握り潰した。
「あの、こちらにサインを……」
「……」
使い物にならなくなったペンをゴミ箱に捨てる。中には折れたペンがいくつも捨ててあるが、使えないので仕方がない。
引き出しを開けると、替えのペンは無くなっていた。
自分の執務机の左前にルドの机が置いてある。
「あ?ペンを折ったって?仕方がない」
そう言って使っていない新品を貸してくれる。本人はいないが、ルドの机の引き出しを開ければ、きちんと並んでペンが入っていた。
どれもこれも使い込まれていて、すぐ折ってしまう俺とは違う。その横に新品のペンも並んでいる。それを使った形跡はない。
「……俺用か?」
そうなのだろう。本当に仕事の時は隙がない。隙がないからこそ、仕事以外の時は甘やかしたり、可愛がったり、鳴かせたりしたいのに。
「くそっ」
なんでお前は俺の横にいない?
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