【完結】スキル「癒し」のみですがまだ生き残っています!

鏑木 うりこ

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新しい土地

32 レンの想い

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『「弟の」「「息子の」」「孫の」「ひ孫の」嫁に撫でられている~~』

「? レン、どうしたの?お腹痛いの?」
「大丈夫ッスよ、ヨシュア……ちょっと頭の中がごちゃごちゃしてるだけッス」

 吾輩は猫ッス! 名前はもうあるッス、レンッス!

 役立たずの根性ナシを早く治そうとしたら、酷い目に合ってるッス。

『手がまだ小さいのね、可愛いわ』
『膝の上に座ってたら重いのではなかろうか?』
『細い足だもんなー。しかし暖かいから乗っていたいなぁ』

 ジュリーの家族は楽しそうにしている。本当に大丈夫なンスかぁ……イージス先輩。俺はちょっと泣きそうッス。
 俺に足りない霊格って言うものを足すために、俺は幽霊になっていた皆んなを受け入れたッス! 変な感じだけど、確かに勇気は湧いて来たし、なんだか色々出来そうな自信も出来たンスけどね?

 俺の頭の中に小さな家があって、その家の窓からジュリーのにーちゃん、とーちゃん、かーちゃん、じーちゃんが常に顔を出してる感じ。たまにひーじーちゃんが皆んなを押し退けて出てくる。ひーじーちゃんはなかなか強いッス。見習いたい所ッス! ちなみにひーひーじーちゃんは俺を膝の上には乗せて、あたまを撫でながら

「レン? 大丈夫? 大丈夫なら良かったよ」

 って言いながら、にこっと笑ったヨシュアの顔をみて

『わしの玄孫やしゃごの嫁は天使じゃった……』

 と、言いながらすーっと空に昇って行ったので多分色々満足したンスね!

 油断すると昇ってしまうらしい、さすがはヨシュアッス。ひーひーじーちゃんは経験とか長く生きていないと得られないものとか、俺に遺していってくれたッス。生きているうちの事、死んでからの事。生きているうちの悪業を、死んでから埋め合わせたりしていたようッス。幽霊も苦労するンスね。俺もあっさり死ななくて良かったッスよ!

『ちいちゃな嫁っ子を頼むよー』
 
 なんて言っていたから、ひーひーじーちゃんもいい奴だったッス。ちなみに居ない家族は先に空に返っているのと……黒く染まっている奴らもいるようなンスよね……。

『今は、大丈夫だ』

 なーんて、ルーにーさんが言うから信じるッスけど、ルーにーさんはイマイチ信用に欠けるッス。でも最初に混じったし想いの詰まった本もあるので、ルーにーさんの力は強いッス。

『はぁ……弟の嫁の至近距離! なのに誰にも怒られないなんて!』

  ルーにーさんはジュリーのにーさんらしく、かなり残念な所があるッスが……生きてるうちはかなりの人格者で、信頼とか将来性とか凄かったらしいッス。ちょっと信じられないッスけどね?

『死んだら少し自由になっちゃってねー! でも死んでからも弟のために色々働いてたし。癒されてもいいよねー』

  少しじゃないッスよね? でも弟であるジュリーの事を助けていたのは本当で、帝国がきちんと機能しているのはにーちゃんやとーちゃんやかーちゃんの助けがあった部分も大きいそうッス。なんか帝国もジュリーも大変そうなんスよね。

『まあ、ジュリアスが大体頑張ったんだけどね』

 やるなぁ、ジュリー! 俺は自分の頭の中の人達と話をしつつ、頭の外から声をかけてくれたヨシュアに返事をする……ちょっと忙しい状況なんス。

「レンー朝ごはんだってさー」
「今日は緑の魚はあるッスかね?」 

 俺はぴょんとヨシュアの膝の上から飛び降りる。にーさんたち、ナデナデはまた後からッスよ。腹が減っては元気がでないッス。

「み、緑の魚の事は諦めなよ……普通の魚も美味しいよ?」
「そーッスね! いっぱい食べるッスよ! ヨシュアもいっぱい食べないと、大きくなれなくてちーちゃいままッスよ」

 ちーちゃくない! お父様くらい大きくなるもん! と文句を言う所がまだまだお子ちゃまッスね!

 俺は昨日より耳も尻尾もぴんと伸ばし、前を向いている。

「朝飯の部屋はどこッスかね?」
「こっちー」

 ヨシュアに抱っこされているだけの猫じゃねーンスから! 俺はヨシュアを守る黒猫なんスから。

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